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クリック感のある薄型キーで高速入力!テンキーレスゲーミングキーボード「MSI VIGOR GK50 LOW PROFILE TKL」
Kailh社のロープロファイルメカニカルスイッチ搭載 text by 白倉甲一
2022年1月28日 00:01
MSIのゲーミングキーボード「VIGOR GK50 LOW PROFILE TKL」は、Kailh社製ロープロファイルメカニカルスイッチを搭載したミドルクラスのモデルだ。RGBバックライト採用機種ながら価格は1万3千円前後と手の出しやすい価格帯に投入されている。
同社のフルキーモデル「VIGOR GK50 LOW PROFILE」のバリエーションモデルで、基本的なデザインは踏襲しつつ、テンキーレスとすることでコンパクトで机を広く使えるモデル仕上がっている。今回のレビューでは、実際のゲームプレイ時における使用感やデザインなどをチェックしていこう。
キースイッチはクリック感のある薄いメカキーを採用特徴的な八角形キートップを採用で打ち間違いも低減
VIGOR GK50 LOW PROFILE TKLの一番の特長となっている部分から紹介しよう。
キースイッチには「Kailh Low-Profile White」が採用されており、接点1.5mm、ストローク3mm、荷重50g、5,000万回打鍵の耐久性を備えるロープロ仕様のキーとなっている。スイッチ接点/ストローク共に浅いものの、青軸などのようにクリック感があり、はっきりとした打ち心地のあるゲーミング向けメカニカルスイッチといえる。
また、本機のキートップは角が面取りされたような八角形の特長的なデザインになっており、厚みも大幅に抑えられている。キースイッチのストロークの浅さと相まって、高速な入力と最小限の指の力で操作可能な為、長時間のゲームプレイにも最適だ。
ロープロファイルキーボードの中にはアイソレーションタイプのキートップを採用する物もある。こうしたものはキー同士に隙間があるので、文字を入力する際は隣接するキーを誤打することなどが抑えられるメリットがある。しかし、ゲームでWASDで移動を入力する際のような、キートップ上で指を滑らせるように入力する際は引っかかりを生む場合もある。
その点、VIGOR GK50 LOW PROFILE TKLのキートップは高さを抑えつつ、ゲーム時の運指もたやすいものとなっている。また、キートップはシンドリカル形状で縁が高く、八角形のキートップが斜め位置のキーの打ち間違いを低減するゲームと通常利用の両方を考慮したものになっている。
持ち運びも考慮した高速入力向けのテンキーレスモデル
VIGOR GK50 LOW PROFILE TKLのサイズは354 x 140 x 33 mmで、重量は560g。今回テストしているのは日本語配列モデルで、キー数は92keyとなっている。
全体的な雰囲気としてはゲーミングキーボード然としているが、意外にもシルエットの凹凸は最小限でスッキリしたデザイン。一般的なテンキーレスキーボードと比較してもサイズ的には小さい部類だろう。
横から見たときになだらかな角度のついたステップスカルプチャーとなっている為、手への負担も少なく打鍵しやすい工夫がなされており、チルトスタンドを使用する事でキーボード自体の角度を5°/8°/11°の3段階に調節可能。
「左Ctrl」と「左Alt」の交換用キートップが付属しており、これらは中央が膨らんでいるタイプとなっている。ゲーム時に同時押しする機会の多いキーなので、好みに合わせ押しやすい方を選んで使用しよう。個人の好みによる部分だが、こちらの方が小指でキーを押すのを楽に感じるユーザーもいるはずだ。
キートップの視認性を高める為に文字部分の発光時の透かしにも塗装がなされており、LEDの消灯時にも文字が読み取りやすいよう工夫されている。
右下部のドラゴンのロゴデザインのキーはファンクションキーとなっており、他のキーと組み合わせて同時押しすることでモード切替や調光、メディアコントロール機能を利用可能。入力漏れの無いようNキーロールオーバー、アンチゴーストに対応しゲームプレイ時の信頼性も高い。なお、Nキーロールオーバーは6キーロールオーバーとNキーロールオーバーが自動で切り替わる仕組みになっており、使用環境に合わせ最適な方に切り替わるとされている。
USB接続用の編組ケーブルは着脱式になっており、持ち運び時には外して収納できる。専用のポーチが付属し、キーボードそのものが軽量かつ全体的な体積も小さいので、カバンにもしまいやすい。本体側のUSBコネクタはType-Cで、USBケーブルはTypeC- Type-Aのものが付属している。
ユーティリティソフトウェア「MSI Center」からは、イルミネーションの制御やマクロやキー割り当てなどのカスタマイズが可能。また、カスタマイズした内容は内蔵オンボードメモリで3つまでのプロファイルを保存する事も出来るので自宅外の環境でゲームをプレイする事が多い場合にも最適だろう。
軽量なテンキーレス筐体でも十分な剛性、安定感もありつつ高速打鍵が可能
ゲームプレイでの操作感を確かめるために、まずは正確な操作が必要な「VALORANT」をプレイしてみた。
動きの激しいタイプのゲームではないが少しの操作ミスが1デスに繋がってしまうシビアなゲームで、スキルを駆使したりとキーボード操作でも複雑な操作を必要とする場面もあるので誤打は命取りとなる。
ロープロファイルスイッチのキーストロークの浅さは慣れないと誤打に繋がりやすいのだが、普段ロープロファイルキーボードを使用していない筆者でも前述のキートップ形状のおかげもあってか、誤打や余計な指の引っかかりも無くかなり快適に使用できた。初めてのロープロファイルキーボードでも違和感なく使いやすいといった部分は、VIGOR GK50 LOW PROFILEの良さと言えるだろう。
打って変わって、こちらはかなり試合展開が早く、乱戦やインファイトも多く激しい動きの多い「エーペックスレジェンズ」。
やむを得ず連戦に巻き込まれることも多いので少しでも素早く動く事が勝利の鍵。高速入力や認識の正確さが操作に良い影響を与えることが期待できる。
乱戦時などは以下に早く対応できるかという部分が大事になるが、キーを素早く入力してもしっかりついてきてくれる印象で、素早い対応が求められる際の操作も快適だ。
また、キーボード自体が軽いと打鍵時に本体がずれたりガタついてしまう事もあるが、アルミ製プレートの剛性と底面のラバーグリップで小型軽量な筐体ながらも十分に安定してキーを打つことが出来た。
ミドルクラスゲーミングキーボードとしてまとまりの良い1台持ち運びなどにも優秀なロープロファイルキーボード
テンキーレスのゲーミングキーボードには持ち運びを想定した物も多く見受けられるが、その中でもMSIの「VIGOR GK50 LOW PROFILE TKL」は省スペース化とキーボード性能を両立すべく、筐体デザインを上手く調整しているのは好印象だ。
高速入力が可能なロープロファイルのメカニカルキースイッチを採用するだけでなく、キートップ形状にも工夫が見られ、ミドルクラスのゲーミングキーボードとしてうまくまとめられている。
ゲーミング用途は当然、それ以外の一般的な用途でメカニカルスイッチ搭載のロープロファイルキーボードが欲しいという場合にも、バランスの良い選択肢の一つになり得るだろう。
[制作協力:MSI]