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14コアCPU採用のMSI製最新ゲーミングノート「Raider GE76 12U」、WQHDでハイフレームレートもイケる!
240Hz/17.3型液晶の性能を引き出すGeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU搭載 text by 坂本はじめ
2022年3月30日 00:02
MSIのRaider GE76 12Uシリーズは、CPUにAlder Lakeこと第12世代Coreを採用したMSIの新作ゲーミングノート。同社製ノートPCの中でもハイエンドクラスをカバーする同シリーズだが、そんなMSIウルトラハイエンドゲーミングノートPC Raider GE76 12Uシリーズの型番「GE76-12UGS-218JP」のモデルが編集部にやってきた。Core i7-12700HとGeForce RTX 3070 Ti Laptop GPUに、240Hz駆動のディスプレイを組み合わせたかなりの高性能機となっている。
今回は、最新世代のCPUを採用したMSI最新の17.3型ゲーミングノートがどれほどの実力を備えているのか、ベンチマークテストや実際のゲームを使って確かめる。新生活シーズンにPCの新調や買い替えを検討中で、特にパワフルな性能を備えたノートPCを探しているユーザーには、MSI Raider GE76 12Uの実力をぜひチェックしてもらいたい。
14コア20スレッドCPU「Core i7-12700H」を採用した性能重視の17.3型ゲーミングノート
MSIの「Raider GE76 12U」は、第12世代Coreを採用した17.3型ゲーミングノートで、CPUやGPUといったパーツ構成の違いによって複数のバリエーションモデルが用意されている。
今回テストするのは型番「GE76-12UGS-218JP」のモデルで、CPUに6基のPコアと8基のEコアを備える14コア20スレッドCPU「Core i7-12700H」と、NVIDIAのハイエンドGPU「GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU」、240Hz駆動のWQHD液晶パネル(2,560×1,440ドット)を搭載している。
「GE76-12UGS-218JP」の標準構成は、32GB(16GB×2)のDDR5メモリや、1TBのNVMe SSD(PCIe 4.0 x4)を搭載しており、3月下旬の記事執筆時点では店頭価格は40万円前後となっている。
「Raider GE76 12U」の筐体サイズは397×284×25.9mm(幅×奥行×高さ)で、本体重量は2.9kg。同社製の17.3型ノートPCの中でも大型で重たい部類に入るが、これは携帯性よりも性能を重視した設計によるものだ。バッテリーも航空機に持ち込める最大サイズの99,9Whr(6,250mAh)と大容量品が採用されている。
MSI独自の冷却システム「Cooler Boost 5」や、大出力に対応した専用ACアダプタの採用によって、CPUとGPUに合計で最大220Wの電力消費を許容する「MSI OverBoost Technology」を実現している。多少の大きさや重量と引き換えに、CPUとGPUをよりパワフルに動作させられるという訳だ。
「Raider GE76 12U」が備える17.3型ディスプレイのスペックはモデル毎に異なるが、「GE76-12UGS-218JP」には240Hz駆動のWQHD液晶パネルが採用されている。液晶パネルの色域はDCI-P3相当であるとされており、色の表現力も優れている。
240Hzという高速駆動とWQHDの高精細を両立したディスプレイは、ハイフレームレートが求められるFPSやバトルロイヤルから、グラフィック重視のAAA級タイトルまでジャンルを問わずに楽しめるもので、画面サイズも大きいので、別途ゲーミングモニターを用意せずとも本格的にゲームを楽しめる。
「Raider GE76 12U(GE76-12UGS-218JP)」は、キーボードにSteelSeries製の日本語キーボードを採用。キー毎にバックライトのRGB LEDをコントロールできるPer-Key RGBに対応しており、ユーティリティの「SteelSeries GG」でRGBイルミネーションをコントロールできる。
また、SteelSeries GGからは、「Raider GE76 12U」が本体正面に備えるライトバーのRGBイルミネーションも制御できる。ライトバーやバックライトを好みの色で発光させることはもちろん、消灯することもできるので、時と場所に応じたビジュアルで運用できる。
最新設計のゲーミングノートPCだけあって、Thunderbolt 4やWi-Fi 6といった先進的なインターフェイスが実装されている。2.5GbEの有線LANや、4K/120Hz出力対応のHDMIポートも備えており、大画面ディスプレイと接続してデスクトップPC代わりに運用することもできる。
パワフルなCPUとGPUはクリエイティブアプリでも高い性能を発揮ベンチマークでパフォーマンスをチェック
ここからは、ベンチマークテストを使って「Raider GE76 12U(GE76-12UGS-218JP)」のパフォーマンスをチェックしていく。
CPUの3DCGレンダリング性能を測定する「CINEBENCH R23」では、Multi Coreで「16,147」、Single Coreで「1,806」を記録した。1,800を超えるシングルスレッド性能も素晴らしいが、CINEBENCH R23の参考データとの比較では、ノートPCでありながらRyzen Threadripper 1950Xに匹敵するマルチスレッド性能を発揮しているのも驚きだ。
3DCGソフトBlenderの公式ベンチマーク「Blender Benchmark」では、CINEBENCH R23でRyzen Threadripper 1950Xに迫るパフォーマンスを発揮していたCore i7-12700Hに対し、GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPUが10倍以上の速度を記録した。
これはCPUが遅いわけではなく、GPUが非常に高いパフォーマンスを発揮した結果だ。「Raider GE76 12U」はCPUとGPUの両方がクリエイティブ系アプリに高い適正を備えているので、ゲーミングシーン以外でもパワフルなPCを求めるユーザーの要求に応えることができるだろう。
定番ゲームベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」では、フルHDとWQHDで最高品質設定でのスコアを計測した。
ベンチマークスコアは、フルHDが「22,494」で、WQHDが「17,820」。ベンチマーク評価はいずれも最高評価である「非常に快適」を獲得。この時の平均フレームレートは、フルHDが約160fpsで、WQHDが120fpsだった。
クーラーは高性能、CPUとGPUのブーストクロックを維持ゲームベンチ実行中の動作温度/動作クロック/消費電力をチェック
ゲームベンチマーク実行中の「Raider GE76 12U」において、CPUやGPUがどのように動作しているのかを知るべく、ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマークをWQHD/最高品質設定で実行中に取得したモニタリングデータをもとに、CPUとGPUの「温度」、「クロック」、「消費電力」の3項目をそれぞれ推移グラフにしてみた。
温度については、CPUが平均72.6℃で最大89℃を記録した一方、GPUは平均67.9℃で最大70.4℃だった。CPUは負荷の変動が大きいこともあって温度の変化も激しいが、常に100%近い負荷で動作しているGPUについては約70℃に達したあたりで温度上昇が止まっている。
CPUクロックは、Pコアが平均4,052MHz、Eコアは平均3,280MHzだった。一方、GPUクロックは平均1,464MHzを記録しており、テスト実行中は常にベースクロックである1,035MHzより高いクロックで動作していた。
消費電力については、CPUが平均37.0Wで、GPUは平均123.7W。CPUとGPUの消費電力を合計した場合の平均値は160.7Wだった。筐体サイズが限られるため放熱面積を確保しにくいノートPCにとって、160Wという消費電力とそれに伴う発熱はかなり厳しいものだが、「Raider GE76 12U」に搭載されたMSI独自の冷却システム「Cooler Boost 5」はサーマルスロットリングの作動を抑制して、CPUとGPUのブースト動作を維持できている。
フロムソフトウェアの最新アクションRPG「エルデンリング」をテストWQHD解像度&最高画質設定で快適にプレイ可能
世界的な注目を集めるフロムソフトウェアのアクションRPG「エルデンリング」では、グラフィックプリセットを「最高」に設定してフレームレートの計測を行った。
上限フレームレートが60fpsに設定されている本作において、「Raider GE76 12U」はフルHDとWQHDの両方で約60fpsの平均フレームレートを記録した。実際にWQHD解像度でプレイしてみたところ、ほとんどのシーンで60fpsを維持できており、高精細かつ滑らかな映像でエルデンリングをプレイすることができた。
バトルロイヤルFPS「Apex Legends」最高画質設定でも120fpsを超えるハイフレームレートを実現可能
「Apex Legends」では、フレームレートの上限を300fpsまで開放したうえで、グラフィック設定をできる限り高く設定した状態でのフレームレートを計測した。
射撃訓練場を一定のルートで移動したさいの平均フレームレートは、WQHDが158.1fpsで、フルHDが210.3fpsだった。描画負荷の高いシーンではそれぞれ140fpsと180fpsほどに低下する場合もあるが、最高画質設定でもかなり高いフレームレートを達成している。
今回テストした「Raider GE76 12U」は240Hz駆動のディスプレイを搭載しているので、描画品質を多少妥協してさらなるハイフレームレートを目指してみても良いだろう。
描画負荷の高さで知られる重量級タイトル「サイバーパンク2077」をテスト最高品質設定の「レイトレーシング:ウルトラ」でプレイ可能
細部まで作りこまれたグラフィックと描画負荷の高さで知られる「サイバーパンク2077」では、リアルタイムレイトレーシングを用いるもっとも高負荷なグラフィックプリセット「レイトレーシング:ウルトラ」で、ゲーム内ベンチマークモードを実行した。
ベンチマークモードで計測された平均フレームレートは、WQHDが52.20fpsで、フルHDは70.49fpsだった。30fps以上で動作すれば十分にプレイ可能な本作において、「Raider GE76 12U」が記録したフレームレートはかなり優秀なものだ。
CPUとGPUの両方の負荷が高くなるシチュエーションで撮影したプレイ中のスクリーンショットでも、WQHDで47fps、フルHDで60fpsを記録しており、先進的なグラフィックス技術を用いたサイバーパンク2077を高画質で楽しめる実力が「Raider GE76 12U」に備わっていることが確認できた。
ノートPCにデスクトップPC級のハイパフォーマンスを求めるユーザーへ持ち運びも可能な本格派ゲーミングPC「Raider GE76 12U」
「Raider GE76 12U」のCore i7-12700H+GeForce RTX 3070 Ti Laptop GPU搭載モデル「GE76-12UGS-218JP」は、ハイフレームレートが求められるApex Legendsから、サイバーパンク2077のような重量級のゲームまで、幅広いジャンルのゲームを快適にプレイできる実力を備えていた。
ゲームに限らず、幅広い分野で高いパフォーマンスが期待できる第12世代CoreとGeForce RTX 30シリーズを搭載し、MSI独自の冷却システムとブースト技術によってその性能を引き出せるよう設計された「Raider GE76 12U」は、本格的な性能を備えたゲーミングPCを求めるゲーマーはもちろん、デスクトップPC代わりとして使えるパワフルなノートPCを求めるユーザーの期待にも応えられるゲーミングノートPCだ。
[制作協力:MSI]