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ASUS ROGで組む「最強PC」、クリエイター用途/激重ゲームも脅威の性能で押し切る!

見た目も性能も一級品、ASUSらしさが感じられる満足な一台 text by 坂本はじめ

 ASUSのゲーミングブランド「ROG(Republic of Gamers)」の登場から15年。当初マザーボードからスタートしたROGブランドは拡大を続け、いまやビデオカードや電源ユニット、CPUクーラーにまでROGを関する製品が登場している。

 そこで今回は、ROGブランドのハイエンド製品を贅沢に使ったROGマシンを自作してみることにした。コストを度外視して組むROGマシンがどのようなPCに仕上がるのか、ROGブランドやハイスペックPCに興味のあるユーザーには、ぜひチェックしてもらいたい。

ハイスペックパーツが勢ぞろい! ROGマシンの構成パーツを紹介

 まずは、今回自作するROGマシンを構成するパーツから紹介しよう。

 構成パーツは以下のリストに記載した通りで、CPUにAMDのデスクトップ向け最上位CPU「Ryzen 9 5950X」、GPUにもNVIDIAのGeForce RTX 30シリーズ最上位GPU「GeForce RTX 3090」を採用。各パーツの実売価格を合計すると70万円を超える、超ハイエンド構成のデスクトップPCだ。

16コア32スレッドの最上級CPU「Ryzen 9 5950X」

16コア32スレッドCPU「AMD Ryzen 9 5950X」

 AMDのRyzen 9 5950Xは、Ryzen 5000シリーズの最上位に位置する16コア32スレッドCPU。

 AMD最新のZen 3アーキテクチャを採用したことで、16コアによる圧倒的なマルチスレッド性能に加え、デスクトップ向けCPUとして最高クラスのシングルスレッド性能も実現。クリエイティブからゲームまで、あらゆる用途で抜群のパフォーマンスを発揮するハイエンドCPUとして、記事執筆の10月時点でデスクトップ向けCPUの頂点に君臨しているモデルだ。

デスクトップ向けでは最多となる16コア32スレッドを備えたハイエンドCPU。
タスクマネージャーのパフォーマンスタブの表示はハイエンドCPUならでは。
CPU-Zでのステータス画面。7nmプロセスで製造された16コア32スレッドCPUは、合計64MBの大容量L3キャッシュも備えている。

現行最速GPU「GeForceRTX 3090」搭載の「ROG-STRIX-RTX3090-O24G-GAMING」

現行最速のGeForce RTX 3090を搭載するASUS ROG-STRIX-RTX3090-O24G-GAMING

 ビデオカードのASUS ROG-STRIX-RTX3090-O24G-GAMINGは、NVIDIAのGeForce RTX 30シリーズ最上位モデルである「GeForce RTX 3090」をオーバークロックして搭載したビデオカード。

 10,496基のCUDAコアと24GBものVRAMを備えるGeForce RTX 3090は、ゲームとクリエイティブの両面で強力なパフォーマンスが期待できるGPUだ。そのGeForce RTX 3090の性能を最大限に引き出せるよう、2.9スロット設計の大型GPUクーラーや、PCI-E 8ピン×3系統での電力供給を可能にしたのが、ASUS ROG-STRIX-RTX3090-O24G-GAMINGである。

2.9スロット設計の大型GPUクーラーを搭載することで、最上位GPUを確実に冷やせる冷却性能を確保している。
PCI-E 8ピン×3系統の補助電源コネクタを備えるASUS独自設計の基板が、GPUへの安定した電力供給を実現。
GPU-Zによるステータス画面。1万を超えるCUDAコアを備えるGPUに、24GBのGDDR6Xメモリを組み合わせた最強クラスのビデオカードだ。

Socket AM4対応のROG最上位マザーボード「ROG CROSSHAIR VIII EXTREME」

X570チップセットでファンレス/最新設計の「ASUS ROG CROSSHAIR VIII EXTREME」

 ASUS ROG CROSSHAIR VIII EXTREMEは、AMD X570チップセットを搭載したSocket AM4向けマザーボード。フォームファクターはE-ATXで、基板サイズは305×277mm。

 一般的なATXマザーボードより大型の基板には、18+2フェーズの電源回路や2系統のThunderbolt 4、10GbE+2.5GbEなど、最新かつ豪華なコンポーネントやインターフェイスを搭載。LEDイルミネーション機能の「Aura Sync」に対応したRGB LEDや、ハードウェアモニターとしても機能する2インチOLEDパネル「LiveDash OLED」なども装備しており、ASUSのSocket AM4向けマザーボードの頂点に君臨するに相応しい豪華絢爛な製品だ。

18+2フェーズの強力な電源回路を備えるハイエンドマザーボード。
重厚なヒートシンクで覆われた基板上には、高品質で高耐久なコンポーネントが実装されている。
Thunderbolt 4(2基)やWi-Fi 6E、10GbE+2.5GbEなど、先進的なインターフェイスを装備している。

RGB LED搭載の定番OCメモリ「Trident Z Neo F4-3600C18D-32GTZN」

DDR4-3600対応メモリ「G.Skill Trident Z Neo F4-3600C18D-32GTZN」

 メモリのG.Skill Trident Z Neo F4-3600C18D-32GTZNは、DDR4-3600動作に対応した16GBメモリを2枚組にしたメモリキット。今回はこれを2セット用いることで16GB×4枚構成の64GBメモリを搭載する。

 AMDのRyzen向けに設計されているG.Skill Trident Z Neoは、Ryzen 9 5950Xを用いる今回のPCで利用するのに最適なオーバークロックメモリの一つで、メモリプロファイル(XMP)を読み込むだけでDDR4-3600(CL18-22-22-42、1.35V)での動作設定を完了できる。また、メモリ本体には8つのゾーンで制御できるアドレッサブルRGB LEDバーを搭載しており、これはASUSのLEDイルミネーション機能「Aura Sync」での制御にも対応している。

アルミニウム製のヒートシンクを装備しており、その上部にはRGB LEDバーを装備している。
オーバークロックメモリであり、DDR4-3600(CL18-22-22-42)で動作する。動作電圧は1.35V。
今回の検証では同モデルを2セット用意した。

公称7GB/sの最速級のPCIe 4.0 SSD「M10PG 2TB」

PCIe 4.0対応の2TB SSD「Plextor M10PG 2TB(PX-2TM10PG)」

 システム用のストレージには、Plextor最新のNVMe SSD「M10PG」の2TBモデル(PX-2TM10PG)を用意した。インターフェイスにPCI Express 4.0 x4を採用したM.2型SSDだ。

 記憶素子にキオクシアのBiCSフラッシュメモリ(TLC型)を採用しており、InnoGrit製のSSDコントローラと組み合わせることで、リード最大7GB/s、ライト最大5GB/sという最速級の転送速度を実現している。M10PGは冷却用ヒートシンク搭載モデルなのだが、その取り付けはセルフ仕様となっているため、今回のようにマザーボードが強力なヒートシンクを備えている場合はそちらを使用することもできる。

同梱のヒートシンクを搭載したM10PG。PCIe 4.0 SSDの発熱をしっかり処理できる冷却能力を備えている。
M10PGのヒートシンクはユーザー自身の手で取り付けるセルフ仕様であるため、マザーボード付属のヒートシンクを使うという選択も可能。
今回のPCでのCrystalDiskMarkの実効値(NVMeモード)は、リード約6.9GB/sとかなり高速。

電力モニターやRGB LEDを備える1,200W電源「ASUS ROG-THOR-1200P」

80PLUS Platinum認証の1,200W電源「ASUS ROG-THOR-1200P」

 電源ユニットのASUS ROG-THOR-1200Pは、80PLUS Platinum認証を取得した1,200W電源だ。ケーブルの全着脱が可能なフルプラグイン方式を導入しており、主要なケーブルに見栄えの良いスリーブケーブルを採用している。

 本体側面にはアドレッサブルROG LEDを搭載しており、LEDイルミネーション機能の「Aura Sync」でマザーボードやビデオカードと連携させることができる。また、同じく側面に搭載したOLEDパネルは電力モニターとして機能しており、電源ユニットが消費している電力をリアルタイムに表示できる。

側面にはAura Sync対応のアドレッサブルRGB LEDや、OLEDパネルを採用した電力モニターが搭載されている。
搭載ファンは135mm。動作温度に合わせ回転するセミファンレス機構を備え、動作温度が低い状態ではファンが停止する。
主要なケーブルは「スリーブケーブル」となっており、組み立てたさいの見映えを良くできる。

3.5インチ液晶パネルを装備した360mmオールインワン水冷「ROG RYUJIN II 360」

360mmラジエーターでNoctua製ファンを搭載する水冷クーラー「ASUS ROG RYUJIN II 360」

 CPUクーラーのASUS ROG RYUJIN II 360は、120mmファン×3基を横に並べて搭載できる360mmのラジエーターを備えたオールインワン水冷クーラーだ。標準搭載の冷却ファンにはNoctua製の120mmファン「iPPC-2000 PWM」が採用されている。

 Asetek製のポンプや周辺冷却用の冷却ファンを備える水冷ヘッドには、3.5インチの液晶パネルも装備されており、CPUの温度などを表示するハードウェアモニターとして利用できるほか、オリジナルの画像やアニメーションを表示することもできる。単なる冷却装置の枠を超え、イルミネーション用パーツとしての存在感も抜群な水冷クーラーだ。

ラジエーターサイズは360mm、ファンなども含めカラーは黒で綺麗にまとめられている。
3.5インチ液晶パネルを装備した水冷ヘッド。内部には周辺冷却用のファンや、Asetekの第7世代ポンプなどが組み込まれている。
標準搭載の冷却ファンには、品質の高さで知られるNoctuaの120mmファンが採用されている。

3面ガラス張りのハイエンドPCケース「ROG Strix Helios」

ハイエンドパーツがより映える大型タワーケース「ASUS ROG Strix Helios」

 ASUS ROG Strix Heliosは、正面と両サイドの3面にスモークガラスパネルを採用したミッドタワーケースだ。本体サイズは250×565×591mm(幅×奥行き×高さ)とフルタワー級のサイズ感を持っており、デザインもASUSらしいアクセントがいたるところに施されたものになっている。

 正面のガラスパネルにAura Sync対応アドレッサブルRGB LEDが導入されているほか、電源ユニットを見せる窓を備えたボトムカバーなど、ASUS製のパーツをより美しく魅せるためにデザインされたROG Strix Heliosは、今回のようにROGブランドのパーツでPCを組むのに最適なケースの一つであると言える。

正面と左サイドに加え、配線側となる右サイドにもスモークガラスパネルを採用している。
本体上部には50kgまで耐えられるというファブリック素材のハンドルを装備。
フロント側のUSB端子は、USB 3.2 Gen2 Type-C×1/USB 3.2 Gen1 Type-A×4と豊富。マザーボードのレイアウトや搭載端子によっては、機能をフル活用するため変換アダプタなどが必要になる場合もある。

自作でも統一感のある高レベルなビジュアルLEDイルミネーションの調和も取れたハイエンドPC

 これらコスト度外視で用意したパーツを使って、実際に組み立てたものが以下の写真だ。

 ROGブランドの製品は外観デザインのコンセプトがある程度統一されているので、ROGを冠するパーツを揃えた今回のPCは、各パーツが調和した統一感のあるビジュアルに仕上がった。

組みあがったハイエンドROGマシン。
ケースの内部。多数のパーツが搭載されているが、デザインは統一感のあるものに仕上がった。
ASUS ROG RYUJIN II 360の3.5インチ液晶パネル。アニメーション表示も可能。
M.2ヒートシンク上に配置されたLiveDash OLEDにハードウェア情報(CPU温度)が表示されている。
ASUS ROG-STRIX-RTX3090-O24G-GAMINGのRGB LEDイルミネーション。
ASUS ROG-THOR-1200PのRGB LEDイルミネーションと電力モニター。
ケース正面のガラスパネルはRGB LEDによってロゴやパターンが発光する。
G.Skill Trident Z NeoのRGB LEDイルミネーション。

「Aura Sync」対応パーツで揃えることでイルミネーションも統一感のあるものに

 今回使用したRGB LEDを搭載するパーツは、ASUSのLEDイルミネーション機能「Aura Sync」に対応しており、ユーティリティーソフト「Armoury Crate」で各パーツのRGB LEDを連携させることで、統制のとれた鮮やかなイルミネーションを楽しむことができる。

 メーカーやシリーズを統一することは、全体のデザインが揃えられる面がわかりやすい利点となるが、複数のパーツでLEDイルミネーションなどの連携とれるといった部分もメリットだ。

各パーツのRGB LEDはASUSの「Aura Sync」に対応しており、ユーティリティソフトのArmoury Crateで発光を管理できる。
用意された発光パターンや好みの色を選択して設定可能だ。
RGB LEDをカラフルに光らせるだけでなく、Armoury CrateでLEDをコントロールすれば発光色を好みの色で統一することもできる。

Windows 11への準備も万端

今回のROGマシンはWindows 11へのアップグレード要件を満たしている。

 今回組み立てたROGマシンはOSにWindows 10を採用しているが、新OSであるWindows 11にももちろん対応可能だ。

 ハードウェア的にはすぐにでもWindows 11を導入可能なので、アプリや周辺機器の動作確認が取れ次第Windows 11へのアップグレードを行うことができる。

ゲームでもクリエイティブでも超一線級のパフォーマンスを発揮!

 ここからは、組みあがったROGマシンのパフォーマンスをベンチマークテストやゲームで確かめてみよう。ハイエンドパーツを揃えただけあって贅沢な性能のPCに仕上がった。

3DCGレンダリングベンチマーク「CINEBENCH R23」はハイエンドらしい性能に

「CINEBENCH R23」で3DCGレンダリング速度を計測。

 まず実行したのは、CPUの3DCGレンダリング性能を測定するベンチマークテスト「CINEBENCH R23」。CPUのマルチスレッド性能(Multi Core)とシングルスレッド性能(Single Core)を測定できるこのテストでは、Multi Coreで「25,711」、Single Coreで「1,604」を記録した。

 Single Coreで1,600を超えるのは一握りのCPUだけであり、Multi Coreのスコアはデスクトップ向けCPUでは並ぶ者のない、ハイエンドデスクトップ(HEDT)向けCPUクラスの圧倒的なものだ。Ryzen 9 5950Xがデスクトップ向けCPUの頂点に位置するCPUであるという事実を改めて確認できる結果と言えよう。

CINEBENCH R23の実行結果。スコアはMulti Coreが「25,711」で、Single Coreが「1,609」。
ベンチマーク内に参考スコアも表示されているが、Ryzen 9 5950Xはワークステーション向けCPUといった性能だ。

3DCG制作ソフト「Blender」のパフォーマンスもチェック、GPUレンダリング速度は爆速

3DCG制作ソフト「Blender」のベンチマークでパフォーマンスをテスト。

 3DCGソフト「Blender」のオフィシャルベンチマークテストである「Blender Benchmark」では、CPUのRyzen 9 5950Xを使用した場合と、GPUのGeForce RTX 3090(OptiX)を使用した場合で、それぞれレンダリング時間を測定した。

 Ryzen 9 5950Xのレンダリング時間は合計「21分13秒」で、これはCPUとしては相当に優秀なレンダリング速度だ。しかし、GeForce RTX 3090のレンダリング時間はわずか「3分31秒」で、これはRyzen 9 5950Xの約6倍もの速度でレンダリング処理を実行していることになる。

 CPUの処理能力が求められるアプリではRyzen 9 5950Xが優れたパフォーマンスを発揮し、BlenderのようにGPUを活用できるアプリではGeForce RTX 3090の圧倒的な処理能力を利用できる今回のROGマシンは、クリエイティブシーンでも大いに活躍できるだろう。

Ryzen 9 5950Xでの実行結果。合計レンダリング時間は「21分13秒」で、これはCPUとしてはかなり優秀な性能だ。
GeForce RTX 3090(OptiX)での実行結果。合計レンダリング時間は「3分31秒」。GPUが活用できるクリエイター向けアプリではCPUを大きく超える性能を得られるケースもある。

かなり重いレイトレーシング/4Kの「サイバーパンク2077」も快適に遊べるすさまじい性能

「サイバーパンク2077」の夢の環境、レイトレーシングオン・4K解像度でゲームが遊べるのか試してみた。

 最後に実行したのは「サイバーパンク2077」。精緻に作りこまれた近未来の都市を舞台にしたオープンワールド・アクションアドベンチャーゲームだ。

 緻密なグラフィックと引き換えに描画負荷が高いことで知られるこのゲームで、画面解像度を4K(3,840×2,160ドット)、画質プリセットを最も高品質な「レイトレーシング:ウルトラ」に設定してプレイしてみたところ、多くのシーンで60fpsを上回るフレームレートを記録し、特に重たいシーンでも50fps台で踏みとどまっていた。

 ROGマシンが発揮したパフォーマンスは、サイバーパンク2077を十分快適にプレイできるものであり、動的同期技術のG-Syncや同Compatibleに対応したゲーミングモニターと組み合わせれば、同期ズレによる破綻のない映像でゲームを楽しめるだろう。

4K解像度の「レイトレーシング:ウルトラ」でも、多くのシーンで60fps以上を維持できた。
フレームレートが落ち込むシチュエーションでも50fps台を維持しており、サイバーパンクを十分にプレイできるだけのフレームレートを常に維持できた。

統一感のある見た目と確かな高性能を得られるROGマシン

 今回構築したROGマシンは、コストを度外視してハイエンドパーツを採用したため、驚異的な性能を持ったPCが完成した。ROGブランドを冠するパーツを中心に構築したため、パーツ同士の外観的な相性も良く、統一感のあるビジュアルも魅力的だ。

 これほど高価なPCを構築するのは簡単ではないが、このPCからも分かるようにROGブランドのパーツには外観デザインの統一感があり、パーツをROGブランドで揃えればビジュアルの良いPCを構築することはできる。性能は製品によりけりだが、ROGブランドのパーツはいずれもゲーマーやPC愛好家向けに高い質を備えているため、より良い体験と満足感が得られるだろう。

 今回のPCを見て、ROGブランドのデザインや質に興味を持ったなら、ROGブランドで統一したPCの自作を検討してみてはいかがだろうか。

[制作協力:ASUS]