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PCパーツメーカーが作るビジネス用PCはなかなか高レベル、MSI PRO DP80 A14G-065JPを試してみた
12万円弱でCore i5-14400 & Windows 11 Pro搭載 text by 坂本はじめ
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- MSI
2025年12月15日 00:00
MSIの「PRO DP80 A14G-065JP」は、縦置き/横置き両対応のスリム筐体が特徴的なビジネス用デスクトップPC。Windows 11 ProとIntelの10コアCPU「Core i5-14400」を搭載したオーソドックスなPCであり、Windows 10搭載PCからの移行にも好適な製品だ。
ゲーミング分野で存在感を発揮し、多数のPCパーツを手掛けるMSI。ビジネス用のモデルにも技術やノウハウは活かされているのか、使い勝手やパフォーマンスを確かめてみた。
スリム型のMSI製ビジネス用デスクトップPC縦置き/横置き両対応で場所を選ばず設置可能
MSI PRO DP80 A14G-065JPは、Windows 11 Proをプリインストールしたビジネス用デスクトップPCだ。スリムで省スペースな筐体にCore i5-14400や16GBのDDR5メモリ、512GBのM.2型NVMe SSDなどを搭載するほか、Copilotキー搭載キーボードと有線マウスを同梱。安値店では119,800円前後で販売されている。

筐体のサイズは95×296×300mmで、黒を基調としたカラーリングでスマートな印象。縦置きと横置きの両方に対応しており、接地面には滑り止めとして機能するゴムブッシュが各4個ずつ配置されている。これによりスタンド無しで縦置き横置き問わず安定して設置可能で、なかなか扱いやすい。
省スペースかつ機能的な筐体デザインは、オフィスだけでなく一般的な家庭での使用にも馴染む高い親和性を備えている。2025年には国際的な工業製品のデザイン賞である「レッドドット・デザイン賞」を受賞するなど、海外で高い評価も獲得している。また、環境にも配慮したモデルで、筐体には再生プラスチックが使用されている。
フロントパネルインターフェイスは、縦置き横置き問わず使いやすいように配置されており、ユーザーフレンドリーなデザイン。USB 3.2 Gen 2(USB Type-C)×1、USB 3.2 Gen 1(Type-A)×2、マイク入力×1、音声出力×1、SD/microSD対応のカードリーダーが搭載されている
ネットワーク機能は2.5GbEと1GbEによる2系統の有線LANポートを備え、Wi-Fi 6E対応の無線LANも備えている。ディスプレイ出力はHDMI 2.1とDisplayPort 1.4に加え、D-subも搭載。キーボード/マウス用のPS/2ポートやシリアルポートをそれぞれ1系統備える点も特徴だ。こうした旧規格のポートもサポートするのは業務用途を意識した構成といえるだろう。
このほかバックパネル側には、USB 3.2 Gen 1(Type-A)×1、USB 2.0×4、各種音声入出力などが搭載されている。
先に紹介した通り、PRO DP80 A14G-065JPにはUSB接続のキーボードとマウスが同梱されている。マウスに関してはホイール付きのオーソドックスな光学式マウスだが、キーボードはMicrosoftのAIアシスタント「Copilot」を起動できるCopilotキーを備えたものになっている。
MSIと聞くと、自作PC向けのパーツをはじめ、ゲーミングノートやゲーミングモニターといったコンシューマー向けの製品を手掛けるメーカーというイメージが強いかもしれないが、BtoB向けにも製品を供給しており、日本国内でも企業や教育機関への納入実績が多数存在する。
比較的低コストなPCでありながら、新旧様々なインターフェイスや機能を備えるPRO DP80 A14G-065JPの設計は、多様なビジネスシーンを知るMSIの開発経験が反映されたもの。信頼性や実績を重視する法人の期待にも応えられる製品だ。
オフィスワークには十分すぎる性能を発揮、ベンチマークで性能を確認
スリムかつ省スペースでビジネス用途に適した機能を備えるPRO DP80 A14G-065JP。ここからは、ベンチマークソフトを使ってその性能を計測してみよう。
今回実施したベンチマークテストは「Cinebench 2024」、「UL Procyon:Office Productivity Benchmark」、「UL Procyon:Photo Editing Benchmark」の3つ。テストはいずれも室温約25℃の環境下で実行した。



PRO DP80 A14G-065JPが搭載するCore i5-14400は、第14世代Core(Raptor Lake-S Refresh)の10コアCPUで、6基のPコア(パフォーマンスコア)と4基のEコア(高効率コア)のほか、内蔵GPUコアの「UHD Graphics 730」を備えており、PCで実行される処理の全般を担っている。
CPU性能を計測するCinebench 2024では、Multi Coreで「766」、Single Coreでは「103」を記録。10万円台前半のPCとしては充実したスコアであり、特にSingle Coreのスコアが100を超えている点は評価できる。これなら、軽負荷の多いオフィスワークを軽快に処理できるはずだ。
実際、Microsoft Officeのパフォーマンスを計測するUL ProcyonのOffice Productivity Benchmarkでは総合スコアで「6,181」を記録しており、オフィススイートを快適に動かせる処理性能を示している。
AdobeのPhotoshopやLightroom Classicを用いた写真編集でのパフォーマンスを計測するUL ProcyonのPhoto Editing Benchmarkでは総合スコアで「4,483」を記録。ビデオカードは搭載していないので、クリエイター用途に適したパフォーマンスとまではいかないが、ちょっとした写真編集をこなせるレベルの性能はある。
想像よりも静粛性にも優れていたMSIのビジネス用PCアイドル時14.4W、高負荷時でも170Wは超えない省エネモデル
先に紹介したベンチマークテスト実行中、PRO DP80 A14G-065JPが消費した電力をラトックシステムのワットチェッカー「RS-BTWATTCH2」で計測した結果が以下のグラフ。

PCで何も実行していないアイドル時の消費電力は14.4Wを記録。ベンチマーク実行中の平均消費電力は、Cinebench 2024(Multi Core)が約103.0W、Office Productivity Benchmarkが約45.2W、Photo Editing Benchmarkは約58.1Wだった。
総じて消費電力は低く抑えられており、特にアイドル時や比較的軽負荷なOffice Productivity Benchmarkの消費電力はかなり低い。オフィスワークで利用する分にはかなり省エネ性能に優れていると言えるだろう。
以下はCPUが全開動作となるCinebench 2024のMulti Coreテスト時のモニタリングデータ。CPU温度やファンスピードなどをHWiNFO64 Proで計測して動作時の様子を数値で確認してみた。
Core i5-14400のCPU温度は平均77.3℃(最大88℃)となっており、上限温度の100℃を下回る温度を維持している。この時のCPU消費電力は平均66.8W(最大111.5W)だった。ベンチマーク実行中のCPUは、定格設定の電力リミット(PL1=65W、PL2=115W、Tau=48秒)によって制御されており、これに合わせて動作クロックなどはコントロールされている。データを見る限り冷却不足によって性能が落ちる場面はなく、設定値通りのCPU性能が引き出されていることがわかる。
騒音源となるファンの速度は、CPUが最大ブーストで動作していたテスト開始1分弱の時点で最大の3,053rpmに達し、その後は2,500rpm弱程度の速度で動作していた。さすがにCPUを全開動作させている時はそれなりの動作音が発生しているが、アイドル時や低負荷時のファン速度は1,000rpm台に抑えられており、特にアイドル時は無音と言えるレベルの静粛性を実現していた。構造的には内部の音が漏れやすいモデルだが、普段使いであれば動作音が静かなPCとして運用できそうだ。
12万円弱で買えるバランスの良いビジネス用デスクトップPC
MSIのPRO DP80 A14G-065JPは、12万円弱という低コストかつバランスの良いビジネス用デスクトップPCだ。縦置き/横置き両対応の筐体は設置スペースが限られるビジネスシーンに適しており、静粛性や消費電力の面でも魅力のあるモデルに仕上がっていると感じた。
オフィス用PCの新調や更新を検討している法人や、個人事業主に好適なことはもちろん、Windows 10のサポート終了を機にWindows 11搭載PCの新規購入を検討している一般ユーザーにとっても、PRO DP80 A14G-065JPは手堅く信頼できる選択肢となるだろう。





















