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取り付けが凄く楽に、水冷クーラー「MSI MAG CORELIQUID I360」はハイエンドCPUも冷やせて高コスパ
ファン取り付け/配線済みでケーブルも少ない「EZ DIY」設計 text by 坂本はじめ
- 提供:
- MSI
2025年7月28日 00:00
MSIの「MAG CORELIQUID Iシリーズ」は、水冷ヘッドにインフィニティーミラーデザインを採用するMSIのオールインワン水冷クーラー。取り付けが簡単になったり、ケーブルを目立たせない工夫が取り入れられたりと、扱いやすさの面でも改良されている。
今回は、同シリーズの360mmラジエーター採用モデル「MAG CORELIQUID I360」をRyzen 9 9950X環境でテスト。MSIが
推進しているユーザーフレンドリーな「EZ DIY」設計の特徴や冷却性能、特徴的なインフィニティーミラーデザインを活かしたイルミネーション機能などをチェックしてみた。
取り付けも簡単になったMAG CORELIQUID Iシリーズ黒/白の2色展開、360mm/240mmモデルをラインアップ
MSIのMAG CORELIQUID I360は、MAG CORELIQUID Iシリーズのラジエーターサイズ360mmモデル。120mmファン3基を標準搭載した大型のオールインワン水冷クーラーだ。対応CPUソケットはAMDのSocket AM5/AM4、およびIntelのLGA1851/1700/1200/115xで、カラーバリエーションは白と黒の2色。実売価格は2万円前後。
MAG CORELIQUID Iシリーズは240mmラジエーター/120mmファン2基のMAG CORELIQUID I240も用意されており、こちらの実売価格1万7千円前後となっている。
ファンはラジエーターに取り付け済みで接続も最小、ケーブルを見えなくするカバーも付属
MAG CORELIQUID I360では、近年MSIが「EZ DIY」をキーワードに推進しているユーザーフレンドリーな設計が取り入れられている。冷却ファンは初めからラジエーターに組み込み済みで、専用のケーブルで配線を集約した状態になっている。
通常、ARGB搭載のファン3基をラジエーターに搭載する際、ファンケーブル3本とRGB制御用のケーブル3本の計6本の配線に加え、12か所のネジ止め作業が必要になる。だが、MAG CORELIQUID I360はファン組み込み済みの状態で販売されているので、この手間が一切かからない。こうした設計は作業を大幅に簡略化するものであり、手軽さは段違い。PCを組み立てる側からすると本当にありがたい仕様だ。
また、ファン3基は専用ケーブルでまとめられており、ARGB用1本とファン用1本の計2本にまとめられている。ARGB用のケーブルはヘッド側のケーブルと連結可能で、PCにはポンプ用電源ケーブル、ARGB用ケーブル、ファン用ケーブルの3本を接続すれば使用可能な構造になっている。
より見た目をスマートにするためのケーブルカバーが付属しており、冷却ファンの側面に取り付けることでケーブルを見えなくできるほか、3基のファンも完全一体型風の外観にできる。使い勝手だけでなく、見た目の面にもこだわった設計が取り入れられている。
実はこんなところも便利、部品は見やすく取り出しやすいトレイに梱包
水冷クーラーは固定具やネジなど細かいパーツが多いジャンルの製品で、通常パーツ類はビニールの小袋などに小分けされた状態で付属している製品が多いが、MAG CORELIQUID I360はこうした部分にも工夫がみられる。付属品はトレイに分かりやすく分類・収納した状態となっており、使用する部品が分かりやすく迷うことも少ない。こうした部分もユーザーフレンドリーを掲げるMSIの「EZ DIY」の思想の一つと言えるだろう。
また、MAG CORELIQUID I360にはユニークな付属品として、LGA1851 OFFSET KITが同梱されている。水冷ヘッドに標準搭載されているブラケットを置き換えるもので、LGA1851対応CPUのホットスポットに対してベース面を最適に設置させることで、冷却性能の向上を図るパーツだ。今回はRyzen環境で試用したため効果の検証は行わなかったが、MSIによればCPU温度を3%低減する効果があるという。
ARGB LEDが映えるインフィニティミラーデザインLEDイルミネーションやファンはマザーボード側で制御可能
MAG CORELIQUID I360の水冷ヘッドは、トップとサイドの2面にインフィニティーミラーデザインを採用しており、内蔵したARGB LEDのイルミネーションが良く映えるビジュアルに仕上がっている。
また、ラジエーターに組み込まれている3基の冷却ファンもARGB LEDを内蔵しており、軸部分のLEDの光を半透明のファンブレードが拡散することで、美しいイルミネーションを実現している。
MAG CORELIQUID I360は、LEDの制御を3ピンARGBコネクタ、ファンやポンプの制御を4ピンファンコネクタで行うシンプルな構造を採用しており、基本的にはマザーボードに接続して制御を行うことになる。
接続先がMSI製のマザーボードであれば、LEDやファンの制御はユーティリティーツールの「MSI Center」に統合されており、Windows上で各種設定を行うことが可能だ。
ハイエンドCPUのRyzen 9 9950Xもしっかり冷える夏場も安心して使えるMAG CORELIQUID I360の冷却性能
ここからは、MSIのX870Eマザーボード「MAG X870E TOMAHAWK WIFI」にRyzen 9 9950Xを搭載したテスト環境を使用して、MAG CORELIQUID I360の冷却性能をテストする。
今回のテストでは、最大で200Wの電力消費を許容するRyzen 9 9950Xに対し、MAG CORELIQUID I360のファンとポンプを最大限に稼働させる「ファン設定 PWM制御=100%」と、MSI Centerでファンとポンプの速度を50%に設定した「ファン設定 PWM制御=50%」で冷却を行ってみた。
テスト時の室温は約26℃で、負荷テストにはCinebench 2024の「CPU (Multi Core)」を使用する。その他の条件などは以下の表の通り。

今回のテストにおいてMAG CORELIQUID I360は、Cinebench実行中のRyzen 9 9950Xを「ファン設定 PWM制御=100%」で平均77.7℃(最大79.4℃)、「ファン設定 PWM制御=50%」でも平均83.3℃(最大85.6℃)という、温度リミット(TjMax)の95℃より大幅に低い温度に保つことが可能だった。
冷却ファンとポンプが高速で動作する「ファン設定 PWM制御=100%」の冷却性能は素晴らしいものだが、冷却ファンが平均1,406rpm、ポンプが平均2,256rpmでかなり静粛性の高い動作となる「ファン設定 PWM制御=50%」も200Wの電力を消費するRyzen 9 9950Xをしっかり冷やせているのは好印象だ。



使いやすくよく冷える、インフィニティーミラーデザインが魅力の水冷クーラー
水冷ヘッドのインフィニティーミラーデザインが特徴的なMAG CORELIQUID I360は、デスクトップ向けのハイエンドCPUを余裕で冷やせる高い冷却性能を備えつつ、ファン組み込み済みで配線の手間を省略した使いやすいオールインワン水冷クーラーだ。
自作PC初心者にも勧めやすい洗練された水冷クーラーであり、なおかつ実売価格も税込みで2万円前後。インフィニティーミラーデザインに魅力を感じるのであれば、高い満足度を得ることができる選択肢となるはずだ。