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MSIのLIGHTNINGシリーズが究極仕様で復活。全世界限定1300本の超レア品!MSI「GeForce RTX 5090 32G LIGHTNING Z」を試す
超強力水冷クーラー&8インチ液晶パネル搭載の超スペシャルモデル text by “KTU”加藤 勝明
- 提供:
- MSI
2026年2月20日 00:00
MSI製ビデオカードの中で究極の性能を目指した製品のみが冠することを許されるのが「LIGHTNING」シリーズである。MSIのビデオカードに対するこだわりを詰め込んだこのシリーズは2009年に登場したGeForce GTX 260(当時の記事)の昔まで遡ることができる。このシリーズはGeForceの世代交代のたびに投入されていたが、2019年のGeForce RTX 2080 Ti搭載モデル(当時の記事)を最後にこの伝統は一度途切れてしまった。だが2026年、GeForce RTX 50シリーズで復活することとなったのだ。
本稿で紹介する「GeForce RTX 5090 32G LIGHTNING Z」は、このLIGHTNINGシリーズの復活を告げるモデルである(以降RTX 5090 LIGHTNING Zと略)。これまでのLIGHTNINGシリーズは代々空冷クーラーを採用してきたが、RTX 5090 LIGHTNING Zは水冷システムを採用。専用のウォーターブロックとラジエーターを組み合わせた究極の1枚である。
圧倒的冷却力のカードがスペシャルかつ魅力的なパッケージで登場
RTX 5090 LIGHTNING Zは水冷化で得た冷却力のすべてをクロック向上のために捧げている。NVIDIAの「GeForce RTX 5090 Founders Edition」ではブーストクロックが2,410MHz、TGP(Total Graphics Power)は600Wだが、RTX 5090 LIGHTNING Zではブーストクロックが2,730MHz、TGPは800W。このハイパワー設定をデフォルトで運用可能にしている。
ちなみに、同社は水冷仕様のRTX 5090として「GeForce RTX 5090 32G SUPRIM LIQUID SOC」を発売しているが、ブーストクロック2,580MHz、TGP 600Wという仕様である。いかにRTX 5090 LIGHTNING Zが“飛び抜けた”設定を攻めているかが分かる。
これだけの要素を詰め込んだだけあってRTX 5090 LIGHTNING Zの販売価格は税込みで約95万円。さらに全世界で1,300本という希少な限定品であるため、誰にでもお勧めできる製品でもなければ、早々に新品での入手も難しくなる製品でもあろう。ゆえに本稿は購入を検討するユーザーのためのレビューであるとともに、復活したLIGHTNINGシリーズの「記録」としてもとらえていただきたい。
8インチ液晶も備えたカード本体
LIGHTNING Zは本製品のために開発された専用のポンプとウォーターブロックが一体となったカード部分と、120mmファン×3が固定済みのラジエーターがホースで連結されている。これらは完全に一体化されており、メンテナンスフリーを実現している。
LIGHTNING Zを手にしてまず驚くのはカード部分の異様な重さだ。MSIによれば全体で4.09kg。ラジエーターの部分を除外しても3kg以上はありそうだ(手持ちのキッチンスケールでは重量オーバーで計れなかった)。ウォーターブロックはRTX 5090のみならず電源回路やVRAMも冷やす全銅製フルカバープレートが採用されているので当然と言える。
RTX 5090 LIGHTNING Zのカード本体には8インチの液晶が内蔵されている。GPU温度などを表示するための小さな液晶を搭載したビデオカードはこれまでにも存在するが、RTX 5090 LIGHTNING Zの液晶はカスタマイズ性が高いという点で一線を画している。
この8インチ液晶は背面のUSB Type-Cとマザーを接続し、専用のUSBディスプレイドライバーを導入することで初めて利用可能になる。動作中はここにGPU温度やクロックなどの情報を表示させるほか、指定した動画ファイルを再生する、あるいは拡張デスクトップの一部として利用することも可能だ。近年PCケースの中に入れる小型液晶パネルが出回っているがRTX 5090 LIGHTNING Zはカードの表面にこれに近いものを組み込んであるのだ。
ただこの8インチ液晶はRTX 5090 LIGHTNING Zをスロットに装着すると下向きになって見えなくなる。そこでRTX 5090 LIGHTNING Zには垂直設置用のライザーも付属している。しかし、PCI Express Gen5世代のGPUはライザーケーブルの質や接続でトラブルが起きやすいという事実もある。筆者としてはライザーで利用することを積極的には推奨しにくいところではある。ただ、RTX 5090 LIGHTNING Zの重量がx16スロットにずっと荷重をかけ続けるよりも、ライザーで垂直設置とすることで物理的負荷軽減を優先したくなる気持ちや、せっかくの8インチ液晶を見せたいという気持ちも分かる。ゆえにライザーの使用に関してはメリット・デメリットがあることを考慮した上で導入したい。
RTX 5090 LIGHTNING Zには2種類のvBIOSが搭載されている。標準のOCモードはTGP 800W設定だが、EXTREMEモードではTGPは1,000Wにまで引き上げられる。ただEXTREMEモードを選択してもGPUやメモリのクロックはOCモードと同じであるため、手動でオーバークロックをしない限りEXTREMEモードで性能向上はほぼ期待できない。「3DMark」などで軽く試した限りは、OCとEXTREMEモードの間には誤差程度の差しか出なかった。RTX 5090 LIGHTNING Zの性能を限界まで引き出したいなら、クロックと電圧の調整に全精力を傾けたいところだ。
RTX 5090 LIGHTNING ZのTGPは800Wがデフォルトであるため、補助電源は12V-2x6ケーブル2本を必要とする。電源ユニットもそれなりのものを確保する必要があるが、95万円のビデオカードを使おうという人ならそれなりの電源ユニットをすでに確保しているはずだ。一応LIGHTNING Zには8ピン4系統を12V-2x6に変換するケーブルが「1本だけ」同梱されているが、これは12V-2x6ケーブルが1系統しかない電源ユニットでどうにか起動確認をするだけの「保険」と考えたい。
ちなみに、動作中に2つのコネクターに流れる電力はほぼ均等。つまりデフォルトのOCモードではコネクター1つあたりに最大400W程度流れる計算になる。単一コネクターで最大600Wを流すRTX 5090やRTX PRO 6000 Blackwell Editionカードに比べると、コネクター1つあたりの負担を減らすRTX 5090 LIGHTNING Zのほうが安心である……と言えるかもしれない(?)。
いよいよベンチマークテスト! 検証環境は?
それではお待ちかねの検証に入ろう。まずは今回の検証環境をご紹介。検証時間の都合から、今回はRTX 5090 Founders Editionとの対決にとどめる。
LIGHTNING Zと一緒にMSIよりセットでお借りしたマザーボード「MEG Z890 GODLIKE」に合わせ、CPUはCore Ultra 9 285Kをチョイスした。ゲームにおけるパワーには若干の不安を抱えているCPUであるため、DDR5-8000モジュールを用意し「Intel 200S Boost」を有効化した上でテストしている。RTX 5090 LIGHTNING Zに同梱のライザーは使用せず、基本的にPCI Express x16スロットに直接接続して検証した。
GPUドライバーは検証時点では最新のGameReady 591.86を使用。Resizable BARやSecure Boot、メモリ整合性やカーネルモードハードウェア強制スタック保護、HDRなどは一通り有効化、ディスプレイのリフレッシュレートは144Hzに設定した。また、NVIDIA App経由でDLSS SR(超解像)の学習モデルは第2世代トランスフォーマーである「プリセットM」にオーバーライドしている。
| CPU | Intel Core Ultra 9 285K (24コア/24スレッド、Intel 200S Boost有効) |
| マザーボード | MSI MEG Z890 GODLIKE(Intel Z890、BIOS 7E21v1A50) |
| メモリ | DDR5-8000 32GB(PC5-64000 DDR5 SDRAM16GB×2) |
| ビデオカード | MSI GeForce RTX 5090 32G LIGHTNING Z、 NVIDIA GeForce RTX 5090 Founders Edition |
| ストレージ | M.2 NVMe SSD 2TB(PCI Express 5.0 x4) |
| CPUクーラー | 簡易水冷クーラー(36cmクラス) |
| 電源ユニット | MSI MPG Ai1300TS PCIE5(1,300W、80PLUS TITANIUM) |
| OS | Windows 11 Pro(25H2) |
EXTREMEモード+OC設定でも検証する
さてこれより実際の検証となるが、その前にRTX 5090 LIGHTNING Zの設定について説明しておきたい。
予備テストを行ったところ、RTX 5090 LIGHTNING ZのデフォルトとEXTREMEモードにあまりに差がなかったため、今回EXTREMEモード使用時はGPU+150MHz、メモリ+450MHzという設定を追加した。さらにEXTREMEモード+OC設定時は温度上昇に備えファンの回転数設定も引き上げている。ただ、設定が詰め切れていなかったようで、一部のテストについてはEXTREMEモード+OC設定で完走しないものもあった。時間的猶予がないため少々中途半端なオーバークロックになった点はご容赦いただきたい。
また、以降のデータは「RTX 5090 LIGHTNING Z」と記載した場合はデフォルト設定、「RTX 5090 LIGHTNING Z (OC)」とした場合はEXTREMEモード+OC設定であることを示している。
RTX 5090 FEを余裕で超越する性能が早速見える3DMark
最初のテストは定番「3DMark」だ。ラスタライズ系のテストとレイトレーシング系テストでグラフを分割している。


負荷の高いテストになるほどスコアが伸びるという傾向が見て取れる。負荷軽めテストであるFire StrikeとSteel Nomad Lightでは、RTX 5090 LIGHTNING Zのデフォルト設定時だとRTX 5090 FEに対しせいぜい2%しか差を付けていない一方、それ以外の負荷の重いテストでは8〜16%伸ばしている。95万円出してFounders Editionに対しようやく16%のアドバンテージ、というネガティブなとらえ方もできるが、最終判断はこの後検証するGPU温度を見てからにしていただきたい。
そしてEXTREMEモード+OC設定(グラフ中ではRTX 5090 LIGHTNING Z (OC)と表記)では差はさらに拡大傾向にあるが、ここでもSteel Nomad Lightのスコアは微差に終わった。
ここで消費電力も計測しておこう。電力測定にはHWBusters「Powenetics v2」を電源ユニットとマザー&ビデオカードの中間に装着し、各電源ケーブルを流れる電力を直接計測している。Powenetics v2は専用ライザーを利用してPCI Express x16スロットを流れる電力も計測することもできるのだが、PCI Express Gen 5世代のGPUだとPCI Expressのエラーカウントが積み上がりやすい事、ライザーカード自体がスロットを傷めやすいことから、PCI Express x16スロットの電力は除外している。
ただ、事前検証によってRTX 5090 LIGHTNING Zは高負荷時にPCI Express x16スロットから16W程度、RTX 5090 FEは8W程度の電力を消費することが判明した。この程度の値なら消費電力への影響はないと判断している。


RTX 5090の時点でビデオカードとしてはとてつもない消費電力だと話題になったが、RTX 5090 LIGHTNING Zの消費電力はそれを軽く超えてきた。デフォルト設定でも高負荷時の平均値はシステム全体で900W、カード単体でも780Wを超える。99パーセンタイル点と平均値に大きな差がないことから、テスト中の消費電力はかなり安定していることを示唆している(この点は後ほど検証しよう)。
そしてEXTREMEモード+OC設定はデフォルト設定時よりも消費電力が増えたが、GPUコア+150MHz&VRAM+450MHz程度ではそこまで大きくは増えなかった。ただこれはオーバークロック設定を攻められなかったことにも起因するため、もっとクロックや電圧を盛ればカード単体で平均800W超えも十分可能だろう。
クリエイティブ系処理で検証する
ゲーム検証に入る前に、クリエイティブ系やAIでのパフォーマンスを検証しておこう。最初に「Blender Benchmark」を使用する。Blenderのバージョンは「4.5.0」を指定した。

このテストでは3DMarkよりもさらに伸びが鈍い。RTX 5090 LIGHTNING Zのデフォルト設定時ではRTX 5090 FEに対し2〜5%、EXTREMEモード+OC設定で6〜9%の伸びに終わっている。
続いては「UL Procyon」を利用したテストだ。まずはStable Diffusion XL(SDXL)で画像生成をした際のパフォーマンスを計測する「AI Image Generation Benchmark」を使用する。1,024×1,024ドットのイメージ1枚生成するのにかかった時間を比較した。

イメージ1枚あたりの生成時間であるため、グラフのバーが短いほど高速。今回の検証ではRTX 5090 LIGHTNING ZはRTX 5090 FEに1秒前後短縮することに成功している。RTX 5090 LIGHTNING Zのデフォルト設定とEXTREMEモード+OC設定を比較すると大した短縮にはなっていないが、一応効果があることは示された。
続いてUL Procyonに搭載されている「AI Text Generation Benchmark」も試してみよう。4種類の学習モデル(Phi-3.5-mini-instruct/ Mistral-7B/ Llama-3.1-8B/ Llama-2-13B)における最初のトークンまでの待ち時間、およびトークンの出力スピードの2つを比較した。


まずRTX 5090 LIGHTNING Zのデフォルト設定時では、RTX 5090 FEとほとんど差がない。トークンの出力スピードではRTX 5090 FEに対し1〜2%増と、ほぼ誤差程度の差にとどまっている。ただEXTREMEモード+OC設定では3〜6%に拡大。特に学習モデルの軽量なPhi-3.5-mini-instructでの差が際立って大きかった。
UL ProcyonではLLMの学習モデルが小さすぎという懸念もあったので、「LM Studio」を利用して「oss-gpt-20B」を利用した際のパフォーマンスも比較してみよう。以下のようなお題を出したときのパフォーマンスを計測した。学習モデルの選択時に設定できるGPU Offloadおよびコンテクスト長は最大(いずれもGPU負荷&VRAM使用量増)に設定し、シードは固定している。
東京都世田谷区における「学生・20代単身者」をターゲットとしたコンビニの立地優位性を分析してください。回答に際しては次のような段階的思考を踏んでください。
Thought: 世田谷区内の大学キャンパス(駒澤、日大、国士舘など)の位置を確認する必要がある。
Action: [Google Maps] で大学名と周辺のコンビニを検索。
Observation: 検索結果から、通学路に集中しているか、住宅街の深部にあるかを確認。
Thought: 次に、深夜営業の需要を測るため、対象エリアの単身世帯比率を確認する。
期待する出力: 思考を飛ばさず、一歩ずつ情報の裏付けを取りながら結論を導いてください。


UL ProcyonのAI Text Generation Benchmarkと大きく傾向が変わるものではなかった。RTX 5090 LIGHTNING Zのデフォルト設定ではRTX 5090 FEに対しトークンの出力スピードで3%優位に、EXTREMEモード+OC設定では6%優位にとどまる。
実ゲームでの性能をチェック
ここからは7本のゲームにおけるフレームレートを比較する。フレームレート計測にあたって以下のような基本ルールを設けた。これはすべてのゲームに適用される。
- 画質:最高もしくはそれに準ずる設定
- 解像度:1,920×1,080/ 2,560×1,440/ 3,840×2,160ドットの3通り
- アップスケーラー:DLSSクオリティ(DLSS Qと表記)、4KのみDLAAでもテスト
- フレーム生成:DLSS FG対応ゲームのみ使用。その際はDLSS MFG 4x設定を使用
- フレームレート計測:「CapFrameX」を使用
- その他:フレームレート計算は「msBetweenDisplayChange」基準とする
ARC Raiders
ARC Raidersは画質「シネマティック」、レイトレーシングを使ったGlobal Illumination(RTGI)は「ダイナミック:エピック」に設定。練習場において一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。




フレームレートの出方はRTX 5090 LIGHTNING ZのEXTREMEモード+OC設定が最も高く、続いてRTX 5090 LIGHTNING Zのデフォルト設定、最後がRTX 5090 FEという順番になった。クロック設定を考えればごく当然の結果と言える。フレーム生成を使わない状態でもRTX 5090 FEに対し大きな差を付けている点に注目したい。
Assetto Corsa EVO
Assetto Corsa EVOはプリセット「Ultra」をベースに、Experimentalと付いた設定をすべて有効&最大に設定。自車の前後に表示可能なライバル車の数も最大化した。テストは24台で「鈴鹿サーキット(東)」を一周し、その模様をリプレイで再生した際のフレームレートを計測した。ライバル車のテクニックは低めに抑え、優勝と最下位の車のタイム差が開きにくい(=常に車が集団になる)ようにしている。




解像度が上がるに従いRTX 5090 LIGHTNING ZとRTX 5090 FEの差が徐々に開いてくる。最低フレームレート(正確には下位1パーセンタイル点以下の平均)はあまり変わっていないため、フレームレートの上振れはGPU由来、下振れはCPU由来と考えることができる。
CODE VEIN II
CODE VEIN IIでは画質を「最高」、描画距離も「最遠」に設定。ゲーム初期に訪れるマグメル島(2177年)内の一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。




RTX 5090 LIGHTNING Zは常にRTX 5090 FEに対し平均フレームレートにおいて優位に立っているが、EXTREMEモード+OC設定の効果は解像度が低いうちはほとんど認められない。ゲームもリリースされたばかりで最適化が不十分である可能性もあるが、3,840×2,160ドットになるまではOCしても差らしい差は認められなかった。
インディ・ジョーンズ/大いなる円環
インディ・ジョーンズ/大いなる円環では、RTX 4090以上が推奨という画質「究極」に設定。パストレーシング(PT)も最大設定とし、DLSSレイ再構成(RR)も有効化。マップ「サンタンジェロ城」において一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。




全体の傾向はほかのゲームと同じ。パストレーシングによる描画処理が格段に重いゲームだけあって、3,840×2,160ドットでフレーム生成がない状態ではDLSSを利用して内部解像度を下げないと平均60fpsを超えるのは難しい。だがDLSS MFGさえ使えば3,840×2,160ドット+DLAAという超重量設定でも高フレームレートが出せるのはさすがRTX 5090といったところ。特に最後のグラフではRTX 5090 LIGHTNING ZのEXTREMEモード+OC設定を利用することで最低フレームレートも大幅に伸びている点に注目したい。
Kingdom Come: Deliverance II
Kingdom Come: Deliverance IIは画質「実験的」に設定。マップ内の所定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。




CODE VEIN IIと同様に解像度が高くないとRTX 5090 LIGHTNING Zの持ち味がまったく出てこない。3,840×2,160ドット+DLSSクオリティ設定でようやくRTX 5090 LIGHTNING ZはRTX 5090 FEより確実に速いと断言できる程度に差が拡がった。
Marvel Rivals
Marvel Rivalsでは画質「最高」に設定。ゲーム内蔵ベンチマーク再生中のフレームレートを計測した。このゲームのみ、RTX 5090 LIGHTNING ZのEXTREMEモード+OC設定ではベンチマークが完走しなかったため、値なしとしている。




このゲームも解像度が低いと完全にCPUが律速になるようで、1,920×1,080ドット時はRTX 5090 FEとの差がほぼゼロである。しかしフレーム生成を追加すると同じ解像度&同じDLSS設定でも平均フレームレートにハッキリとした差が出現することに注目。フレーム生成はCPUが律速の状況においてGPU側でフレームを生成するため、CPUが足かせになっているときこそフレーム生成が輝くのだ。
オーバーウォッチ
つい先日「オーバーウォッチ」に改名したばかりの(元)オーバーウォッチ 2でも検証しておこう。改名にあたり描画まわりに手が入ったというアナウンスはないが、一部ライティングやエフェクトの調整が入っているようだ。
画質は「エピック」、本作はDLSSに対応しているがあえてネイティブ解像度(レンダースケール100%)設定とした。よってこのゲームではDLAA使用時の計測はしていない。マップ「Eichenwalde」におけるBotマッチを観戦し、その際のフレームレートを計測した。



オーバーウォッチについてはもっとも差が付いていない。特に1,920×1,080ドット時のフレームレートは350fpsの見えない壁に阻まれているが、これはCPUが律速になっていると思われる(一応言及しておくと、ゲーム内のフレームレート上限は600fpsである)。Ryzen 9 9950X3Dのように3D V-Cacheを搭載したRyzenなら、よりCPUが律速になりにくいため、もう少し差が付くと推察される。もっとも、Core Ultra 9 285Kでも解像度を引き上げるにつれGPU側が律速するようになりフレームレートに差が出てくる。とはいえEXTREMEモード+OC設定でようやくRTX 5090 FEに差が付く程度なのだから、OverwatchにおけるRTX 5090 LIGHTNING Zはかなりのオーバースペックであることは確実だろう。
TGP 800WでもGPU温度は70℃以下
性能の傾向が分かったところで、GPU温度やクロックの傾向を見ていこう。この検証ではKingdom Come: Deliverance IIを4K+DLAA設定、プレイ状態で15分放置。その際のGPU温度などの情報を「HWiNFO Pro」にてモニタリングした。室温は約26℃である。
まずはGPU温度。ここでもEXTREMEモード+OC設定による設定も比較対象として加えているが、前述のとおりこの設定ではファンの回転数設定を通常より引き上げているため、OC設定の温度が低いという結果になっている。とはいえOCしているのにファン回転数設定を引き上げればデフォルト設定よりも温度を下げられるという点に注目したい。RTX 5090 LIGHTNING Zの冷却能力のポテンシャルは相当高いのだ。
今回温度が最も高くなったのがRTX 5090 FEで高負荷時は80℃を超えていた。RTX 5090を2スロット厚のカードに収めたという点でFounders Editionは見るべき部分のあるカードだが、空冷2スロット厚の冷却は限界もある。その点RTX 5090 LIGHTNING ZはTGP 800Wのデフォルト設定でも高負荷時温度は70℃未満である。
次はGPUクロック。RTX 5090 FEのクロックは2.6GHz弱の辺りで安定する一方、RTX 5090 LIGHTNING Zは3GHz近辺で安定。さらにEXTREMEモード+OC設定では3,140〜3,150MHz、前述の設定値どおりにクロックが伸びており、さらにそれが安定している点に注目したい。前掲の温度推移ではOC設定時でもGPU温度は60〜65℃であることを考えると、RTX 5090 LIGHTNING Zのオーバークロックのしやすさが分かるというものだ。
同じKingdom Come: Deliverance IIを利用して消費電力も詳しく見ていこう。今回使用した電源ユニット(MPG Ai1300TS PCIE5)にはそれ自体に電力計測機能が搭載されているが、ここでもPowenetics v2を使用してケーブルに流れた電力を直接計測している。繰り返しになるが、PCI Express x16スロット用のライザーを除外しているためRTX 5090 LIGHTNING Zは高負荷時16W程度、RTX 5090 FEは同じく8W程度低い値でプロットされている。
先の消費電力のデータからOC時が最も消費電力が高くなるかと予想していたが、時系列で消費電力をプロットするとデフォルト設定とEXTREMEモード+OC設定に大きな違いはない。むしろデフォルト設定時の振れ幅のほうが小さいようにも見える。システム全体では900W、12V-2x6ケーブルでは700Wあたりに中心があるようだ。
このグラフだけではデフォルト設定とEXTREMEモード+OC設定時における消費電力の違いが分からない。そこで上のグラフのデータからPCIe Connector(s) Powerが200W以上を示したデータを抽出し、ヒストグラム化したものが下のグラフとなる。集計のきざみ、すなわち階級値は10Wきざみとした。HWiNFOのサンプリング間隔は500msとしている。
この頻度分布から、RTX 5090 LIGHTNING Zのデフォルト設定では分布が2つの山を形成する、いわゆる“bimodal分布”になっている一方、EXTREMEモード+OC設定では山が1つにまとまり、山全体が右に動いている(=消費電力増)ことが分かる。bimodal分布になる理由までは突き止められていないが、CPUクロックと温度はほとんど変化していないことから、温度やクロック変動によるものではないと考えられる。今回HWiNFOのログ取得間隔は500msに設定しているが、これは経験上これ以上詰めると全体の動作に影響が出やすいためである。もっと間隔を詰めればさらに細かい情報が得られる可能性もあるが、時間的制約から見送らざるを得なかった。
とはいえ、EXTREMEモード+OC設定で試した150MHzのクロック引き上げ程度ではRTX 5090 LIGHTNING ZのTGP限界である1,000Wには到底届かないことも判明した。RTX 5090 LIGHTNING Zを限界までドライブした際にどのような分布データが得られるものか、ぜひ挑戦していただきたい。
すべてがスゴい。それだけにもっと攻めてほしかった!
RTX 5090 LIGHTNING Zをここまで検証してきたが、設計・仕様については「スゴい」の一言しか出てこない。究極のGeForceが欲しい人ならぜひとも使ってみたい製品ではある。ただ、ベンチマークテスト結果を見るとゲーム性能についてはRTX 5090 FEを確かに凌駕しているのだが、ゲームによっては差が小さく、95万円のメリットを感じるにはゲームを選ぶ必要があるだろう、ということも分かった。今回はテスト環境がIntelプラットフォームと決まっていたため、CPUのハンデを回避するためにIntel 200S Boostも併用したのだが、根本解決にはいたらなかったようだ。
GeForceに95万円出すなら、プロ向けである「NVIDIA RTX PRO 5000 Blackwell」を買うほうが得ではないか? という意見もあるだろう。実売価格80〜90万円のRTX PRO 5000 BlackwellならVRAM搭載量は48GB。AI用途に使うのであればRTX 5090 LIGHTNING Zより余裕があると見てよいだろう。
だが、RTX PRO 5000 Blackwellは2スロット空冷であり、CUDAコアもRTX 5090の7割以下(14,080基)、かつTGPは300Wに絞られている。つまりVRAMが多くてもGPUとしてのパワーは圧倒的に低い。RTX 5090 LIGHTNING Zは多量のCUDAコアに究極の冷却とオーバークロックへのポテンシャル、そして12V-2x6ケーブルを並列で運用するが故の安心感を備える。この点ではRTX PROシリーズよりも格段によい。
RTX PRO 6000 Blackwellはさらに高額(150万円程度)だがVRAMは96GBとさらにAI向き。しかし冷却や消費電力(カード設計はRTX 5090 FEとほぼ同じ)においてはRTX 5090 LIGHTNING Zのほうが優れているのはほぼ確実だ。
もちろん、もうちょっと踏み込んでほしかった点もあった。そのひとつが“EXTREMEモードの淡泊さ”だ。前述のとおりEXTREMEモードはTGPの上限が1,000Wに設定されるだけで、GPUやメモリクロックは変化しない。今回手動でGPUとメモリクロックを引き上げた結果ベンチマークでの性能向上が確認できたが、この設定の変更をスイッチひとつで切り替えられるようにしてもらえたらさらによかったとは思う。EXTREMEとうたうのであれば、vBIOS設定はいっそもっと攻めてくれたほうがユーザー的にもうれしい。
さらに言えば、8インチ液晶の接続をもっとエレガントに美しくしてほしいとか、筆者のようにシステムをシンプル&クリーンな状態で運用したい人的にはMSI Lightning Hub Launcherを導入すると常駐する設定用Webサーバープロセスの実装方法を見直してほしいとか、細かい部分をもっと踏み込んで煮詰めてもよいのではとも感じた。
とはいえ、RTX 5090 LIGHTNING Zに搭載されている8インチ液晶はPCカスタマイズの幅を広げてくれることは間違いない。プレミアムなビデオカードならではのギミックという点で高く評価したい。







































