トピック
この冬、最新CPU、GPUで高性能マシンを組むなら、SSD強化も忘れるな!
Western Digital WD_BLACK SN850Xで自作PCをパワーアップ! text by 芹澤 正芳
- 提供:
- ウエスタンデジタル
2022年12月28日 00:00
一気にパフォーマンスUP! 2022年の最強PCパーツたち
2022年の後半は、CPU、GPUとも世代交代が起きた。CPUでは、トップの2陣営がさらなるパフォーマンスアップを実現。とくに、Intelの第13世代Coreでは最上位の「Core i9-13900K」が24コア32スレッドに到達し、メニーコア化が加速した。GPUの分野では、NVIDIAがGeForce RTX 40シリーズを投入し、AMDはRadeon RX 7000シリーズで対抗する構図で火花を散らす。なかでもGeForce RTX 4090のモンスター性能ぶりに衝撃を受けた人も多いだろう。
しかし、PCの体感性能やレスポンスに影響の大きいパーツとしては「ストレージ」も忘れてはならない存在だ。いくら最上級のCPUやGPUを揃えてもストレージが足を引っ張ってしまうとしたら実にもったいない。
OSやアプリ、ゲームのインストール先に利用するメインのストレージには、高速なSSDを選ぶのが常識。最新世代のマザーボードでは、次世代インターフェース規格のPCI Express 5.0 x4に対応したM.2スロットを備えている製品もあるが、対応するSSD製品が登場していない現時点では、PCI Express 4.0 x4接続のM.2 SSDの中から高速な製品をチョイスするのが最適解だ。
そこで今回は、現役最強の呼び声も高い、Western Digital「WD_BLACK SN850X NVMe SSD」をピックアップし、その実力や使いこなし方をレポートする。最高クラスのPCパーツを活かせるSSDの性能や正しい運用法をこの機会に確認していただきたい。
最強CPU/GPUには最強SSDで応えたい!
Western DigitalのSSDのフラグシップモデルであるWD_BLACK SN850X NVMe SSDは、シーケンシャルリードが7,300MB/s、ライトが6,600MB/s(いずれも4TB/2TBモデル時)に到達した、PCI Express 4.0世代のM.2 SSDとして最速クラスの一つだ。
型番 | WDS400T2X0E -00BCA0 | WDS200T2X0E -00BCA0 | WDS100T2X0E -00BCA0 |
容量 | 4TB | 2TB | 1TB |
シーケンシャル リード | 7,300MB/秒 | ||
シーケンシャル ライト | 6,600MB/秒 | 6,300MB/秒 | |
ランダムリード | 1,200K IOPS | 800K IOPS | |
ランダムライト | 1,100K IOPS | ||
TBW | 2,400 | 1,200 | 600 |
製品保証 | 5年またはTBW限界(どちらか早いほう) |
型番 | WDS200T2XHE -00BCA0 | WDS100T2XHE -00BCA0 |
容量 | 2TB | 1TB |
シーケンシャル リード | 7,300MB/秒 | |
シーケンシャル ライト | 6,600MB/秒 | 6,300MB/秒 |
ランダムリード | 1,200K IOPS | 800K IOPS |
ランダムライト | 1,100K IOPS | |
TBW | 2,400 | 1,200 |
製品保証 | 5年またはTBW限界(どちらか早いほう) |
同社では、ゲームプレイ中に頻繁に読み出しが発生してもピークパフォーマンスを維持できるという「ゲーマー向け」の位置付けだが、シーケンシャル性能も実アプリでのレスポンス性能にも優れ、クリエイティブな作業など、あらゆる用途に使える。今回テスト用に用意したCore i9-13900K、Z790のハイエンドマザーボード、GeForce RTX 4090を使った、まさに現役最高クラスの自作PCにふさわしいストレージと言ってよいだろう。
まずは基本性能をチェックしておこう。比較対象として、PCI Express 3.0世代のエントリーM.2 SSDを用意した。SN850Xはストレージの速度を測る定番ベンチマークの「CrystalDiskMark」では、旧世代に比べてシーケンシャルリードで約2.8倍、ライトで約3.3倍も高速に。ゲームのロードや録画などの処理を行なう「3DMark」のStorage Benchmarkでも約2.2倍もスコア差がある。
SSDは、故障さえなければCPUやマザーを一新した後も流用しやすい。しかし、旧世代のSSDと現役最強の実力差は歴然。CPUやGPUを世代交代する機会に乗り換えれば、PC全体の性能の底上げになるだろう。
システム用SSDの移行はツール活用がオススメ
さて、SSDを新調する際に手間なのが環境の移行。Western DigitalのSSD製品を導入すると、ストレージのバックアップやクローン作成/環境移行が行なえるアプリ「Acronis True Image WD Edition」が無償で使えるので、これを活用しよう。
クローン作成では、OSを含めストレージの内容を丸ごと別のストレージに“引っ越し”できる。移行元と移行先を決めてやればあとはほぼ自動で作業を行なってくれる便利なツールだ。旧世代の遅いSSDからの乗り換え、小容量から大容量のSSDに換装するときでも、とくに迷わず作業ができるだろう。
Z790マザーの場合、SN850Xはどこに取り付けるのが正解?
最近のマザーボードは、M.2 SSDがストレージの主流になったこともあり、複数のM.2スロットを搭載するのが当たり前。ハイエンドマザーでは6基以上備えているものもあるほどだ。
M.2スロットは、CPU直結のものとチップセット接続のものがあり、対応規格がPCI Express 5.0なのか4.0なのか、という違いもある。さらに、マザーボードによっては、拡張カードで追加のM.2スロットを用意している製品もある。これだけM.2スロットがあると、どのスロットを使えばいいのか迷ってしまう人もいるだろう。実際に違いを試してみた。
CrystalDiskMarkによる計測では、シーケンシャル性能はほとんど変わらなかったが、チップセット経由だとランダム性能が若干落ちるのを確認。チップセットを経由することで遅延が発生していると推測される。その影響か、3DMarkでは大きなスコア差が見られた。SN850Xの性能を最大限引き出すなら、CPU直結のM.2スロットに装着するのがベストだ。
1TBモデルと2TBモデル、今買うならどっち?
SN850Xは、1TB/2TB/4TBがラインナップされている。4TBはちょっとお高いので、多くのユーザーは1TBか2TBで悩むだろう。性能面では、次のグラフを見て分かるとおり、1TB版は2TB版に比べてシーケンシャルライトが若干遅くなる。しかし、ランダム性能はほとんど変わらないので体感で差はないと言ってよいだろう。
1TBモデル | 2TBモデル | |
10月調査時 | 22,000円前後 | 44,000円前後 |
11月調査時 | 19,000円前後 | 38,500円前後 |
12月調査時 | 18,300円前後 | 35,500円前後 |
価格面では2TB版は値下がりがとくに進んでおり、12月時点では1GBあたりの単価が1TB版を下回った。コストパフォーマンスで選ぶなら2TB版に分があるが、最終的には予算しだいでジャッジしてもよいだろう。
高速SSDの発熱を再確認しておこう
M.2 SSDは、小型で超高速データ転送が可能なだけに発熱が大きくなりやすいのはご存じのとおり。そのため、現在のマザーボードにはM.2スロットにSSD冷却用のヒートシンクを搭載していることが多い。
CPU直結のM.2スロットにヒートシンクあり、なしで連続書き込みしたときの温度と転送速度の変化を見てみよう。ヒートシンクなしの場合、温度が90℃に達すると温度を下げるために転送速度を落とす、という動きが頻繁に繰り返される。一方、ヒートシンクありだと温度は最大でも59℃ほどに抑えられる。速度もほぼ一定であり、パフォーマンスに不安はないと言っていいだろう。
次に、CPU直結とチップセット接続の各M.2スロットで連続書き込みした場合の“チップセット温度”も追った。チップセット接続時はチップセットの負荷が増え、温度も上昇するのでは、と予測はしていたのだが、結果は想定どおりテスト後半ほど若干温度が高め。しかし、チップセット用ヒートシンクの効果もあってか、心配するような差ではなかった。
また、チップセット接続のM.2スロットはビデオカードの直下になるため熱がこもってしまうかもという不安もあったのだが、今回の環境はPCケース内のエアフローがしっかりしていたため問題になるような違いはなかった。
アイドル時 | 高負荷時最大 | |
M2_1(CPU直結、遮蔽物なし) | 34℃ | 57℃ |
M2_2(チップセット接続、 | ||
ビデオカード直下) | 35℃ | 56℃ |
ヒートシンクを利用する、吸排気をしっかり行なってエアフローを確保する、の2点を確実にやっておくのが肝要だ。
専用ツールを運用・管理に活用する
以上のことから分かるに、市場トップクラスの高性能SSDのパワーをフルに出し切るには、適切なセットアップと運用が不可欠だ。そのためには、SSDの動作状況を“見守る”必要もある。
Western DigitalのSSDは、同社サイトから無料でダウンロードできる管理アプリの「Dashboard」が利用できる便利なツールだ。SSDの健康状態、温度、空き容量や接続先といった情報を確認が可能だ。このほか、ファームウェアのアップデートやデータの読み書き速度や温度のモニタリング、TRIMの実行なども行なえる。便利な機能が揃っているので導入して損はない。SSDの基本的なチェックはこのツールさえ入れておけばOK。
またSN850Xでは、このDashboard上でゲームプレイ中のディスクアクセスを予測して先読みしたり、読み出し制御を優先するといった機能を備える「ゲームモード2.0」を有効化できる。ゲームプレイ中心にSN850Xを利用するなら「自動」に設定しておくのがよいだろう。