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氷点下まで冷やせるスマホクーラー、MagSafe対応/ペルチェ素子搭載の「Flydigi B6X」を試してみた
2023年8月16日 11:05
今回紹介するのは、ペルチェ素子を採用したスマートフォン用クーラー「Flydigi B6X」。
購入時の価格は4,218円。
B6Xは、通電すると一方の面から反対の面へ熱を移動するという特性を持つ、「ペルチェ素子」を採用したスマートフォン用クーラー。
ペルチェ素子採用のスマートフォンクーラーは、すでに複数登場しているが、本製品はiPhoneシリーズに搭載されている「MagSafe」を利用して、磁石でスマートフォン本体に固定できるという特徴も持った製品だ。
一般的なスマートフォンクーラーは、クリップや伸縮式アームによって固定するものが多く、クリップやアームが対応する幅であればスマートフォンの種類を選ばず使えるという利点がある。ただし、クリップの分どうしても大きさがかさばってしまう。
一方で本製品の場合は、MagSafeを利用して固定するためクリップレス設計になっており、直径61×高さ25mmとコンパクトなサイズを実現している。また、厚みがあるため簡易スタンドとしても使用できる。
MagSafe固定の場合、対応デバイスはiPhone 12以降のiPhoneに限られるが、簡単に着脱可能で取り回しの観点からもクリップレスで使えるメリットは大きい。
パッケージにはMagSafe非対応スマートフォンでも使えるように、磁性体シートも付属している。タブレットなどと組み合わせたい場合にも便利なアクセサリだ。
ちなみに仕様上は対応とは記載されていないが、今回Androidスマートフォン「Xperia 1 IV」と組み合わせてみたところ、付属シートなしで磁力による固定が可能だった。
Xperia 1 IVで使用した場合はMagSafeほど強力に固定されないが、B6Xを持って軽く振る程度ではズレることもなく、実用上は問題なく使用できそうな感触だった。
Bluetooth経由でアプリから設定が可能
B6X本体には電源スイッチのみ搭載されており、動作モードやLEDの制御はBluetooth経由で「Flydigi Game Center」アプリから行える。同アプリはAndroid用はGoogle Playから、iPhone用はApp Storeからダウンロードが可能。
LEDの点灯パターンは、フロウ(レインボー)/ブレス/グラデーション/切替といったエフェクトのほか、冷却状態によって変化するスマートコントロールの全5種から切り替えられる。もちろん消灯させることも可能。
氷点下まで冷やせる高い冷却性能
肝心の冷却性能については、ペルチェ素子を採用し、かつ最大20Wまでの出力に対応しているため、スマートフォンクーラーの中でも強力な部類だ。
クーラーの温度監視機能も搭載されており、現在の冷却温度をある程度把握できるのもポイントと言える。
動作モードは「インテリジェント・コントロール」モードと「定格出力」モードから選択できる。
定格出力モードでは、ペルチェ素子の動作出力を一定に固定して調整できる。スライダーは無段階調整可能で、より細かい調整も可能。
なおアプリで表示されている温度は、表記上「ラジエータ温度」となっているが、ヒートシンク部分の温度ではなく冷却面の温度となっている。
室温28℃/湿度50%という真夏の屋内環境で実際に温度を測定してみると、最小出力設定で0℃前後、最大出力では-5℃まで冷却された。
なお、上記の結果は保護機能をオフにして測定しているため、冷却面には結露が発生している。
実際にスマートフォンで使う場合には、熱源と接触しているため氷点下まで下がることはないと考えられるが、結露の発生条件は気温や湿度によって異なるため、原則としてオーバーコールドプロテクション機能をオンにして使うのが賢明だ。
一方、インテリジェントコントロールでは、ファン速度を抑えた静音モードと、放熱を優先した最大モードが選択可能。
こちらは温度を監視して一定温度に保つように機能し、静音モードで12℃前後、最大モードで10℃前後をターゲットとして動作するようだ。
定格出力モードと比べて気温との差が小さく、結露の発生を回避しやすいため、基本的にはインテリジェントコントロールで使うことを推奨したい。
ベンチマークテストの連続実行でも安定したスコアを記録
ここからは3DMark Androidアプリの「Wild Life Stress Test」を使って、インテリジェントコントロールモードでのスマートフォン冷却性能を見ていきたい。Wild Life Stress Testでは、Wild Lifeベンチマークを20回連続実行(計20分)し、スコアの推移などを見ることが可能だ。
検証にあたっては、より厳しい条件とするためiPhone 12よりも発熱の多いXperia 1 IVを採用している。測定環境はこれまでと同様に室温28℃/湿度50%で、テスト開始時の条件を揃えるため、いずれもある程度スマートフォン本体を冷却してからスタートしている。
結果を見ると、インテリジェントコントロール 静音モード時で安定性(Stability)が63%、最大モードで70.1%、冷却なしで48.4%となった。
最低スコアを見ると、B6X装着時は冷却なしと比べて38~55%ほど高く、冷却なしで発生するサーマルスロットリングを大きく緩和できている事がわかる。
バッテリー温度を見ると、インテリジェントコントロールでは約30℃前後で頭打ちとなっているのに対し、冷却なしでは43℃まで上昇しており、冷却効果は一目瞭然だ。
動作音も静かで効果も十分なスマートフォンクーラー
動作音については、ファン口径が小さく高回転数のため、高出力時には相応の騒音となるものの、静音モードであれば静かな部類。
イヤホンやヘッドホンをしていると再生音がなくともほぼ聴こえず、空調音と同程度。ゲーム用途であればまず聴こえないレベルだ。
余談となるが、Xperia 1 IVではカメラアプリを起動しているだけでも、オーバーヒートによりアプリが強制シャットダウンされてしまうのだが、本製品で冷却していると問題なく長時間録画も可能だった。
「スマホが熱くて困っている」という諸氏は、実用性十分な本製品を導入してみてはいかがだろうか?