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酷暑の夏休みに“涼”を求めてホワイトカラーのゲーミングPCを作る!コネクタまで“白”にこだわるならパーツはMSI!!

お手頃価格の「B760M GAMING PLUS WIFI」を中心に構成しゲーミング性能も抜群 text by 芹澤 正芳

 すっかり一般化したホワイトカラーのPCパーツ。ケース、マザーボード、ビデオカード、電源、CPUクーラー、メモリなどなど今やほとんどのジャンルに存在しているが、“統一感”を求めるならやっぱり同じメーカーで揃えたほうがよい仕上がりになりやすい。

 そこで今回はMSIのパーツを中心としたホワイトカラーのゲーミングPCの作例を紹介しよう。MSIの徹底した“白”へのこだわりに注目だ。季節はまさに夏休み、東京をはじめ日本各地はとびきりの酷暑だ。こんなときには、“清涼感”も感じられるホワイト基調のゲーミングPCを作ってみてはいかがだろうか?

ホワイトカラーのゲーミングPC自作に挑戦する

ホワイトカラーのパーツが充実しているMSI

 なぜホワイトカラーのPC自作にMSIが向いているのか。MSIは、CPUとメモリ以外のほとんどのPCパーツを取り扱っているのに加えて、ホワイト系も充実しているため。CPUクーラー、ビデオカード、電源、PCケースのそれぞれでホワイトカラーを展開、マザーボードも真っ白ではないが、白銀カラーを採用しているモデルが多数存在している。

CPU、メモリ以外はMSIで統一できるほどホワイト系パーツが充実している

 ホワイトと言ってもメーカーによって“白”の色合いが異なるなど、微妙な差はでやすいもの。そのため、なるべく同じメーカーで揃えたほうが統一感を生みやすい。それに、LEDによるドレスアップも考えているなら、パーツごとにメーカーを変えた結果、LEDを制御するアプリが分かれてしまうと、色や発光パターンを統一するのが大変になってしまう。その点、同一のメーカー、たとえばMSIならば、MSI Centerアプリで各パーツのLEDを一括で制御できる。MSIはメモリを取り扱っていないが、MSI CenterでLEDが制御可能なメモリは数多くあり、ホワイトカラーで統一する上でそれほど困ることはない。

MSI CenterのMystic Light機能を使えば、接続されているLED関連のデバイスを一括で制御できるのもメーカーを統一する強み

 また、MSIは白に対してかなりこだわっているのもポイントだ。PCケースであれば、ケーブル類はもちろん、内蔵ベイのトレイやUSBポート内部の端子部分も白いと細部まで白にこだわりたい人も納得の充実ぶり。簡易水冷クーラーでも、ケーブルや端子類までしっかりと白くなっている。統一感を出させやすい環境が整っているわけだ。

内部の部品、端子やケーブルでホワイトにこだわっているのもポイントだ

人気のCPUに良コスパのマザーを組み合わせる

 それでは今回のプランを紹介しよう。CPU、GPUともアッパーミドル向けの人気の構成を選びつつ、ホワイトカラーで仕上げている。人気ゲームを高画質で快適に遊べるだけのパワーと見栄えを両立したPCになったのでないだろうか。

14コア20スレッドの「Core i5-14500」。実売価格は4万1,000円前後

 まずCPUだが、今回はIntelのCore i5-14500をチョイスした。Pコア6基、Eコア8基で合計14コア20スレッドの構成で4万1,000円前後と手頃な価格と手堅い性能を持つ人気のミドルレンジ製品だ。

microATXサイズのゲーミングマザー「B760M GAMING PLUS WIFI」。実売価格は1万9,000円前後

 PCの核となるマザーボードには、MSIの「B760M GAMING PLUS WIFI」をピックアップした。価格と性能のバランスに優れた、まさしく“こういうのでいいんだよ”という言葉がピッタリのGAMING PLUSシリーズの一つだ。

 microATXサイズながら12+1+1フェーズと強力な電源回路を持ち、2.5Gの有線LANにWi-Fi 6E+Bluetooth 5.3のワイヤレス機能も搭載しながら、2万円を切る価格を実現しているのが最大の注目ポイント。2基のM.2スロットにPCI Express 4.0 x16、4.0 x4、3.0 x1と3本のPCI Expressスロットと拡張性も十分確保されている。

 ブラックをベースに、ホワイトシルバーのヒートシンクやカバーをあしらったデザインは、アクセントとしてもちょうどよい仕上がり。コストパフォーマンスも優秀なので、ホワイトでまとめたPCを予算抑えめに作るのに適した製品と言ってよいだろう。

バックパネル。CPU内蔵のGPU機能で4画面同時出力できる機能を持つ。USBは全部で6ポート。バックパネル側にUSB Type-Cがないので、オンボードのヘッダーを介してケース前面のものを活かそう

MSIこだわりの白パーツが集結

 ここからは、MSIの中でもとくに注目の白パーツを選んでいく。

36cmクラスのラジエータを備える簡易水冷クーラー「MAG CORELIQUID E360 WHITE」。水冷ヘッド。上部は回転できるので常にロゴを正しい向きに配置できる。実売価格は1万9,000円前後

 まずは、CPUクーラーから。今回は36cmクラスの簡易水冷クーラー「MAG CORELIQUID E360 WHITE」をチョイス。ラジエータ、ファン、チューブ、ケーブル、端子類まで徹底してホワイトにこだわっている。水平ヘッドと3基のファンにはアドレサブルRGBが内蔵されており、ドレスアップと高冷却を両立できる1台だ。

ATX対応のPCケース「MAG FORGE 320R AIRFLOW WHITE」。サイズは210×472.5×498mmで重さは7.05kg。実売価格は2万8,000円前後

 PCケースは「MAG FORGE 320R AIRFLOW WHITE」。ケーブルやベイのトレイまでホワイトで統一と、白PCファンも納得の細部まで凝った作りだ。冷却ファンは前面に3基、背面に1基を備え、すべてアドレサブルRGBが内蔵と、標準装備でのエアフローも見栄えも優秀。前面はメッシュ構造で高い冷却力を確保しており、ビデオカードは最大390mmまで搭載可能と、ハイスペックなパーツを組み込んだ際の使い勝手も良好だ。

850W出力で80PLUS Gold認証の「MAG A850GL PCIE5 WHITE」。実売価格は1万7,000円前後

 電源は「MAG A850GL PCIE5 WHITE」とした。850W出力で80PLUS Gold認証を取得している。ATX 3.1/PCIe 5.1対応なので、16ピンのケーブルを付属。本体はもちろんケーブルまでホワイト仕様だ。フルモジュラーなので必要なケーブルだけ接続できるのに加え、奥行きが140mmと短いので設置しやすいのもポイントだ。

GeForce RTX 4070 SUPERを採用するMSIの「GeForce RTX 4070 SUPER 12G GAMING X SLIM WHITE」。カード長は307mmで2スロット厚だ。実売価格は12万3,000円前後

 ゲーミングPCで重要となるビデオカードは、GPUにNVIDIA最新世代でアッパーミドルに位置するGeForce RTX 4070 SUPER搭載の「GeForce RTX 4070 SUPER 12G GAMING X SLIM WHITE」をチョイス。3連ファンの大型カードだが2スロット厚なので組み込みやすい。メモリは、ホワイトカラー重視でCORSAIR「VENGEANCE RGB DDR5 CMH32GX5M2B6400C32W」を選択した。上部にLEDを内蔵しているのでドレスアップにも最適だ。

 このほか、ストレージにはMironの「Crucial P3 Plus」の1TBモデルを選択している。PCI Express 4.0 x4接続で、公称シーケンシャルリードは5,000MB/s、ライトは3,600MB/sで、手ごろな価格も魅力のミドルレンジ製品だ。

スッキリと美しい仕上がりで人気ゲームも4Kで楽しめる

 マザーボードがmicroATXサイズで、ビデオカードの奥行きにも余裕があるため、パーツの組み込みはラクだ。ケースの冷却ファン、簡易水冷クーラーのファンを合わせて7本のLEDケーブルが裏面に集中するが、PCケース側にLEDコネクターをまとめて接続できるハブ基板が用意されているので、マザーボードに接続するアドレサブルRGBケーブルは1本だけで済み、LEDコネクターが不足する心配はいらいない。

各パーツを組み込んだところ。マザーボードが小さいため、内部の白さが際立っている

 ATXケースにmicroATXマザーボードはアンバランスに思えるが、今回のホワイトカラーを狙ったプランでは、マザーボードが小さいことでPCケース内部の白さが際立つ印象だ。白く統一するなら、よい選択と言える。

LEDのカラーを白で統一したところ。よい感じに幻想的な雰囲気を出せているのではないだろうか
メモリはCORSAIRだが、マザーボード、ビデオカードと合わせてMSI CenterでまとめてLEDの制御が可能だ

 ここからは性能チェックに移ろう。CPUのパワーリミットは定格どおりのPL1=65W、PL2=154Wに設定している。まずは、一般的な処理でPCの基本性能を測る「PCMark 10」、3Dゲーミング性能を測定する「3DMark」を見よう。

PCMark 10 Standardの測定結果
3DMark Fire Strikeの結果
3DMark Steel Nomadの結果
3DMark Speed Wayの結果

 Core i5-14500とGeForce RTX 4070 SUPERの組み合わせにおいて、アッパーミドルクラスの高いスコアを出した。今回の構成は冷却システムが強力なこともあり、CPUとGPUの性能を十分引き出せている。

 実ゲームも試そう。ここでは2本の人気ゲームを用意した。「エルデンリング」はリムグレイブ周辺の一定コースを移動した際のフレームレート、「Ghost of Tsushima Director's Cut」は旅人の宿場周辺の一定コースを移動した際のフレームレートをそれぞれ「CapFrameX」で測定した。

エルデンリング(レイトレーシング無効)の計測結果
エルデンリング(レイトレーシング有効)の計測結果
Ghost of Tsushima Director's Cutの計測結果

 エルデンリングは最大60fpsのゲームだ。レイトレーシングを有効にしなければ、最高画質設定でも4K解像度まで快適にプレイが可能だ。レイトレーシングを最高設定するとかなり描画負荷は高まるが、それでもWQHDまではほぼ平均60fpsに到達できている。

 なお、大型DLCの「SHADOW OF THE ERDTREE」導入時も描画負荷はほとんど変わらない。そのまま参考になるはずだ。

 Ghost of Tsushima Director's Cutは、NVIDIA独自のアップスケーラーとフレーム生成を組み合わせたDLSS 3に対応していることもあり、美しいグラフィックスながら4Kでも平均111fpsと高いフレームレートを出せている。この結果から、今回の構成なら多くのゲームを高画質設定でWQHD~4K解像度で楽しめるパワーがあると言ってよいだろう。

MSIなら統一感のあるホワイトカラーを実現しやすい

 冒頭にも述べたように、MSIはCPUなどの一部パーツを除くほとんどの自作PC向け製品をラインナップしている。ルックス的に重要なパーツを同じメーカー揃えることによって、カラーリングやデザインに統一感を持たせられるのが大きなアドバンテージになった。今回のプランでもPCケースと簡易水冷クーラーは見事なマッチングと感じられる。

 各パーツのLED制御もMSI Centerで一括管理できるので、ドレスアップにこだわる人にもオススメ。ホワイトカラーでの自作PCにチャレンジしてみたい人は参考にしていただきたい。