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Ryzen 9 9950Xに相応しい18+2+1フェーズ電源にビデオカード2枚挿しもいける「MSI MPG X870E CARBON WIFI」

使いやすさも進化したMSIのメインストリーム向け上位マザーボード text by 坂本はじめ

 今回紹介するのはMSIの最新マザーボード「MSI MPG X870E CARBON WIFI」。AMDの上位チップセット「X870E」を搭載したSocket AM5向けのATXマザーボードで、同社のパフォーマンス重視モデル「MPGシリーズ」に属する製品だ。

 新世代CPUであるRyzen 9000シリーズ向けに最新の技術や設計を取り入れるとともに、“EZ DIY”をキーワードにユーザーフレンドリーな機能を進化させたMSI最新のSocket AM5対応マザーボード。写真で特徴的な機能や設計を確認しつつ、Ryzen 9 9950Xを搭載してハイエンドCPUとの相性もチェックしてみた。

18+2+1フェーズ電源に多数の拡張スロットを搭載ハイエンドCPUとも相性がよいMSIのX870Eマザー「MPG X870E CARBON WIFI」

 MSI MPG X870E CARBON WIFIは、MSIがゲームでのパフォーマンスとスタイリッシュなデザインを重視して開発したSocket AM5対応モデル。フォームファクターはATXで、基板サイズは約305×244mm。

 搭載されているAMDの新チップセット「X870E」は、新世代CPUであるRyzen 9000シリーズに向けに用意された新モデル。もちろん、従来のRyzen 7000シリーズやRyzen 8000シリーズもサポートしており、MPG X870E CARBON WIFIは既存のSocket AM5向けCPUのすべてに対応している。

 メモリスロットには4本のDDR5対応スロットを搭載。配線などのレイアウトの改良によりRyzen 9000シリーズ搭載時はDDR5-8400以上のオーバークロックメモリが利用可能となったほか、Ryzen 9000シリーズおよび8000シリーズ限定で新規格のClocked Unbuffered DIMM「CUDIMM」にも対応する(※現時点でのサポートはClock Driver bypass modeのみ)。

最新CPU「Ryzen 9000シリーズ」に対応するSocket AM5マザーボード
DDR5メモリスロットを4本搭載。レイアウトの改良によりメモリOC耐性が向上したほか、Ryzen 9000/8000シリーズ搭載時はCUDIMMに対応する(※現時点でのサポートはClock Driver bypass modeのみ)

 MPG X870E CARBON WIFIは、110Aのスマートパワーステージ(SPS)を含む18+2+1フェーズのVRMを搭載しており、ヒートパイプで接続された大型のヒートシンクを冷却用に搭載している。コントローラは「ルネサス RAA229620」で、110AのSPSには「ルネサス R2209004」だった。

 Ryzen 9000シリーズの最上CPUであるRyzen 9 9950XのTDPは170Wで、このCPUはブースト動作中に最大200Wまで電力を消費することが許されている。かなりの大電力を消費するCPUではあるが、110AのSPSからなる18フェーズのCPU向けVRMを備えるMPG X870E CARBON WIFIなら難なく動かくせるはずだ。

VRMの構成は18+2+1フェーズで、CPU用の18フェーズに110AのSPSを採用している
大型の冷却用ヒートシンクを搭載しているMPG X870E CARBON WIFIのVRM
2つのVRM冷却用ヒートシンクはヒートパイプで接続されている
VRM用のPWMコントローラ「ルネサス RAA229620」
CPU用の18フェーズに採用されている110A SPS「ルネサス R2209004」

 SSD接続用のM.2スロットは合計4本で、すべてのM.2スロットがM.2 SSDの表裏両面を冷却可能なヒートシンクを搭載。CPUソケットに近い側の2本がCPUに直結されたPCIe 5.0 x4対応スロットで、CPUソケットから遠い位置の2本はチップセット接続のPCIe 4.0 x4対応スロットだ。

M.2スロットを4本搭載。CPUソケットに近い側の2本がCPU直結のPCIe 5.0 x4対応で、残る2本がチップセット接続のPCIe 4.0 x4対応
すべてのM.2スロットが表裏を冷却できるヒートシンクを備えている

 拡張カード用スロットには、x16形状のスロットを3本搭載しており、最大対応レーン数はCPUに近い側からPCIe 5.0 x16、PCIe 5.0 x4、PCIe 4.0 x4。金属補強された2本のスロットはCPU直結のPCIeスロットで、CPUソケットにより近い方が「Steel Armor II」仕様、もう一方が「Steel Armor」仕様となっている。

 また、マザーボード下端に拡張スロットへの給電を強化するPCIe 8ピン形状の補助電源コネクタが設けられている。これは、AI用途でビデオカードを2枚搭載した際などに、拡張カードへの電源供給を安定化させることを目的としたもの。多数のファンや様々なイルミネーションLED機器をマザーボードに接続した際にも十分な電力を供給できるとされている。

x16形状のPCIeスロットを3本搭載。CPUソケットに近い側の2本は金属補強されたPCIe 5.0対応スロットで、CPUソケットにより近い方が「Steel Armor II」仕様、もう一方が「Steel Armor」仕様となっている。
拡張スロットへの電力供給を補強する補助電源としてPCIe 8ピン電源コネクタが実装されている
AI用途で上位ビデオカードを2枚搭載しても、マザーボードからは安定した電源供給が可能

 バックパネルインターフェイスには、2基のUSB4 40Gbpsや、5GbEと2.5GbEの2系統の有線LAN、Wi-Fi 7などの先進的なインターフェイスが配置されている。また、10Gbps対応のUSB 3.2 Gen 2ポートはType-A×9基 + Type-C×2基の合計11ポートも実装されており、多数のUSB機器を利用することができるのも特徴的だ。

バックパネルインターフェイス。USB 4 40Gbpsや5GnE+2.5GbE、Wi-Fi 7など先進的なインターフェイスのほか、USB 3.2 Gen 2ポートを合計11基も備えている

 MSIは、MPG X870E CARBON WIFIを含む今世代のマザーボードから新しいBIOSメニュー「CLICK BIOS X」を導入した。前世代のマザーボードに採用されていたCLICK BIOS 5は、UEFI初期に導入されたCLICK BIOSのデザインを踏襲しつつ簡易表示の「EZ Mode」を追加するなどの改良を重ねてきていたが、CLICK BIOS Xでは従来のデザインを刷新して全く新しいGUIとなっている。

 BIOSメニューの刷新という大転換とともに、MSIはマザーボードの製品保証期間についても現状の「2年間」から「3年間」に延長する。3年保証はMPG X870E CARBON WIFIおよび同世代のマザーボード以降、下位モデルも含めすべての製品に適用されるとのことだ。より長くマザーボードの運用を望むユーザーにとって、保証期間の延長は大いに歓迎できる要素と言えるだろう。

CLICK BIOS Xの「Advanced Mode」。従来とは全く異なるシンプルなデザインに刷新されている
CLICK BIOS Xの「EZ Mode」。GUIの背景やカラーリングは製品シリーズ毎に異なるテーマが採用されるため、MPG X870E CARBON WIFIではMPGシリーズのテーマが適用されている

X870Eで必須装備となったUSB4 40GbpsMPG X870E CARBON WIFIは「ASMedia ASM4242」でUSB4を実装

 AMDの新チップセットであるX870EとX870を搭載したマザーボードでは、新世代のUSB規格「USB4」のサポートが必須とされている。ただし、X870E/X870チップセット自体がUSB4 40Gbps機能を備えているわけではないため、外部チップを用いて対応しなければならない。

X870E/X870を搭載するマザーボードはUSB4を必ず実装しなければならない

 2基のUSB4 40Gbpsポートをバックパネルに備えるMPG X870E CARBON WIFIでは、ASMedia製のUSB4コントローラ「ASMedia ASM4242」を搭載することでこの要件を満たしている。USB4コントローラは高性能である一方で発熱も大きいため、MPG X870E CARBON WIFIでは専用のヒートシンクを搭載。さらに、サーマルパッドでVRM冷却用のヒートシンクとしっかり接触させることで放熱性を高めている。

MPG X870E CARBON WIFIに搭載されているUSB4コントローラ「ASMedia ASM4242」
USB4コントローラ専用のヒートシンクを装備。このヒートシンクは2枚のサーマルパッドでVRM用ヒートシンクとしっかり接触するようになっている

 コントローラの熱対策までしっかりと実装されているMPG X870E CARBON WIFIのUSB4ポート。USB4外付けSSDを接続してCrystalDiskMarkを実行してみると、リード/ライトともに3,700MB/sを超える速度が計測できた。これはPCIe 4.0 x4をバスインターフェイスに採用するASMedia ASM4242としては、スペック上期待できる上限に近い速度だ。

USB4外付けSSDを接続したさいのCrystalDiskMark実行結果。リード/ライトともに3,700MB/s以上の速度を記録した

EZ DIYをキーワードにユーザーフレンドリーな設計を目指すMSIさらに進化したツールレスM.2や着脱が容易なPCIeスロットを装備

 MSIはここ数年「EZ DIY」をキーワードに掲げ、ユーザーフレンドリーな設計を積極的に取り入れてきた。最新鋭のマザーボードであるMPG X870E CARBON WIFIではこのコンセプトがさらに前進し、複数の改良や新機能が導入されている。

 まず、EZ DIYの代表例と言えるのがM.2スロットだ。MSIは他社に先駆けてツールレス設計を導入してきた実績があり、MPG X870E CARBON WIFIではヒートシンクを簡単に着脱できる「EZ M.2 Shield Frozr II」および「EZ Magnetic M.2 Shield Frozr II」が導入された。

 これはM.2スロット部分のピンにヒートシンクのツメをひっかけ、上から押し込むとヒートシンクが固定できるという機能で、取り外すさいもヒートシンク側の金具を押し込みながら持ち上げるだけという簡単さだ。固定自体はピンとツメがしっかり噛み合うため外れる心配もない。

マザーボード側のピン。ここにヒートシンクのツメをひっかけると固定位置が決まる仕組みだ
ヒートシンク側のツメ。これをマザーボード側のピンに押し当てながら、上から押さえることでヒートシンクを固定できる
実際に作業してみるとツメとピンの位置合わせはかなり簡単
スムーズにヒートシンクを取り付けることができる。
ヒートシンクを取り外す場合は、ヒートシンク左端の金具を押し込みながら持ち上げるだけ
ヒートシンクの固定と解除はかなり簡単に行えるようになった

 また、MPG X870E CARBON WIFIのCPUソケット直下に配置されているヒートシンクはロゴ部分にRGB LEDを内蔵しているのだが、「EZ Magnetic M.2 Shield Frozr II」準拠のこのヒートシンクではマグネット式のコネクタが採用されており、ピンとツメでヒートシンクを固定すると自動的にLEDのコネクタも接続される。LED接続用ケーブルの断線などを心配がない構造に改良されたのは嬉しい部分だ。

EZ Magnetic M.2 Shield Frozr IIでは、ヒートシンク上に実装されているRGB LEDへの配線にケーブルではなくマグネット式のコネクタを採用
ヒートシンクを取り付けるだけでLEDの配線も接続される仕組みなので、断線を心配することなくヒートシンクを着脱できる

 MPG X870E CARBON WIFIでは、CPUソケットにもっとも近いPCIeスロットに「EZ PCIe Release」という機能を導入した。

 EZ PCIe ReleaseはPCIeスロットのロックレバーをボタン式に変更したものなのだが、ユニークなのはボタンがロック式となっている点だ。押下するごとに「ロック」と「開放」を切り替えられる仕組みとなっているため、一度「開放」に切り替えればボタンを操作することなくビデオカードを取り外すことができる。

 スロットの固定状況はボタン付近に配置されたインジケーターとボタン自体の押し込み具合で確認できる。インジケーターの表示がかなり小さいので、今後のモデルで視認性改善を期待したい部分はあるものの、ビデオカードの着脱作業がかなり行いやすくなる機構なので、今回導入された新機能の中でも特に気に入った部分の一つだ。

EZ PCIe Releaseのボタン。ロック式のボタンで押すごとに「ロック」と「開放」が切り替わる
EZ PCIe Release対応PCIeスロットのロック機構。ボタン操作に応じて金属部分がスライドする
ロック状態ではボタンの頭は高い位置にあり、PCIeスロットのロック機構がスロット側にスライドしている
開放状態ではボタンの頭が下がり、PCIeスロットのロック機構が解放状態になる
ロック機構の開閉状態はボタンの頭の高さとインジケーターで確認できる
押し込んだ際は錠前のマークが開錠のマークに変わっているのがわかる

 MPG X870E CARBON WIFIには、ねじ込み不要でWi-Fi/Bluetooth用アンテナケーブルを接続できる「EZ アンテナ」 や、オールインワン水冷クーラーの接続に必要なことの多い3つの機能を一括で提供する独自コネクタ「EZ Conn」、フロントパネル用ヘッダとケースの接続を容易にする「EZ フロントパネルケーブル」など、自作PCの作業性を高める工夫が随所に取り入れられている。

 組み立てや分解の機会が多いユーザーほど便利に感じるMSIのEZ DIY機能だが、その機会が少ないとしても作業性は良いに越したことはない。より進化したEZ DIY機能を備えるMPG X870E CARBON WIFIは、従来のマザーボード以上に自作PCがしやすい製品であることは確かだろう。

差し込むだけで固定できるコネクタを備えた「EZ アンテナ」。ねじ込む必要がないので容易に着脱でき、なおかつ必要十分な強度で固定することができる
EZ Conn端子。同梱のケーブルを接続することでUSB 2.0、ARGB、4ピンFANの3機能をこの端子から取り出すことができる。オールインワン水冷クーラーとの接続に好適だ。
EZ フロントパネルケーブル。電源スイッチやインジケーターLEDなど、ケースのフロントパネル機能をひとまとめにして接続することで作業性を改善する

Ryzen 9 9950Xの性能をしっかりと発揮、レンダリングもゲームも期待通りの性能ベンチマークで実パフォーマンスを確認

 ここからは、MPG X870E CARBON WIFIにRyzen 9000シリーズ最上位の16コア/32スレッドCPU「Ryzen 9 9950X」を搭載して、ベンチマークテストでのパフォーマンスを確認する。

 テスト環境は以下の通りで、GPUにGeForce RTX 4070 Ti、メインメモリに32GBのDDR5-5600を搭載。この環境でのRyzen 9 9950Xは電力リミット(PPT)が200Wで、CPUコア以外の動作クロックは内蔵メモリコントローラ(UCLK)が2,800MHz、Infinity Fabric(FCLK)は2,000MHzに標準で設定されている。

 CPUとGPUの3DCGレンダリング性能を計測するCinebench 2024では、CPU (Multi Core)で「2,010pts」、CPU (Single Core)で「137pts」、GPUで「20,152pts」を記録した。

 高いレベルでマルチスレッド性能とシングルスレッド性能を両立するRyzen 9 9950Xならではのパフォーマンスが得られており、MPG X870E CARBON WIFIがRyzen 9000シリーズ最上位モデルの性能をしっかり引き出せたと言える結果だ。

Cinebench 2024の実行結果。スコアはCPU (Multi Core)が2,010pts、CPU (Single Core)は137pts、GPUは20,152pts

 ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークでは、グラフィックプリセットを「最高品質」に設定して、フルHD/1080pと4K/2160pでテストを実行した。

 計測されたスコアはフルHD/1080pが「29,394」で、4K/2160pが「11,224」。GeForce RTX 4070 Tiを搭載したPCとしてはかなり高いパフォーマンスが得られていると言えるスコアだ。

ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー ベンチマークのスコア

 サイバーパンク2077で、グラフィックプリセットを「レイトレーシング:ウルトラ」に設定して、フルHD/1080pと4K/2160pでベンチマークモードを実行した。テスト時はDLSS 3によるフレーム生成を有効にしている。

 計測された平均フレームレートはフルHD/1080pが「197.23fps」で、4K/2160pが「97.84fps」。フレーム生成を有効にしているとはいえ、重量級のオープンワールドゲームであるサイバーパンク2077でこれだけの平均フレームレートを記録するにはCPUとGPU両方の性能をしっかり引き出すことが求められる。それを容易くこなせるのは、流石MPGシリーズのマザーボードと言ったところだ。

フルHD/1080p(最高品質)の結果。スコアは「197.23fps」
4K/2160p(最高品質)の結果。スコアは「97.84fps」

200Wを消費し続けるCPUを苦にしないMPG X870E CARBON WIFI無風状態の長時間負荷でも安定性に揺るぎなし

 最後に、Ryzen 9 9950XでCinebench 2024の「CPU (Multi Core)」を最低実行時間30分で実行したさいのモニタリングデータを紹介しよう。

 Ryzen 9 9950Xが備えるすべてのCPUコアがフル稼働するこのテストにおいて、CPU消費電力は終始200Wで動作しつづけており、CPUクロックはCCD_0が平均5,141、CCD_1が4,968MHzという高クロックを維持し続けた。

 CPU温度が平均78.3℃(最大80.6℃)でサーマルスロットリングは作動していないため、常に電力リミットによるスロットリングのみが作動し続ける形で安定した動作を30分継続しているという結果なのだが、注目してもらいたいのはMOS温度だ。

 VRMのMOSFET温度を計測しているMOS温度はテスト序盤から中盤まで緩やかに上昇しており、最終的には平均73.3℃(最大79.5℃)に達しているが、CPUの動作に温度上昇は影響していないことからVRMは過昇温に陥ることなく動作していることが分かる。

 重要なのは、オールインワン水冷クーラーを用いた今回のテストはVRMに「無風状態」で負荷をかけ続けているという点だ。MPG X870E CARBON WIFIのVRMは無風状態という悪条件下において、30分以上の長時間にわたってCPUに200Wの電力を供給し続けても安定動作を実現できるほど低い温度を保てる優秀なVRMということだ。

 サーモグラフィでもVRMのヒートシンクや周辺温度は70℃弱までにしか上昇していないことが確認できる。実用ではケースのエアフローなどで冷却することを推奨するが、強力なVRMを備えたMPG X870E CARBON WIFIであれば、CPUの冷却を重視してオールインワン水冷クーラーを選んでも安心だ。

テスト開始前のサーモグラフィ画像。各部の温度は50℃前後といったところ。
テスト開始から30分経過後のサーモグラフィ画像。無風という悪条件にも関わらず、周辺温度は70℃弱までしか上昇していない

Ryzen 9 9950Xの性能も余裕で引き出せるX870EマザーMSIこだわりのEZ DIY機能も魅力的な完成度の高い一枚

 新チップセットを搭載した最新鋭のSocket AM5マザーボードであるMPG X870E CARBON WIFIは、Ryzen 9 9950Xを余裕で動かせる強力なVRMや、USB4やWi-Fi 7などの最新規格を備え、MSIこだわりのEZ DIY機能によって扱いやすく仕上げられた完成度の高いマザーボードだった。

 Socket AM5には互換性があるため、Ryzen 9000シリーズは従来のAMD 600シリーズチップセットを搭載するマザーボードでも利用することはできるが、長期的に使うことを考えるのであればUSB4やWi-Fi 7が使えるメリットは大きく、アップグレードやメンテナンス時にも役立つEZ DIY機能は魅力的。

 新規でRyzen 9000シリーズを使った自作PCに挑戦するユーザーに勧めたくなる魅力がMPG X870E CARBON WIFIには確かにある。より洗練されたマザーボードを使って、クオリティの高い自作PCに挑戦してもらいたい。