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Haswell-Eマザーを早速購入、買ってきたマザーを速攻レポート
Core i7-5820KでOC 4.5GHz、メモリ2枚でも意外と普通? text by 清水貴裕
(2014/8/30 18:32)
Intelのデスクトップ向け最上位プラットフォームが刷新、CPUの「Haswell-E」と、対応チップセット「X99」を搭載したマザーボードが本日解禁された。
前モデル「Ivy Bridge-E」から2年ぶり、しかもこのクラスのウリである4チャネルメモリもDDR3-1866対応からDDR4-2133対応に強化、CPUコアもHaswellベースになったことから、ハイエンドユーザーを中心に注目を集めている。
また、2年ぶりの刷新によるマザーボード自体の強化もポイント。この2年でUSB 3.0がチップセット内蔵となり、M.2も一般化、各社のUEFIの操作性も洗練されるなど、「地味だが嬉しい」強化点も多い。
というわけで、弊誌ではCPUとマザーボード、メモリを発売当日に店頭で購入。今回も速攻で開封して紹介しよう。
買ってきた編
さて、まずは、今回買ってきたパーツ達の集合写真だ。
CPUは悩みに悩んだ末にCore i7-5820Kを購入。
「LGA2011-v3を買うなら最上位」と考える人も多いと思うが、一方で6コア/PCIe28レーンの廉価版「Core i7-5820K」ならばCore i7-4790Kプラス1万円ほどで購入できるし、X99マザーボードは3万円以下で買える製品も複数ある。ここは一つ、「LGA1150の代わりにLGA2011-v3を買ってみるのはどうだろう?」というコンセプトにしてみたというわけだ。
対になるマザーボードも購入しやすい価格帯のGIGABYTE GA-X99-UD4をチョイス。これは同社のスタンダードモデルだが、メモリスロットは8本ある。価格は抑えたいが、X99を買う以上はメモリスロットは(将来の拡張を考えて)8本欲しい……と考えた末の結論だ。
というわけで、CPUはCore i7-5820Kを、マザーボードはGIGABYTE GA-X99-UD4を、メモリもショップで安価だったAvexirの4GB×4枚セットをそれぞれ購入。SSDやビデオカード、電源は使い回すつもりなので、トータルの価格は税込み104,824円だ。
CPUとメモリを開封してみた
まず、CPUとメモリをそれぞれ開封してみた。CPUのヒートスプレッダは形状が変更されており、SandyBridge-EやIvyBridge-Eとは違うのが一目で分かる。これまで通りCPUクーラーは付属しないので注意してほしい。 メモリは4GBのクアッドチャンネルキットを購入。速度はDDR4-2400対応をうたう製品で、今回はDDR4-2133相当品として使うことにする。
(18:53)
マザーボードのパッケージ
パッケージの外観。同社の標準モデル「Ultra Durable」シリーズに属しているのがわかる。
(18:53)
マザーパッケージ開封中
(18:56)
付属品
付属品一式を並べてみた
(19:00)
SLIのブリッジやクロスファイアのブリッジが多数付属
SLIは4-Wayが1つ、3-Wayが2つ(装着スロットの組み合わせ別)、2-Wayが1つ付属している。
(19:06)
マザーボードとご対面!
黒を基調とした落ち着いた配色のマザー本体。ヒートシンクにアクセントとして入れられたオレンジ色のラインが映える。
(19:10)
LGA2011-v3ソケットはこれ!
Haswell-Eの対応ソケットであるLGA2011-v3。採用パーツはLOTES製。
(19:17)
LGA2011-v3ソケット(その2)
ソケットを固定する際は、バーを内側から掛けるように構造が変更されていた。
(19:20)
VRM
デジタル制御のVRM部分には、3つのチップを1のパッケージに統合したIR PowlRstageや、高耐久に優れるサーバーグレードのチョークコイルが採用されている。
(19:21)
チップセットヒートシンク
チップセットのヒートシンクはVRM部分と連結されている。LEDが内蔵されており、イルミネーションの設定も可能という。
(19:28)
IOパネル
PS2ポート、4基のUSB 2.0ポート、6基のUSB 3.0ポートなどを備えるバックパネル部分。4基並んでいるUSB 3.0ポートの内の最下部、白いポートは「Q-Flash Plus」機能に対応、USBメモリだけでBIOSの更新が可能とのこと。
詳しくは後ほど紹介するつもりだが、X99シリーズはIOパネルにイルミネーション設定が可能なLEDを内蔵しているという。
(20:14)
PCIE拡張スロット
ビデオカードの4wayが可能なスロット配置になっている。搭載するCPUのPCI Expressレーン数に依存しているので要注意。この製品の場合、Core i7-5820Kを使うと3-Wayまでしか利用できない。
(19:37)
M.2スロットは2スロットあり
SSD用と無線LANカード用を合わせて合計2基のM.2スロットが搭載されている。
(19:40)
オーディオ回路
SN比115dBというスペックを誇る、Realtek ALC 1150とアンプを搭載するオーディオ回路部分。ノイズ対策のためにオーディオ回路部分を基板上から分離させる設計が取られている。ちなみに、この分離部分もユーティリティで発光パターンの設定が可能だとか。
(20:02)
SATAポートは10基
搭載されているSerial ATA 3.0ポートは10基。その他にSATA Expressポートも搭載されている。
(20:07)
固定用のネジ穴は周囲が広い……
マザーボードを固定するためのネジ穴は意図的に周辺が広く設計されている。安全に取り付けできるだけでなく、ノイズ対策にも効果があるのだとか。
(20:11)
やっぱりDual BIOS
GIGABYTEと言えばDual BIOS。CPUレスでもBIOS更新できる「Q Flash Plus」とあわせ、BIOS回りの堅牢性を高めている
(20:18)
これが光るI/Oパネル……らしい
表側。
(20:23)
光るI/Oパネルの裏側には電源ケーブルが…
(20:24)
付属のSATAケーブルはメッシュタイプ…
じゃあ組み上げようか、と思って付属SATAケーブルを見てみたら、メッシュタイプでした。合計4本付属してます(ストレート - ストレートが2本、ストレート - L字が2本)
(20:33)
CPUを取り付けてみた
(21:20)
組み上げ&起動中!
続きは少し休憩してからの予定です……
(21:25)
動かしてみた編
(21:48)
なんとWelcomeスクリーンが……
初回に起動すると、「ようこそ」と表示される。要するに言語設定画面なのだが、なかなか気が利いている。ちなみに時間は台湾時間。
(21:49)
トップ画面
BIOSのトップ画面。タイルデザインのUIで簡単に設定が行えそうだ。
(21:51)
クラシックモード
昔ながらのクラシカルなタイプのUIも用意されている。昔から自作をしている人の中には、こちらの方が馴染みがあるので操作しやすく感じるかもしれない。
(21:57)
新モード?
システム情報が両脇に表示されたOC向けのモード。電圧や温度などを確認しながら設定が可能なので、かなり実戦的だ。
(21:59)
ひとまずBIOSをアップデートしてみた
GIGABYTEのサイトを確認したら、新BIOSを発見。「互換性の向上」なども含まれているので、先にアップデートしておくことにする。Q-Flash Plusを使えばCPUやメモリがなくてもBIOSアップデートできるが、今回はUSBメモリにBIOSイメージを入れ、UEFIのメニューから書き換えた。
(22:04)
そしてOSをインストール、付属ユーティリティを起動してみた
(22:19)
OCユーティリティ「EasyTune」
OCユーティリティのEasyTuneからは電圧やクロックの設定が詳細に行える。メモリクロックの設定や、VRM制御の設定も行えるようだ。EasyTuneを起動すると電圧や温度、クロックなどのモニタリング画面も同時に起動するようになっている。
(22:20)
ワンタッチOCもOK
ワンタッチで目的に合わせた6種類の設定が可能なSmart Quick Boost機能も搭載されている。
(22:20)
「V-Tuner」でビデオカードのOCも
ビデオカードのOCが可能なユーティリティも付属している。プロファイル機能も搭載されているようだ。
(22:24)
GameController
今回は詳細なテストができなかったが、ゲーム向けのキーボードマクロ機能を有するユーティリティも付属している。
(22:26)
「Ambient LED」でイルミネーションを設定
ヒートシンクやIOパネル、オーディオ回路部分のイルミネーション設定が可能。常時点灯のStill Mode、音楽連動のBeat Mode、ゆっくりと点滅するPulse Modeの3パターンに加えて、無効にすることも可能なようだ。
(22:28)
一元管理は「App Centerで」
全てのユーティリティはAPP Centerから一元管理できる。
(22:33)
System Information Viewer(その1)
System Informationタブでは、搭載されているCPUやメモリ、マザーボードの情報などが表示される。
(22:34)
System Information Viewer(その2)
今回のマザーボードでの表示内容。
(22:36)
Smart Fan Auto
System Information Viewerの「Smart Fan Auto」タブからは、ファンの動作モードが4種類から選択可能になっている。
(22:39)
Smart Fan Advanced
Smart Fan Advancedタブからは、より詳細なファンコントロールが可能となっている。負荷や温度に連動させることができるようだ。
(22:42)
System Alerts
System Alertsタブからは温度やファンの回転数が一定値に達すると警告を出すように設定ができるようだ。
(22:43)
光ってる
さて、GIGABYTEのX99マザーボード共通特徴だというイルミネーション機能「Ambient LED」はこんな感じ。
これを音楽にあわせて明滅する。なかなか印象的なので「ルックス重視!」な人にはいいんじゃないかと。
もちろん常時消灯や常時点灯、単なる点滅なども可能。なお、アナログサウンド出力されていないと光らないようなのでそこは注意。
(23:11)
(23:12)
(23:12)
(23:13)
(23:13)
(23:13)
(23:14)
アニGIFにしてみた
音楽に合わせて光る様子はこんな感じ
(23:15)
ちょっとベンチマーク編
(23:30)
まずは定格で
(23:32)
(23:33)
(23:33)
CPU定格状態でのCINEBENCH R15のスコア。定格クロック 3.3GHz、ターボブースト時の最大クロック 3.6~3.8GHzと、一世代前のCore i7-4930Kよりもそれぞれ100MHzずつ低いものの、新アーキテクチャの恩恵かスコアは同等以上の印象。
(23:34)
空冷で4.5GHzにOC可能、CINEBENCHもOK!
(23:35)
(23:35)
(23:35)
CPUを4.5GHzにOCした状態でのCINEBENCH R15のスコアは1273cbを記録。
画像から分かる通り、12コア24スレッドのXeon X5650に肉薄するスコアだ。ターボブーストとは違い、全コアが4.5GHzで動作しているので、定格動作時よりも大幅にスコアが伸びている。
この個体の場合、常用は4GHzから4.3GHzの間ぐらいがいいのではなかろうか。いわゆる「当たりCPU」の場合は、冷却がきちんとしていれば、常用4.5GHzが狙える可能性もあるかもしれない。
(23:36)
定格+メモリ2枚でやってみる……
(23:37)
(23:40)
(23:40)
さて、「DDR4はまだ高いなぁ」という人向けに、DDR4 DIMMを2枚だけ使い、デュアルチャンネル動作させた時のCINEBENCHスコアをとってみた。
結果として見ると、CINEBENCH R15のスコアでは、若干の低下があるものの、目立った違いが感じなかった。現在はDDR4モジュールの入手性が悪いので、本命のメモリが買えなかった場合や予算を抑えたい場合、ひとまず4GBモジュールを2枚だけ買って使い、価格が下がった後にメモリを増やす、というのもありかもしれない。
なお、デュアルチャンネル時は使用するスロットが指定されているので、マニュアルをチェックしてみよう。
(23:41)
まとめ
今回の速攻レビューはここで終了!
世間の注目は8コアモデルの方に集まっているだろうが、より身近な価格になった6コアモデルも選択肢としては悪くないと思った。
Core i7-4790Kを検討中のユーザーは、プラス1万円程で6コアCPUが手に入るので、自分の用途と合致するのならば検討する価値は大いにあるといえるだろう。
価格がこなれていないDDR4モジュールを4枚揃えないといけない点がネックだが、マザーボード自体は2万円台後半からあるし、メモリも「2枚ではじめる」という手もある。頑張れば手が届かないこともないはずだ。
今回レビューで使用したGA-X99-UD4は、格安6コアマシンにはまさに打って付けのモデル。X99シリーズの中では下位モデルに位置する製品だが、実売価格が3万円前後するだけあり、機能や実装はハイエンドに近いレベルだ。Haswell-Eで6コアマシンを組もうと思っている人には、このクラスの製品をお勧めしたい。