トピック

24時間高負荷もOK!熱で性能が落ちないサイコムのデュアル水冷ワークステーション「Lepton Hydro Extreme WSX870A」

GeForce RTX 5090 + Ryzen 9 9950X3D搭載のハイエンドモデル text by 坂本はじめ

サイコムのハイエンドワークステーション「Lepton Hydro Extreme WSX870A」

 サイコムのLepton Hydro Extreme WSX870Aは、最高峰GPUのGeForce RTX 5090と大容量キャッシュ搭載16コアCPUのRyzen 9 9950X3Dを搭載したハイエンドワークステーション。

 ハードウェアが備えるパフォーマンスを極限まで引き出すべく、独自のデュアル水冷システムを導入。熱による性能低下が起きないことをコンセプトに作られており、長時間の運用でも安定した動作を実現するという。

 今回は各種ベンチマークテストでの性能計測に加え、CPUとGPUを24時間連続でフル稼働させ続ける耐久テストを敢行。その安定性と信頼性を確かめてみた。

性能の極限を追求するサイコムのハイエンドワークステーションCPU/GPUともに水冷で性能低下無しがコンセプト

 サイコムのLepton Hydro Extreme WSX870Aは、GeForce RTX 5090とRyzen 9 9950X3Dにサイコム独自のデュアル水冷システムを組み合わせたハイエンドワークステーション。筐体にはFractal DesignのDefine 7を採用している。

サイコム Lepton Hydro Extreme WSX870A。筐体にはソリッドパネル仕様のFractal Design Define 7を採用している
背面側。マザーボードやビデオカードのインターフェイスにアクセス可能で、底部には電源ユニットが配置されている
天板。通気口が設けられており、CPU用水冷クーラーの排気口として機能している
天板前面には、電源スイッチやUSBポートが配置されている

 標準構成のCPUには、3D V-Cacheを備える16コア/32スレッドCPU「Ryzen 9 9950X3D」を搭載。64GBのメインメモリや2TBのPCIe 5.0 SSD(Crucial T700)など、標準構成の時点で超ハイエンド級と呼ぶに相応しいパーツ構成を採用しており、販売価格は1,121,050円に設定されている。

 なお、サイコムでは2026年1月19日までの期間限定で、同社のデュアル水冷PCであるG-Master HydroおよびLepton Hydroを対象とした一律40,000円引きキャンペーンを実施している。Lepton Hydro Extreme WSX870Aも対象に含まれているので、期間中であれば割引価格で購入できる。

 Lepton Hydro Extreme WSX870A最大の特徴であるデュアル水冷システムでは、CPUとGPUそれぞれに独立したオールインワン水冷ユニットを搭載。いずれも360mmサイズの大型ラジエーターとNoctua製の冷却ファンを採用している。

 GPUのGeForce RTX 5090に関しては、ドイツの冷却メーカー「Lynk+」との協業によってフル水冷化を実現。GPUを含むビデオカード上のコンポーネントすべてを水冷ユニットによって冷却するオリジナルカード「Hydro LC Graphics Plus GeForce RTX5090 32GB」として実装した。

GeForce RTX 5090をサイコムが独自に水冷化した「Hydro LC Graphics Plus GeForce RTX5090 32GB」。冷却ファンにはNoctuaの「NF-A12x25 G2 PWM」を採用
CPU用の360mm水冷クーラー。ASETEKの360mm水冷ユニット「636S-M2」にNoctuaの冷却ファン「NF-F12 PWM」を搭載している
サイコム独自の水冷ビデオカード「Hydro LC Graphics Plus GeForce RTX5090 32GB」は、ビデオカード上のコンポーネント全てを360mmラジエーターで冷却するフル水冷仕様

 各水冷ユニットのラジエーターは、CPU用が天板、GPU用は前面に配置されており、それぞれ排気方向と吸気方向のエアフローを作り出している。

 標準構成で採用している筐体はソリッドパネルを採用しているため内装を外部から確認することはできないが、内部は妥協なくスマートな配線で組み上げられていた。購入時のカスタマイズでガラスパネル搭載版Define 7を選択することもできるので、壮観なデュアル水冷システムを目でも楽しみたいのであれば検討してみると良いだろう。

Lepton Hydro Extreme WSX870Aの内装。天板と前面に360mmラジエーターが配置されている
Lepton Hydro Extreme WSX870Aのエアフロー。底面と前面から吸気し、天板と背面から排気する仕様だ
背面は配線スペースとなっている。よく整理されたスマートなケーブリングだ
サイコム独自の水冷ビデオカード「Hydro LC Graphics Plus GeForce RTX5090 32GB」。ラジエーターはケース前面から吸気方向に設置されている
Ryzen 9 9950X3Dの冷却を担当する360mmオールインワン水冷クーラー。ラジエーターはケース天板に排気方向で設置されている

FurMarkとCinebench同時実行で24時間耐久テスト超高負荷状態が長時間続いても性能が落ちない!静粛性も考慮

 独自のデュアル水冷システムの冷却性能により、GeForce RTX 5090とRyzen 9 9950X3Dの性能を長時間安定して引き出せるというLepton Hydro Extreme WSX870A。その実態を確かめるべく、GPUとCPUに最大級の負荷が生じるテストを24時間連続で実行してみることにした。

 実行したテストは、GPU負荷テストの「FurMark 2」とCPUベンチマークソフトの「Cinebench 2024(Multi Core)」。テスト時の室温は平均23.5℃で、テスト中に21.9~24.9℃の範囲で変動している。

24時間耐久テスト実行中のモニタリングデータ

 テストの結果、Lepton Hydro Extreme WSX870Aは何ら問題なく24時間耐久テストを完走してみせた。

 テスト実行中の動作温度はCPUが平均89.5℃(最大91.9℃)、GPUは平均62.2℃(最大64.3℃)を記録。平均消費電力はCPUが198.0W、GPUは574.5Wであり、それぞれの電力リミットである200Wと575Wをほぼ使い切っていることと、終始一貫している動作クロックから、サーマルスロットリングによる制限をほとんど受けることなく耐久テストをクリアしたことが分かる。

 システム消費電力が平均937.6W(最大962.1W)と1,000Wに迫る大電力&高発熱なシステムでありながら、24時間連続でCPUとGPUの性能を安定して引き出せたという結果は、デュアル水冷システムの優れた冷却性能を証明している。

 サイコムによると、「本モデルはGPUの冷却を最優先とした構成とのこと」。GPUにかかる負荷が高い昨今の用途を考慮すると、発熱によってGPU性能が落ちないことを重視した場合、CPU・GPUのラジエーター位置は理にかなった構成といえるだろう。

騒音値の測定結果

 また、PC本体から約40cm離れた位置に設置した騒音計でLepton Hydro Extreme WSX870Aの騒音値を計測した結果が上のグラフだ。

 アイドル時は動作音がほとんど気にならないレベルの静粛性を実現しており、実際に電源オフ時の暗騒音とアイドル時の騒音値は、騒音計の計測下限である30dBAで横並びとなっている。

 負荷テスト実行時の騒音は、Cinebench 2024単体が38.2dBA、FurMark 2単体が37.8dBA、24時間耐久テスト実行時(Cinebench + FurMark 2)が44.6dBAを記録。24時間テスト実行中にはそれなりの騒音が生じるが、1,000Wに迫る大電力を消費するシステムを安定稼働させながら50dBAを大きく下回っているのは立派な結果だ。CPUとGPUのいずれかに高負荷をかけた程度では40dBAすら下回っており、一般的なPC用途ではかなり静かに運用することが可能だ。

ベンチマークテストでLepton Hydro Extreme WSX870Aの性能を計測GeForce RTX 5090とRyzen 9 9950X3Dの強力なパフォーマンス

 GPUとCPUの性能を電力リミットいっぱいまで引き出しても安定したパフォーマンスを維持できるLepton Hydro Extreme WSX870A。では、そのパフォーマンス自体はどれほどのものなのか、ベンチマークテストで計測した結果を紹介しよう。

Cinebench 2024
Blender Benchmark

 Cinebench 2024ではCPUであるRyzen 9 9950X3Dの3DCGレンダリング性能を計測。Multi Core=2,275、Single Core=134というスコアは、いずれも現行のデスクトップ向けCPUとしてトップクラスの性能であり、CPU性能を最大限に引き出せていることがうかがえる。

 一方、同じく3DCG系ベンチマークソフトのBlender BenchmarkではCPUとGPUの性能を計測。GeForce RTX 5090はRyzen 9 9950X3Dの20倍以上という圧倒的なレンダリング速度を記録している。デュアル水冷システムの冷却性能によって、この性能を長時間のレンダリングでも維持できるのがLepton Hydro Extreme WSX870Aの強みだ。

Photo Editing Benchmark│UL Procyon
RAW現像│Adobe Camera Raw
AIノイズ除去│Adobe Camera Raw

 Adobeの画像処理ソフト(Photoshop、Lightroom Classic)の性能を計測するUL Procyonの「Photo Editing Benchmark」では総合スコアで「10,843」を記録。10,000を超えるスコアはかなり優秀と言えるもので、サブスコアのレタッチで記録した「13,567」は最速級のパフォーマンスだ。

 また、Adobe Camera Rawを使用したRAW現像テストではCPU処理で分速152.2枚、GPUを処理に加えると分速432.6枚という圧倒的な処理枚数を記録。GPU性能が問われるAIノイズ除去についても、分速30.57枚という驚異的な速度を記録してみせた。

AI Image Generation Benchmark│UL Procyon
AI Text Generation Benchmark│UL Procyon

 画像生成AIモデル「Stable Diffusion」を使用するUL ProcyonのAI Image Generation Benchmarkで画像1枚あたりの処理時間を計測した結果、512ピクセル四方の画像生成ではfp16で0.737秒、w8a16では0.368秒を記録。1,024ピクセル四方の画像生成でも5.381秒を記録するなど、圧倒的な画像生成速度を発揮した。

 テキスト生成AIをテストするAI Text Generation Benchmarkでも、すべての言語モデルで6,000を超えるスコアを記録しており、こちらも下位のGeForce RTX 5080を大きく超えるパフォーマンスだ。24時間耐久テストでも一貫したパフォーマンスを発揮したLepton Hydro Extreme WSX870Aなら、生成AIの利用でも発熱による性能低下を心配する必要はないだろう。

熱で性能が落ちない、最高性能が持続するサイコムのデュアル水冷ワークステーション

 独自のデュアル水冷システムを採用したサイコムのLepton Hydro Extreme WSX870Aは、GeForce RTX 5090とRyzen 9 9950X3Dをフル稼働し続けても、安定した性能を維持し続けられた。これぞまさにハイエンドワークステーションだ。

 標準構成で100万円を超える価格は一般的なPCとは一線を画するものだが、そのパフォーマンスも同様に一線を画している。Lepton Hydro Extreme WSX870Aは最高のパフォーマンスを求めるユーザーのための一台だ。

 なお、前述したとおりサイコムでは2026年1月19日(月)まで「サイコム 冬の特大キャンペーン2025」を開催中だ。

 シリーズ別に特別な割引きが設定されており、CPU/GPUデュアル水冷のG-Master Hydro・Lepton Hydroシリーズは40,000円引き、Silent Masterシリーズは30,000円引き、G-Masterシリーズは20,000円引きとなっている。また、サイコム指定モデルのGeForce RTX 5070/5070 Ti/5080・Radeon RX 9070/9070 XT搭載PCは10,000円引き、GeForce RTX 5060 Ti・Radeon RX 9060 XT搭載PCは5,000円引きになるなど、条件を満たすモデルの割引きも行われている。

 このほかにも、PremiumLineシリーズはキャンペーン期間中に購入することで保証期間が3年へ延長されるほか、送料無料やSMBCショッピングローンの36回払いまで金利無料、下取りキャンペーンなどが行われているので、PCの購入を検討しているユーザーはぜひ活用してもらいたい。