トピック
ハイエンドパーツもしっかり冷える真っ白なPCケース「MSI MPG GUNGNIR 300R AIRFLOW」
高エアフローケースでケーブルの色にもこだわった1台 text by 坂本はじめ
- 提供:
- MSI
2023年9月29日 00:00
MSIの新作PCケース「MPG GUNGNIR 300R AIRFLOW」は、通気性に優れた高エアフロー設計の筐体に4基のARGBファンを標準搭載したミドルタワーケース。優れた冷却性とビジュアルに加え、独自設計のGPUホルダーをはじめとする便利なギミックを複数採用しており、ハイエンドパーツを用いたPC構築に好適だ。
今回は、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWが備える機能や外観を確認するほか、実際にハイエンドパーツを使ったゲーミングPCを構築して冷却性についてもテストしてみた。
ハイエンドパーツ冷えるエアフロー重視のミドルタワーケースカラーはホワイトモデルとブラック、ホワイトはケーブルも真っ白
MSI MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWは、スタイリッシュなビジュアルやRGB LEDイルミネーションの採用を特徴とするMSIのゲーミングシリーズ「MPG」に属するミドルタワーケース。本体サイズは235×510×505mm(W×H×D)で、搭載可能なマザーボードはE-ATX(幅280mmまで)、ATX、microATX、Mini-ITX。重量はブラックが10.9kg、ホワイトが11.1kg。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWのカラーバリエーションはホワイトとブラックの2モデルで、今回紹介するのはホワイトモデルだ。
フロントにメッシュパネルを採用した通気性の高い筐体設計を採用し、ARGBファンをフロントに3基、リアに1基の合計4基標準搭載。名前通りエアフローが重視されている一方で、左側面には強化ガラスパネルを採用するなど、ビジュアルにもこだわってデザインされている。
主要パーツを搭載する左側面のサイドパネルには、開口部の大きな強化ガラス製の窓を装備。クリアなガラスを採用しているので、ケースの内装や搭載パーツのビジュアルを細部まで楽しめる。
一方、配線スペースとなる右側面には金属製のサイドパネルを採用。このパネルは底面部分に通気口を備えており、内側にはマグネットで固定するタイプのダストフィルターを装備。
トップパネルにもマグネット着脱式のダストフィルターを装備しており、多数の通気口を備えるファンステイ部分を覆っている。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWのフロントパネルインターフェイスは、トップパネルのフロント側に配置されている。搭載インターフェイスはUSB 3.2 Gen 1(2基)、USB 3.2 Gen 2x2 Type-C、マイク、ヘッドホン、LEDコントロールボタン、リセット/電源スイッチ。
なお、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWのリセットや電源スイッチと電源インジケータLED用のコネクタは10-1ピン配列でまとめられたコネクタ形状になっているため、スイッチやLEDごとにバラバラになっているものより圧倒的に接続しやすい。
MSI製マザーボードに限らず、近年発売されたマザーボードのほとんどは10-1ピン配列のフロントパネル用ヘッダーを採用しているので、このコネクタが問題になることはそうそう無いはずだが、念のため使用するマザーボードのフロントパネル用ヘッダーを事前に確認しておくと良いだろう。10-1ピン配列以外の古いマザーボードなどを使用する場合は、別途接続ケーブルが必要だ。
ビデオカードの搭載向き変更機能やビデオカード用ホルダー、追加ファンステイなどを装備
ここからは、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの内部をチェックしていく。
左側面内部はマザーボードやビデオカードといった、主要パーツの搭載スペースとなっている。最大で280mm幅のE-ATXマザーボードに対応するほか、ビデオカードは最大360mm長、CPUクーラーは高さ175mmまでの物を搭載可能だ。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの拡張スロットはモジュラー化されており、標準で取り付けられている7スロットの水平配置ブラケットと、4スロットの垂直配置ブラケットを任意で選択できる。なお、ライザーケーブルなどは付属していないので、垂直配置ブラケットを使ってビデオカードを垂直設置する場合は別途購入する必要がある。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWにはMSI独自設計のビデオカード用のホルダーが用意されている。これは重量のあるビデオカードをケースのフレームで支えるためのものだ。
このホルダーは位置を変更可能な2本のアームでビデオカードを挟むように支持するもので、ビデオカードの水平設置と垂直配置の両方に対応。ホルダー本体にはRGB LEDが内蔵されており、PC稼働中はイルミネーションパーツとしても機能する。
ホルダーは電源ユニットを覆うシュラウド上である程度位置を変更できるほか、搭載可能なカード長が360mmから340mmに減少するものの、ホルダー自体の向きを変えてビデオカードに被らないように取り付けることもできる。ケース付属の専用品だからこそ、デザイン性を損なうこともないユニークなものだ。
配線スペースとなっているケース右側面の内部は、フロントパネルインターフェイス用とARGBファン4基分のケーブルが配線されている。
組み立て前の時点から結構な量のケーブルが配線されているが、6基のPWMファンとARGBデバイスを集中管理できるコントロールボードを装備しているので、マザーボードに接続するファンコネクタとARGBコネクタは各1個に集約されている。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWはドライブベイとして、4基の2.5インチ専用ベイと、2基の2.5/3.5インチ両対応ベイを備えている。
4基の2.5インチ専用シャドーベイは右側面の各部に垂直配置されており、これらのうち2基はケース左側面の電源シュラウド上に配置することもできる。
2.5/3.5インチ両対応シャドーベイは、電源シュラウド内のフロントパネル側に配置されいてる。このシャドーイベイは搭載位置を調整可能なドライブケージに取り付けられており、必要がない場合はケージごと取り外すこともできる。
左側面に電源シュラウドを備えるMPG GUNGNIR 300R AIRFLOWは、電源ユニットをケース右側面側から差し入れる形で取り付ける。
本体底面には電源ユニット向けの通気口とが設けられており、ケース後部から引き抜く形で取り外せるダストフィルターを備えている。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの冷却システムをチェックユニークなファン追加ブラケットも付属
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWは、フロント/トップ/リアの4カ所にファンステイを備えており、合計で7基の120mmファンか、5基の140mmファンを搭載することができる。
標準で搭載する4基のARGBファンはいずれも120mmファンで、フロントに3基、リアに1基配置されている。
フロントのファンステイは、120mmファンまたは140mmファンを最大3基まで搭載可能で、水冷ラジエーターのサイズは120/140/240/280/360mmの物に対応している。
フロントのファンステイは丸ごと取り外すことが可能。ファンやラジエーターを取り付けるさいにファンステイをケースのフレームから取り外すことで、良好な作業性を確保できる。
トップのファンステイは、120mmファンを最大3基、140mmファンであれば最大2基まで搭載できる。搭載可能な水冷ラジエーターのサイズは120/140/240/280/360mm。
ボトムについては、120mmファンまたは140mmファンを1基だけ搭載可能で、搭載可能な水冷ラジエーターのサイズは120/140mm。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWには、80mmファンと120mmファンに対応するブラケットが同梱されている。これは、ケース左側面のケーブルカバー部分に取り付けることのできるファンブラケットだ。
大型のビデオカードを水平配置すると、ケーブルカバー部分にビデオカードが被るために利用することができないが、ビデオカードを垂直設置した場合と、ビデオカード自体を搭載しない場合は、マザーボード上のヒートシンクやビデオカードなどに風を送るために追加でファンを設置できる。
上手く使えば、垂直配置したビデオカードとマザーボードの間に生じる空間のエアフロー改善や、マザーボード上のNVMe SSDの冷却に役立てることができるだろう。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWでGeForce RTX 4080搭載のハイエンドゲーミングPCを組んでみた
エアフロー重視の設計やGPUホルダーを備えるMPG GUNGNIR 300R AIRFLOWは、ハイエンドビデオカードを使ったゲーミングPCの構築に適した機能や冷却性を備えたPCケースに見える。見た目に違わぬ実力を備えているのか、実際にハイエンドゲーミングPCを構築して確かめてみよう。
今回用意したパーツの中でも中核を担うのが、ハイエンドGPU「GeForce RTX 4080」を搭載する「MSI GeForce RTX 4080 16GB GAMING X TRIO」と、Intelの24コア/32スレッドCPU「Core i9-13900K」。
マザーボードにはCore i9-13900Kを電力リミットフリーで動かせる「MSI MPG Z790 EDGE WIFI DDR4」を用意し、近日発売予定の360mmオールインワン水冷クーラー「MSI MAG CORELIQUID E360 WHITE」を搭載。これらをATX 3.0対応80PLUS GOLD認証電源「MSI MAG A750GL PCIE5」で駆動するパワフルな構成だ。
これらのパーツとMPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの組み合わせで実際に組みあがったものが以下のPCだ。
超重量級の大型ビデオカードを含むハイエンド構成となった今回のPCだが、組み立て時の作業性は良好でスムーズに組み上げることができた。また、GPUホルダーがビデオカードをしっかり保持しているため、カードの重量に対する不安を感じることのない見た目に仕上がった。
また、今回使用したパーツが搭載するRGB LEDは「MSI Mystic Light」で制御可能であるため、統一感のあるイルミネーションを簡単に実現することができた。
MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWはハイエンドパーツをしっかり冷やせるのか超高負荷ゲーム実行中の動作温度をチェック
ハイエンドパーツを使ったゲーミングPCをしっかり構築することができたMPG GUNGNIR 300R AIRFLOWだが、そのハイエンドパーツをしっかり冷却して運用できるのか確かめるべく、ゲーム実行中の動作温度を確認してみた。
テストに用いたゲームは、GPU負荷が高いことで知られるサイバーパンク2077。4K(2160p)解像度かつ最高画質設定「レイトレーシング:オーバードライブ」という超高負荷設定で約30分間負荷をかけ続けたさいの温度を確認する。テスト時の室温は約26℃。
30分以上負荷を掛け続けたあとに取得したものが以下のスクリーンショットで、GPUが65℃、CPUが70℃で動作している。これはそれぞれの温度リミットである84℃と100℃を大きく下回る温度であり、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWに搭載されたパーツがしっかり冷却できていることを示している。
ゲームで負荷を掛け続けた30分間のモニタリングデータをみると、8分経過したあたりでバックグラウンドプロセスの影響などによるものと思われるCPU消費電力の上昇が生じているが、その後CPU負荷が元に戻ると即座に温度も負荷発生前の水準に戻っている。GPUに関しては温度も消費電力も終始一貫しており、冷却性不足によるGPUクロックの低下や、ケース内温度の上昇による緩やかな温度上昇も見られない。
この結果は、MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWの冷却性が、CPUとGPU合計で400W以上の電力を消費しているシステムの発熱を完璧に処理できていることを示すものだ。
エアフロー重視のハイエンドゲーミングPCが組める「MSI MPG GUNGNIR 300R AIRFLOW」その名にたがわぬ優秀な冷却性を発揮
MSIの新作ケースであるMPG GUNGNIR 300R AIRFLOWは、付属のARGBファンを使って構築したハイエンドゲーミングPCにおいて、その名に違わぬ優秀な冷却性を実現してみせた。
ハイエンドビデオカードとの組み合わせで心強いビデオカード用ホルダーをはじめ、単品で購入すると結構なコストになるARGBファンを標準で4基搭載するなど、ゲーミングPCを構築するうえで便利な付属品も魅力的であり、ミドルレンジからハイエンドまでゲーミングPCの自作を検討するユーザーにとって、MSI MPG GUNGNIR 300R AIRFLOWは価値のある選択肢となるはずだ。