特集、その他

Crucial最強のPCI Express 4.0対応SSD「P5 Plus」が登場! その使用感は現役最高クラス!?

期待を裏切らない完成度で登場したハイエンドSSDを徹底テスト text by 芹澤 正芳

MicronのPCI Express 4.0対応NVMe SSD「Crucial P5 Plus」

 2021年8月4日、Micronの個人向けブランド「Crucial」初となるPCI Express 4.0対応のNVMe SSD「Crucial P5 Plus」が発表された。容量は2TB、1TB、500GBの3種類で、予想実売価格は順に4万8,000円前後、2万4,000円前後、1万4,000円前後で、2021年8月下旬発売を予定している。

 CrucialブランドのSSDは、最新規格のNVMeに対応したモデルが、上位から「P5」、「P2」、「P1」※の3製品、従来規格のSerial ATA 3.0に対応したモデルが「MX500」、「BX500」の2製品ラインナップされている。性能は先に書かれているものほど高い(※ P1は1TBモデルが販売終了)。今回加わった「P5 Plus」は、文字どおり上位モデルを増強する製品だ。PCI Express 4.0 x4接続に対応したことで、シーケンシャルリードは最大6,600MB/s、シーケンシャルライトは5,000MB/s(500GB版のみ4,000MB/s)と飛躍的に転送速度を向上させた(P5の1TB版はシーケンシャルリード3,400MB/s、シーケンシャルライト3,000MB/s)。主なスペックは以下の表にまとめている。

【P5 Plusの主なスペック】
容量500GB1TB2TB
フォームファクタM.2 2280
インターフェースPCI Express 4.0 x4
NANDフラッシュメモリMicron製3D TLC NAND
シーケンシャルリード6,600MB/秒
シーケンシャルライト4,000MB/秒5,000MB/秒
総書き込み容量(TBW)300TB600TB1,200TB
保証期間5年(制限付保証)

 実装されている3D NAND、キャッシュ用のDRAMともにMicron製で、コントローラの詳細は公開されていないが、同社の技術を投入していると言う。コントローラの見た目は「P5」とそっくりだ。

左側のチップはMicron製の3D NAND。176層の最新モデルと見られる。右奥のMicronロゴ入りのチップはキャッシュ用のDRAM
見た目はP5と似ているコントローラ。同社のテクノロジが使われているという

 「P5 Plus」は、公称のシーケンシャル転送速度だけ見ると“現役最速”ではないものの、クリエイターやゲーマー向けに細部をチューンした設計とのことで実アプリにおける応答性や処理速度は優秀だ。詳しくは、このあと順に解説するベンチマークテストでつまびらかにしていくが、実際にアプリを選ばず高い性能を発揮できていた。

PCI Express 3.0世代のCrucial P5(左上)と、最新のCrucial P5 Plus。ラベルを貼った外観には大きな変化はないが、その実力は大幅に強化されている

ゲーム/アプリの実行/パフォーマンスが確実に向上

 それでは、実際の性能をチェックしてみよう。P5 Plusは1TBを用意。比較用としてP5の1TBモデル、現在は終売となったが長らく人気だったP1の1TBモデル、そして定番Serial ATA製品のMX500の1TBモデルも比較対象としてテストに加えているので、乗り換え検討などの参考としていただきたい。テスト環境は以下のとおりだ。

【検証環境】
CPUIntel Core i5-11400(6コア12スレッド)
マザーボードMSI MPG Z590 GAMING CARBON WIFI(Intel Z590)
メモリDDR4-3200メモリ(PC4-25600 DDR4 SDRAM 8GB)×2
ビデオカードMSI GeForce RTX 3070 VENTUS 2X OC(NVIDIA GeForce RTX 3070)
CPUクーラーCorsair iCUE H115i RGB PRO XT(簡易水冷、28cmクラス)
電源Super Flower LEADEX V G130X 1000W(1,000W、80PLUS Gold)
OSWindows 10 Pro 64bit版

 まずは、最大性能をチェックする定番ストレージベンチマークの「CrystalDiskMark 8.0.3」から見ていこう。

CrystalDiskMark 8.0.3の計測結果

 シーケンシャルリードは6,765MB/s、シーケンシャルライトは5,011.6MB/sと公称を上回る速度を見せた。シーケンシャルリードに関してはP5に対して約2倍、P1に対して3倍以上、MX500に対して12倍以上とPCI Express 4.0 x4対応のハイエンドNVMe SSDらしいと言える。

 次は実際のアプリケーションを使用するPCMark 10のStorage(Full System Drive Benchmark)テストを実行する。

PCMark 10 Strageテストの計測結果

 このテストは使用感のよさを見きわめるのに有効で、P5 Plusの「3,315」というスコアは非常に優秀。これは現役最速クラスだ。PCI Express 4.0対応のSSDとしては後発となるP5 Plusだが、それだけに実アプリにおける性能に磨きをかけていると言ってよいだろう。P5やP1のスコアも対応規格や価格を考えると決して悪くはない。P5 Plusがズバ抜けているだけだ。

PCMark 10 Strageテストの個別項目の計測結果

 また、個別処理時間は、PCMark 10 Storageの結果からゲームの起動時間に関するものを「ゲーム」、Adobe系アプリの処理時間を「クリエイティブ」、Microsoft Officeの処理時間を「Office」として集計したもの。P5 Plusはすべて短い時間で処理を完了しており、どのアプリにも強いのが分かる結果だ。

 ここからは、ベンチマークソフトではなく、実際のアプリを使ってSerial ATA接続のMX500より、どの程度処理スピードが向上するのかチェックしてみたい。Serial ATA SSDからの乗り換えの参考にしていただきたい。

 まずはゲームから。「アサシンクリード ヴァルハラ」と「ウォッチドッグス レギオン」。Ubisoft Connectのプレイボタンを押してからタイトル画面が表示されるまでを“起動”、タイトル画面で「続ける」を押してからプレイ画面になるまでを“ロード”とした。それぞれ3回実行し、その平均値を掲載している。

アサシンクリード ヴァルハラの起動/ロード時間の計測結果
ウォッチドッグス レギオンの起動/ロード時間の計測結果

 アサシンクリード ヴァルハラは、起動が約2.7秒、ロードが約1.9秒の短縮。ウォッチドッグス レギオンは、起動が約4.1秒、ロードが約1.8秒の短縮とそれぞれ効果を確認できた。MX500はSerial ATA接続としてはゲームの起動やロード関連が優秀なSSDであることは過去のベンチマーク結果からも分かっているが、それを上回っている。

 ゲームをもう1本。ゲーミング性能を測るベンチとして有名なFF XIVベンチの最新モデル「ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク」で計測できるローディングタイムを見てみよう。こちらはMX500の約13.9秒に対して4秒弱高速化と、はっきりと体感できる差が出る優秀な結果だ。

ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレ ベンチマーク-ローディングタイムの計測結果

 次は、クリエイティブ系として「Premiere Pro 2021」と「Photoshop 2021」を用意した。Premiere Proは、アイコンをクリックしてアプリが表示されるまでを“起動”、4K動画を3本配置したプロジェクトファイルを読み込むまでの時間を“プロジェクト”、Photoshopはアイコンをクリックしてアプリが表示されるまでを“起動”、12枚のRAW画像をレンズ補正、ノイズ軽減、回転などの処理を行なった際の時間を“画像処理”とした。それぞれ3回実行し、その平均値を掲載している。

Premiere Pro 2021の起動/プロジェクト読み込み時間の計測結果
Photoshop 2021の起動/画像処理時間の計測結果

 Premiere Proは、起動が約0.6秒、プロジェクトが1.3秒、Photoshopは起動が約1.2秒の短縮となった。Photoshopの画像処理は約0.2秒遅くなっているが、これは誤差の範囲と言えるので、ほぼ変わらないと見てよいだろう。起動関連はしっかりと短縮しているが、処理の内容によっては効果が出にくいようだ。

 続いて、SLCキャッシュ関連のチェックをしてみよう。P5 Plusには、容量の一部をSLCキャッシュとして使い高速化する「Dynamic Write Acceleration」が搭載されている。HD Tune ProのFile Benchmarkを用いて、そのSLCキャッシュ容量と、そのキャッシュが切れたときの速度をチェックしてみよう。

HD Tune Pro 5.75 File Benchmark(データ200GB設定)の結果

 上の画面が200GBのデータを連続して読み出しと書き込みを実行した結果だ。青色のラインが読み出し、オレンジ色のラインが書き込みとなる。SLCキャッシュは書き込み時に利用されるのでオレンジ色のラインを見てほしい。書き込み98GB付近でSLCキャッシュが切れているが、以降も約1,200MB/sと十分速いデータ転送速度を維持。これなら大容量ファイルを扱っても不満を感じる場面は少ないだろう。

 最後に温度をチェックしたい。マザーボードのヒートシンクを装着した状態で、TxBENCHでシーケンシャルライト(データサイズ50GB)を10分間連続して実行したときの温度とデータ転送速度の推移をHWiNFO64で測定している。

温度と書き込み速度の推移

 最大で74℃とそれなりに温度は高くなっているが、サーマルスロットリングによる速度低下は見られなかった。書き込み速度が小きざみに上がったり下がったりしているが、P5 Plusには適応型熱保護機能が備わっており、微妙な速度調整で温度が上がり過ぎないようにしている可能性がある。

Serial ATAからの乗り換え先にも最適な実戦的な実力が魅力

 Crucialブランド初のPCI Express 4.0対応のNVMe SSDは、その期待に十分応えるだけの高い性能を見せてくれた。シーケンシャルリードとライト最速を狙うのではなく、実アプリでの使用感を追求した作りは実に素晴らしい。現在の市場でもっとも人気の高いのは1TB前後モデルだが、本機の予想価格は最速クラスの製品として現実的なレンジに収まっている。Serial ATA SSDからの乗り換え先としては、性能、価格ともにちょうどよいレベルと言えるだろう。

 なお、CrucialのSSDは、クローニングやバックアップが手軽に行なえるアプリ「Acronis True Image for Crucial」が無料で利用できる。環境移行の容易さという面でもオススメの1枚だ。

Crucial P5 Plusの情報を動画でたっぷりお届け!

 本稿の執筆者芹澤正芳氏がP5 Plusの特長や性能を動画でも解説します。合わせてチェックしてください!

【Plusってレベルじゃねえぞ!! Micron最強のPCI-E 4.0対応SSD「Crucial P5 Plus」の速度を大量検証した!!】

[制作協力:マイクロンジャパン]