特集、その他

AMD最強ゲーミング構成!MSIの新型X670EマザーでRyzen 7 7800X3D × Radeon RX 7900 XTXの性能を引き出せ

黒で統一/光らないMSIの質実剛健マザー「MAG X670E TOMAHAWK WIFI」 text by 坂本はじめ

 ゲーミング向けCPUとして最高峰のパフォーマンスを実現するRyzen 7 7800X3Dが登場したことで、Socket AM5はゲーマーにとってより注目すべきプラットフォームとなった。今回テストする「MAG X670E TOMAHAWK WIFI」は、そんなSocket AM5に対応するMSIの新作マザーボードだ。

 今回はこのMAG X670E TOMAHAWK WIFIのゲーミングPC適正をチェックすべく、Ryzen 7 7800X3DとRadeon RX 7900 XTXを用意。2023年春におけるAMD最強のゲーミングCPUとGPUの性能をしっかり引き出すことができるのかチェックしてみた。

高性能VRMにM.2×4本の拡張性、質重視で黒一色の「MAG X670E TOMAHAWK WIFI」Flash BIOS Button搭載でCPUなしBIOS更新も可能

 MSIの新作マザーボードである「MAG X670E TOMAHAWK WIFI」は、AMDのSocket AM5に対応するATX規格のマザーボード。チップセットには最上位のAMD X670Eを搭載している。

 耐久性を重視したメインストリームゲーマー向けの「MAG」ブランドに属するMAG X670E TOMAHAWK WIFIは、CPUへの電力供給用に80A SPSと大型ヒートシンクを採用した14+2+1フェーズのVRMを搭載。最大で230Wの電力を消費するRyzen 9 7950Xにも十分に対応可能な電源回路を備えている。

AMD X670Eチップセットを搭載する「MSI MAG X670E TOMAHAWK WIFI」。
VRMは80A SPS採用の14+2+1フェーズのDuet Rail Power System。大型のヒートシンクを搭載しており、最大230WのRyzen 9 7950Xにも対応可能。

 NVMe SSDを搭載できるM.2スロットは合計4本も搭載。うち3本がPCIe 4.0 x4対応で、CPU直結の1本は先進的なPCIe 5.0 x4に対応している。最初から多数の高速SSDを搭載したい場合はもちろん、将来ゲームインストール用SSDを増設したいと考えているユーザーにとっても魅力的な拡張性だ。

 2.5GbEやWi-Fi 6E/Bluetooth 5.3といったモダンなネットワーク機能と無線機能を備えるほか、黒一色で統一されたカラーリングや、イルミネーション系のパーツが搭載されていない質重視タイプのモデルである点も特徴だ。

M.2スロットを合計4本搭載。
CPU直結のM.2スロットはPCIe 5.0 x4接続対応で、残る3本もPCIe 4.0 x4接続に対応している。このうち3本にはSSD冷却用のヒートシンクも付属する。
最上段のPCIe x16スロットは、PCIe 5.0 x16接続に対応した金属補強仕様の「LIGHTNING GEN 5 PCI-E WITH STEEL ARMOR」。
バックパネルインターフェイス。2.5GbEやWi-Fi 6E/Bluetooth 5.3を備えている。

 なお、MAG X670E TOMAHAWK WIFIはバックパネルに「Flash BIOS Button」を搭載している。

 Flash BIOS Buttonは、特定のUSBポートにBIOSファイルを保存したUSBメモリを接続した状態で押下することでBIOSの更新や修復を行う機能で、CPUやメモリを非搭載でも電源ユニットとマザーボードを接続するだけで利用できる。初期BIOSが未対応のCPUやメモリモジュールを搭載する前にBIOSを更新したり、BIOS更新に失敗して起動不能となった状態からの復旧などに利用できる便利な機能だ。

バックパネル部分に搭載されたFlash BIOS Button。
BIOSファイルを記録したUSBメモリを用意すれば、電源とマザーボードを接続するだけでFlash BIOS ButtonによるBIOS更新が行える。

Ryzen 7 7800X3DとRadeon RX 7900 XTXでAMD最高のゲーミング環境を構築

 MAG X670E TOMAHAWK WIFIをテストするために用意したのが、3D V-Cacheを搭載した最新鋭CPU「Ryzen 7 7800X3D」と、RDNA 3ベースのハイエンドGPU「Radeon RX 7900 XTX」だ。

 CPUのRyzen 7 7800X3Dは、Zen 4ベースのCPUに3D V-Cacheを搭載することで96MBのL3キャッシュ容量を実現した8コア/16スレッドCPU。AMDはこのCPUを究極のゲーミング向けCPUであるとしており、ゲームにおいては上位モデルであるRyzen 9 7950X3Dに匹敵する性能を備えていることが明らかにされている。

3D V-Cacheを搭載する8コア/16スレッドCPU「Ryzen 7 7800X3D」。
3D V-Cacheによって96MBという大容量L3キャッシュを実現。これがゲームでの高いパフォーマンスにつながっている。

 Radeon RX 7900 XTXは、AMD最新のGPUアーキテクチャであるRDNA 3を採用したハイエンドGPUで、2023年春のAMD製GPUでは最高のゲーミング性能を備えたGPUだ。

 設計と製造プロセスを刷新したことによってGPU自体の性能はもちろん、リアルタイムレイトレーシング性能も強化されている。また、24GBの大容量VRAMを搭載したことで、フルHDを超えるWQHDや4Kなどの高解像度でもゲームをプレイできる性能を実現している。

AMD製GPUで最高のゲーミング性能を備える「Radeon RX 7900 XTX」。
AMD純正デザインのリファレンスモデルを用意した。

 AMDのゲーミング向け製品としては最高のCPUとGPUを用意した今回の機材。メインストリーム向けのマザーボードであるMAG X670E TOMAHAWK WIFIが、両プロセッサの性能をしっかり引き出すことができるのかに注目だ。

 その他の機材については以下の通り。

2023年春の人気タイトル6本をWQHDゲーミングモニターでテストAMD最強構成ははかなりのパフォーマンス!

 MAG X670E TOMAHAWK WIFIをベースに構築したAMD最強ゲーミング構成で、実際のゲームをプレイした時のパフォーマンスをチェックしてみよう。

 今回テストするのは2023年春の人気タイトル6本で、「ホグワーツ・レガシー」、「エルデンリング」、「モンスターハンターライズ:サンブレイク」、「Microsoft Flight Simulator」、「エーペックスレジェンズ」、「VALORANT」。

 これらのタイトルを、近年主流になりつつあるWQHD解像度(2,560×1,440ドット)のゲーミングモニターでプレイすることを想定してテストを行った。

ホグワーツ・レガシー

 オープンワールド・アクションRPGであるホグワーツ・レガシーでは、品質プリセットとレイトレーシング品質を「最高」に設定してプレイしてみた。なお、AMDの超解像技術である「FSR 2」に対応しており、画面解像度をWQHDに設定した今回は、レンダリング解像度が自動で67%(1,707×960ドット)に設定されている。

ホグワーツ・レガシーをWQHD/最高画質/FSR 2有効設定でテスト。

 ゲームプレイ中のフレームレートを計測してみたところ、70~100fps程度である程度変動はあるものの、ほとんどのシーンで60fpsを上回るフレームレートを維持できており快適にプレイすることができた。

WQHD解像度で描画品質とレイトレーシング品質を「最高」に設定した場合、フレームレートはシーンによって70~100fps程度で動作していた。
快適性のラインとなる60fpsを安定して上回っており、WQHD解像度でのプレイ体験は良質だった。

エルデンリング

 エルデンリングでは、WQHD解像度で描画品質を「最高」に設定。アップデートで追加されたレイトレーシング品質については「中」に設定してプレイしてみた。

エルデンリングをWQHD/最高画質/レイトレーシング「中」設定でテスト。

 新たに追加されたレイトレーシングが非常に高負荷であることで知られるエルデンリングだが、AMD最強構成であればレイトレーシング品質を「中」にすることで、多くのシーンで上限の60fpsを維持し、比較的負荷の高いシーンでも50fps以上のフレームレートを出せており、レイトレーシングによる表現を楽しみながらかなり快適にプレイすることが可能だった。

エルデンリングでWQHD解像度・描画品質「最高」・レイトレーシング品質を「中」に設定した場合、ほとんどのシーンで60fpsを維持可能だった。
描画負荷の高いシーンでも50fps以上のフレームレートを出せており、WQHD解像度で高画質なゲームが遊べる性能を発揮できている。

モンスターハンターライズ:サンブレイク

 「モンスターハンターライズ:サンブレイク」では、グラフィックプリセットをもっとも高品質な「高」に設定してプレイしてみた。

モンスターハンターライズ:サンブレイクをWQHD/最高画質でテスト。

 WQHD最高画質設定でプレイしてみたところ、ゲームのフレームレートはほとんどのシーンで200fps以上を維持しており、WQHDゲーミングモニターで主流の165Hzの表示性能を最大限に引き出せるだけのパフォーマンスが得られた。

WQHD最高画質設定でのフレームレートは200fps以上。
WQHD解像度でも高画質かつ滑らかな映像で快適にプレイすることができた。

Microsoft Flight Simulator

 3D V-Cacheの効果が特に高いことで知られるMicrosoft Flight Simulatorでは、グラフィックプリセットを「ウルトラ」に設定してWQHD解像度でプレイしてみた。テスト時のグラフィックスAPIは「DirectX 12」。

Microsoft Flight SimulatorをWQHD/最高画質でテスト。

 グラフィックプリセットを「ウルトラ」では地表付近でCPU性能がボトルネックになりやすいのだが、Ryzen 7 7800X3Dは空港からの離陸時という厳しい条件でも60fps近いフレームレートを実現。地表付近でもプレイ可否基準の30fpsを大きく上回れたことで、映像の滑らかさと操作性の両面で快適さを感じた。

フレームレートが落ち込みやすい離陸時でもWQHD解像度/最高画質で50fps以上のフレームレートを記録。フレームレートが極端に低下すると操作性が損なわれるので、ここで30fpsを大きく上回っているのは大きい。
高度が上昇すると表示オブジェクトが減少するためフレームレートも上昇する。比較的高度が高くない負荷がかかりやすい場面もでも70fpsを超えており、滑らかな映像でフライトを楽しめる。

エーペックスレジェンズ

 エーペックスレジェンズでは、すべてのグラフィック設定をもっとも高品質に設定して、WQHD解像度でフレームレートを確認してみた。なお、テスト時はフレームレート上限を最大の300fpsまで開放している。

エーペックスレジェンズをWQHD/最高画質でテスト。

 実際にプレイしてみたところ、フレームレートは240~300fpsほどで変動していた。ここで注目すべきなのは、フレームレートが300fpsを割り込んだ時のGPU使用率はほぼ100%となっていることで、これはフレームレートの低下がGPU性能のボトルネックによるものであることを示すものだ。逆にいうと、ハイエンドGPUの性能を使い切ってしまうほどCPU側の性能は発揮されているということでもある。

 つまり、CPUのRyzen 7 7800X3Dはエーペックスレジェンズを300fpsで動作させるのに十分なゲーミング性能をを持っており、グラフィック品質を調整してGPU側のボトルネックを解消すれば常時300fpsを狙うことも可能だった。

GPU負荷の低いシーンではゲームの上限フレームレートの300fpsに張り付く。Ryzen 7 7800X3DのCPU性能が十分な物であり、なおかつ今回のPC構成がしっかりとCPU性能を引出せていることもわかる。
フレームレートが上限300fpsを下回るシーンではGPU使用率が約100%となっており、GPU性能がボトルネックとなっていることが分かる。ボトルネックがあるといっても244fpsなので十分すぎる値だが、ハイエンドGPUでも最高画質/WQHD解像度では負荷が高いシーンもあるようだ。

VALORANT

 GPU負荷の軽いゲームとして知られるVALORANTでは、すべてのグラフィック設定をもっとも高品質に設定して、WQHD解像度でフレームレートを確認してみた。

VALORANTをWQHD/最高画質でテスト。

 Ryzen 7 7800X3DとRadeon RX 7900 XTXのコンビは、CPUがボトルネックになりやすいシーンでも400fps以上を維持しており、逆にCPU負荷の低いシーンになれば1,000fpsを大きく超える超ハイフレームレートを実現した。

 VALORANTはGPU負荷が低い一方で、フレームレートの下限を高めるためにはCPU性能が重要なゲームであり、今回のようにCPU性能が求められるシーンでも400fps以上を維持できるのは素晴らしい結果である。

CPUがボトルネックになりやすいシーン。WQHD解像度でRyzen 7 7800X3Dはここで400fps以上のフレームレートを引き出している。
GPU負荷の低いシーンではフレームレートが1,000fpsを大きく超える。Ryzen 7 7800X3Dのゲーミング性能はかなり引出せていると言えるだろう。

長時間の使用でも安心!かなり冷えるヒートシンク/VRMデザインVRM周りが無風状態でもRyzen 7 7800X3Dを安定動作可能なMAG X670E TOMAHAWK WIFI

 Ryzen 7 7800X3DとRadeon RX 7900 XTXは、今回試したいずれのゲームでも素晴らしいパフォーマンスを発揮しており、長時間ゲームをプレイしていてもパフォーマンスの低下を感じる場面はなかった。このように、AMD最高のゲーミングプロセッサが安定して優れたパフォーマンスを発揮し続けられる理由の一つが、MAG X670E TOMAHAWK WIFIの高品質なVRMにある。

今回の機材ではVRM周辺は無風状態となるため、エアフローによる冷却も期待できないVRMにとっては厳しい条件だ。

 今回のテスト機材では、CPUの冷却にオールインワン水冷クーラーを使用しており、テスト中は各パーツをケースに収めずオープンエア状態で稼働させている。この条件ではCPUに電力を供給するVRM周辺は無風状態となるため、放熱面ではケースに収めた時以上に厳しいシチュエーションだ。

 この厳しい条件でCPUに長時間高負荷を掛けた場合、VRMの温度はどのようになるのか。CPUの全コアに負荷を掛けられるCINEBENCH R23のMulti Coreテストを約1時間連続実行して温度を計測してみた。室温約25℃の環境で実施したテストの結果は以下の通り。

アイドル時のVRM周辺温度は35~36℃前後。(室温約25℃)
テスト開始から約1時間経過後。VRM周辺温度は40℃台をキープしており、無風状態ながら動作温度はまったく問題ない。

 アイドル時とテスト開始から約1時間経過時点のサーモグラフィ画像からは、アイドル時に35~36℃だったVRM周辺温度が、負荷をかけ続けても40℃台までしか上昇していないことが確認できる。HWiNFO64で計測したモニタリングデータでも、VRMのMOS温度は最大でも50℃となっており、温度的には相当低い温度を維持していることが分かる。

 テスト中、CPUは終始一貫して90W前後の電力を消費しながら約4,750MHzで動作している。CPU消費電力が50~70W程度であることの多いゲーム実行中より大きな電力を消費している状況でも、長時間にわたって安定した性能を発揮し続けているというこの結果は、MAG X670E TOMAHAWK WIFIのVRMがRyzen 7 7800X3Dに電力を安定供給しているからこそでもある。

高性能VRMで長時間負荷をかけてもゲーム性能が下がらないMSI MAG X670E TOMAHAWK WIFI多数のM.2 SSDを搭載可能で、長く活躍できるゲーミングPCを組むならこのマザーボード

 MSIの新作Socket AM5マザーボードであるMAG X670E TOMAHAWK WIFIは、無風状態でもRyzen 7 7800X3Dに電力を安定供給できる高性能VRMと、PCIe 4.0 x4以上に対応するM.2スロットを4基も搭載している拡張性が魅力のマザーボードだ。

 現時点でAMD最高のゲーミング構成であるRyzen 7 7800X3DとRadeon RX 7900 XTXを支えるベース機材として十分な性能を備えていることはもちろん、長期的に運用することを考えた場合にも、高性能なVRMや複数のM.2スロットの存在が将来のアップグレードで役立つことになるだろう。

 Ryzen 7 7800X3Dを使ったゲーミングPCの構築を考えているゲーマーにとって、メインストリーム向けでありながら品質と機能を兼ね備えたMSI MAG X670E TOMAHAWK WIFIは、注目すべきマザーボードの一枚なのである。

[制作協力:MSI]