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“黒”で見た目にこだわったゲーミングPCならコレ!LEDも映えるピラーレスケースのSTORM「影界」

Core Ultra 9 285K + GeForce RTX 4080 SUPER搭載の上位モデルをテスト text by 坂本はじめ

STORM「影界 EK-285K48S」

 STORMの新作BTO「影界(eikai)」は、「絶景の黒」というキーワードのもと黒いカラーリングのパーツにこだわって構築されたBTO PC。ピラーレスケースを採用しており、黒を基調としたカラーリングにARGB LEDによるイルミネーションが映えるビジュアルが印象的だ。

 今回は、Intelの最新CPU「Core Ultra 9 285K」を搭載したハイスペック仕様の「影界 EK-285K48S」で、その印象的なビジュアルとともに、最新鋭パーツで構築された影界が実現するパフォーマンスを確かめてみよう。

STORMが黒にこだわって構築した「影界」ARGB LEDが映えるピラーレスケースを採用

 今回テストする「EK-285K48S」は、STORMが黒いカラーリングにこだわって構築したBTO PC「影界」のハイスペックモデルで、Intel最新のCPU「Core Ultra 9 285K」とハイエンドGPU「GeForce RTX 4080 SUPER」を搭載している。標準構成時の販売価格は469,800円。

ピラーレスケースPhanteks「PH-NV5S」を採用する影界。黒を基調としたカラーリングにLEDイルミネーションが映えるビジュアルが印象的だ
左側面。開口部の広い強化ガラスパネルを採用しており、内蔵パーツのビジュアルとイルミネーションが楽しめる
右側面。金属製のサイドパネルを採用しており、本体フロント側にはケースファン用の通気口が設けられている
強化ガラスパネルを採用する本体正面。ピラーレス設計を採用しているため、左サイドパネルとの間のフレームが省略されている
本体背面。マザーボードやビデオカードのインターフェイスや、電源ユニットにアクセスできる

 影界がケースに採用するPhanteks[PH-NV5S」は、前面と左側面に強化ガラスパネルを採用したピラーレス設計のタワー型ケース。ケース各部に配置されたLEDラインと4基のARGBファンが連動するイルミネーション機能を備えており、黒を基調としたカラーリングにLEDイルミネーションが映えるスタイリッシュなビジュアルを実現している。

ケースのLEDラインはファンと連動するイルミネーション機能を備えている
LEDはARGB対応なのでカラーを変更することも可能
天板には通気口が設けられており、マグネット着脱式のダストフィルターを装備している
天板のインターフェイス群。電源スイッチのほか、USB Type-C、USB Type-A(2基)、音声入出力、LED切り替えスイッチが用意されている

 影界では、CPUクーラーにSTORMオリジナルの「ST-AIO240_MAX BK」を採用している。これは、120mmファンを2基搭載可能な240mmサイズのラジエーターを備えたオールインワン水冷クーラーで、水冷ヘッドには2.8型液晶パネルを搭載しており、PCのステータス情報や任意の画像などを表示することができる。

 今回テストするEK-285K48Sは、最大ターボ電力(MTP)が250Wに達するIntel最新の24コアCPU「Core Ultra 9 285K」を搭載しているわけだが、240mm水冷クーラーであるST-AIO240_MAX BKがこのハイエンドCPUをどこまで冷やせるのかにも注目だ。

STORMオリジナルの240mmオールインワン水冷クーラー「ST-AIO240_MAX BK」
専用ユーティリティ「STORMモニター」で表示の液晶画面のカスタマイズが可能

 影界が採用するマザーボードは背面コネクタ仕様ではないが、ガラスパネル越しに見える部分に関してはケーブルが極力目立たないように配線されており、スマートな印象を受ける内装に組み上げられている。

 金属パネルに覆われて見えない本体右側面も丁寧に配線されており、乱雑さを一切感じない整然とした内装からは、STORMの高い組立技術と細部まで手を抜かない姿勢が見て取れる。

ガラスパネルを取り外した本体左側面内部
極力ケーブルが目立たないよう配線されている
電源直結のPCIe 16ピンケーブルにより、ビデオカードへの電源供給もシンプル化されている
ケース右側面内部。普段は目に見えない部分だが、丁寧に配線されている

Intel最新鋭CPUを搭載する影界の実力をチェッククリエイター用アプリとゲームの性能を確認

 ここからは、Core Ultra 9 285KとGeForce RTX 4080 SUPERを搭載する影界のハイスペックモデル「EK-285K48S」の性能を様々なテストでチェックする。

 テスト時の設定などは以下の通りで、EK-285K48SではIntel Default Settingsに基づくリミット設定が導入されており、Core Ultra 9 285Kは常に250Wの電力消費が許容されていた。

Cinebench 2024

Cinebench 2024

 EK-285K48SでCinebench 2024を実行した結果、CPUテストのMulti Coreで「2,350pts」、Single Coreで「146」を記録し、GPUテストでは「26,849pts」を記録した。

 CPUテストで記録したスコアは、いずれもデスクトップ向けCPUとしては最高クラスの数値であり、EK-285K48SがCore Ultra 9 285Kの性能をしっかり引き出せていることがうかがえるものだ。

Cinebench 2024「CPU (Multi Core)」
Cinebench 2024「CPU (Single Core)」
Cinebench 2024「GPU」

UL Procyon「Office Productivity Benchmark」

UL Procyon「Office Productivity Benchmark」

 Microsoft Officeのパフォーマンスを計測するUL Procyonの「Office Productivity Benchmark」では、総合スコアで「8,588」という優秀なスコアを記録した。

 EK-285K48Sが搭載するCore Ultra 9 285Kは、日常的に利用される機会の多いアプリのひとつであるMicrosoft Officeでも高いパフォーマンスを発揮するCPUのようだ。

UL Procyon「Office Productivity Benchmark」

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」

 Adobeのアプリで写真編集を行った場合のパフォーマンスを計測するUL Procyon「Photo Editing Benchmark」を実行した結果、総合スコアは「10,047」。主にPhotoshopでの性能を計測するレタッチは「10,156」、主にLightroom Classicでの性能を計測するバッチ処理は「9,941」だった。

 CPUとGPU両方の性能が問われるこのテストにおいて、Core Ultra 9 285KとGeForce RTX 4080 SUPERのコンビが発揮したパフォーマンスは大変優れたものであり、EK-285K48Sはクリエイティブ用途にも高い適正を備えたPCであると言える。

UL Procyon「Photo Editing Benchmark」

オーバーウォッチ 2

オーバーウォッチ 2

 アクションシューティングゲームの「オーバーウォッチ 2」では、カスタムゲームでAI同士を対戦させ、観戦中の平均フレームレートを計測した。テストでは画質プリセットを「エピック」に設定し、3つの画面解像度で計測を行った。

 EK-285K48Sが記録した平均フレームレートは、フルHD/1080pで「400.4fps」、WQHD/1440pは「290.0fps」、4K/2160pが「161.1fps」。いずれも144fpsを大きく超えており、オーバーウォッチ 2を快適にプレイするのに十分なパフォーマンスを得られている。

オーバーウォッチ 2 (v2.13.1.1.132779)

フォートナイト

フォートナイト

 バトルロイヤルTPSの「フォートナイト」では、リプレイ機能を使って同じシチュエーションでの平均フレームレートを計測した。テストでは画質プリセットを「最高」、Nanite/Lumeを「オフ」、アンチエイリアスを「TAA」に設定し、3つの画面解像度で計測を行った。

 EK-285K48Sが記録した平均フレームレートは、フルHD/1080pで「259.1fps」、WQHD/1440pは「194.2fps」、4K/2160pが「104.7fps」。いずれの解像度でもGPUはほぼフルパワー(GPU使用率95%以上)で動作しており、画質設定を調整してGPU負荷を軽減することで、より高フレームレートを目指せる実力がEK-285K48SとCore Ultra 9 285Kにはあるようだ。

フォートナイト (v33.00)

STORMオリジナル水冷はCore Ultra 9 285Kを冷やせるのか影界の冷却性能をチェック

 EK-285K48Sが様々な用途で高い性能を発揮するPCであることが確認できたところで、影界の冷却システムがCPUとGPUを十分に冷却できているのかを確かめてみよう。

 今回は、CPUがフル稼働するCinebench 2024「CPU (Multi Core)」と、ゲームの「フォートナイト(4K/2160p)」を連続実行し、モニタリングソフトのHWiNFO64 Proを使って動作温度などのステータス情報を取得する。テスト時の室温は約25℃で、Cinebench 2024は「最低実行時間30分」、フォートナイトは「約20分間連続」で実行した。

 計測結果からCPUとGPUの温度をまとめたものが以下のグラフ。CPUとGPUの温度リミットはそれぞれ105℃と84℃であるのに対し、最大温度はCPUが85℃、GPUが75.2℃となっており、いずれも温度リミットまで十分に余裕のある温度だった。つまり、影界の冷却システムはCore Ultra 9 285KとGeForce RTX 4080 SUPERを十分に冷やせていると言える結果だ。

CPU/GPU温度

 推移グラフ化したモニタリングデータでも、CPUとGPUの温度は終始安定した推移をみせており、動作クロックも温度の影響をほとんど受けていない様子が確認できる。

Cinebench 2024「CPU (Multi Core)」実行中のモニタリングデータ
フォートナイト実行中のモニタリングデータ

 モニタリングデータの計測中、ケース本体から約40cm離れた位置に設置した騒音計で計測した騒音値が以下のグラフ。

 計測結果は、アイドル時「36.9dBA」で、Cinebench 2024実行中は「47.0dBA」、フォートナイトプレイ時は「41.1dBA」となった。一般的に不快に感じる騒音値は50dBAと言われることが多く、静かなオフィス内の騒音が
50dBAの例に挙げられることが多い。EK-285K48Sは静粛性に関して特質して優れているというわけではないが、高負荷時でも不快に感じない程度の騒音値に抑えられたモデルとなっている。

騒音値

黒くスタイリッシュなビジュアルにLEDが映えるルックスも性能も兼ね備えたゲーミングPC「影界」

 STORMが黒にこだわって構築した影界。今回テストしたCore Ultra 9 285K搭載の「EK-285K48S」は、クリエイティブな用途や日常的なオフィスワークで優れたパフォーマンスを発揮し、ゲームでもGeForce RTX 4080 SUPER搭載機らしい性能を発揮している。黒を基調としたスタイリッシュなビジュアルに、高い性能も兼ね備えたゲーミングPCだと言えるだろう。

 なお、影界にはIntelのCore Ultraだけでなく、AMDのRyzenを搭載するモデルもラインアップされている。最強のゲーミングCPUと名高いRyzen 7 9800X3Dを選択することもできるので、ゲーム性能に特化したPCを求める場合はRyzen 7 9800X3D搭載モデルもおすすめだ。

 ピラーレスケースを採用し、黒いベースカラーにLEDが映えるビジュアルの良さが気に入ったのであれば、ぜひ自分の用途に適した構成の「影界」を選んでもらいたい。