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静音・高コスパなアイネックス「BLUE AIAS」のCPUクーラー「BA-CC02TF/BA-CC01GP」、ミドルハイCPUに好適な一台
厳選モデル「BLUE AIAS」シリーズの特徴も確認 text by シンタクコウイチ
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- アイネックス
2026年8月27日 00:00
PC周辺機器や多数のサプライ品を扱うアイネックスから2種類のCPUクーラーが新たに登場した。同社の高性能品ブランド「BLUE AIAS (ブルーアイアス)」に属するモデルで、静音性を重視しつつ冷却性能とのバランスを取ったモデルだという。
アイネックスといえば、自作PCで使用するサプライ品で有名なメーカーだが、同社が取り扱う製品数はなんと500種類を超えるというから驚くほかない。そうした数多くの取り扱い製品の中からアイネックスが自信をもって投入したモデルが、「Testudo Formation」と「Greek Phalanx」の2製品だ。
今回のレビューでは、新たに登場したCPUクーラーの特性を紹介するのと合わせ、BLUE AIASがどのようなブランドなのかを紹介しよう。
アイネックスが選別したワンランク上の冷却性能モデル「BLUE AIAS」
BLUE AIASという名に聞きなじみはなくても、自作PCユーザーであればアイネックスの名前を知っている人は多いだろう。PCパーツ店に行けば、ケーブルやネジ、冷却製品など多数のPCサプライ品が壁面に並ぶ光景は当たり前となっており、同社は老舗の定番メーカーとして知られている。
そんなアイネックスが取り扱う多数の製品の中から厳選し、冷却性能に優れるモデルを集めたのがBLUE AIASブランドだ。
社内で徹底的な検証を行い、性能に関してアイネックスの基準値をクリアし、なおかつ洗練されたデザインのモデルのみがBLUE AIASブランドの製品になるという。BLUE AIASのロゴマークは、アイネックスのプレミアムモデルとしてのお墨付きを得たモデルの証と言えるわけだ。
BLUE AIASブランドは、2019年にM.2用ヒートシンク(BA-HM01RGB)が発売されたときから始まり、2026年で7年の歴史がある。現在は高性能グリスやファン、M.2用のヒートシンクなど15種類の製品をラインナップしているが、将来的には今回紹介するようなCPUクーラーだけでなく、コンパクトPCケース向けの小型CPUクーラーや、ビデオカード用のステイなどラインアップの幅を広げていきたいとのことだ。
BLUE AIASのテーマカラーは青になっている。これは冷却をイメージするカラーであるのと同時に、アイネックスのコーポレートカラーが青であることから選ばれたものとのことだ。ロゴマークはギリシャ神話の「アイアースの盾」からとったもので、製品名に関してもギリシャ神話からとったものが多く採用されており、元ネタがわかるユーザーにはユニークな面として映る部分もあるだろう。ちなみに、ゼウスの盾ではなくアイアースの盾がモチーフに選択されたのは、神の万能アイテムではなく、人が改善と改良を常に行っていくシリーズにしたいとの意図から選ばれたそうだ。
アイネックスが取り扱う製品は、どちらかというと縁の下の力持ち的な「必要とされるが地味」といったものが多く、ゲーマーや若年層に愛着を持ってもらえる機会が少なかったという。業務用や組み込み向けなど製品を扱う固い気質のメーカーと固定的に見られてしまうことも多く、新しくPCを触り始めたユーザーや、自作PCを始めてみたいといったユーザーにも認知してもらえるよう、立ち上げたブランドでもあるとのことだ。高性能製品を集めているのは新規ユーザーにわかりやすさ、伝わりやすさを重視したものでもあるのだが、同時にPCパーツマニアにも満足してもらえる品質の製品にもなっている。
そんなBLUE AIASブランドの製品だが、2種類のCPUクーラーが新たにラインアップに追加されたので、今回はそのCPUクーラーを取り上げてBLUE AIASモデルの実力を見ていこう。
質実剛健なつくりのCPUクーラーツインタワーモデルとシングルタワーモデルを市場に投入
それでは実際にBLUE AIASブランドのCPUクーラーがどのようなモデルなのか、2機種をそれぞれ見ていこう。
Testudo Formation(BA-CC02TF)
まずはツインタワーの大型ヒートシンクが特徴の「Testudo Formation(型番BA-CC02TF)」(以下BA-CC02TF)から見ていこう。
12cmファンを2基搭載し、6mm径のヒートパイプを6本使用した上位モデルだ。見た目こそ大きく見えるが、高さは158mmと抑えられているため、比較的コンパクトなケースでも使用できる環境は多い。
大型ヒートシンクのクーラーは、ヒートスプレッダなどを装着したメモリと干渉することもあるが、BA-CC02TFはファンの位置が多少ずらせる構造になっているので、ある程度の高さまでのメモリなら調整して使用することができる。
また、外観はディスプレイやLED機能などを一切使わない硬派なものとなっており、質実剛健な方向性のモデルであることがうかがえる。
CPUと接触するベースプレートとヒートパイプには熱伝導率の高い銅を採用し、なるべく多くのフィンを搭載することで表面積を稼ぐ構造になっている。また、薄いフィンをそのまま使うと衝撃に弱い構造となるデメリットがあるが、この問題を解消するため剛性に優れるジッパーフィン構造を採用し強度を確保している。
ヒートシンクの剛性を高めるために、本体中央にマンガン鋼のU字柱を採用している点もBA-CC02TFの特徴。大型のCPUクーラーは輸送時の振動や、PCに衝撃が加わった際に折れ曲がったり外れてしまうことがあるが、こうした事故を抑制する効果があるという。
アイネックスでは実際にBTO PCの運送時やユーザーがPCを運ぶ際の状況を考慮し、CPUクーラーを取り付けた状態のPCを運搬用の箱に入れ、落下テストなどを行っている。補強などが施されていないツインタワー型のCPUクーラーは衝撃の大きさ次第では折れ曲がったりしてしまうが、BA-CC02TFであれば多少歪む程度で済むケースが多く、そのまま使用しても冷却性能が維持される場合が多いという。また、マンガン鋼のU字柱は剛性を高めるだけでなく、靭性・弾力性のある構造にもなるとのことで、衝撃を吸収して逃がす役割もあるとのことだ。PCの設置場所を変えることが多いユーザーや、PCを運搬する機会の多いユーザーには気にしてもらいたい。
付属する2基の12cmファンは回転数500(±250)rpm~2,000rpm(±10%)のPWMファンで、最大風量47.62CFM、最大ノイズレベル23.9dB(A)とされている。
ファンのブレードは外周がリングで繋がれた強度面に優れるリングブレード形状となっており、高回転時でも振動やブレを抑えることができる。ファンの四隅には防振ゴムが取り付けられているほか、ファンの軸には低騒音/低振動の面で優れるFDB(流体動圧軸受)が使われている。
大型のCPUクーラーは冷やすことに重点が置かれたモデルもあるが、BA-CC02TFは静音に向けた構造や機能に重きを置き、振動などを少しでも抑制しようとする意志が随所に見られるのは面白いところだ。
BA-CC02TFの実売価格は6,980円前後で、空冷クーラーの中上位モデルを狙うユーザーには手が出しやすい価格帯ではないだろうか。対応TDPは275Wで、メーカーによるとCore Ultra 5/Ryzen 5といった中上位CPUを静かに冷やすことをターゲットにしているという。もちろん、今回テストも行っているが、Ryzen 7といった上位のCPUの冷却が可能な性能は持っている。あくまで静音動作を狙うならといったターゲットになっている。性能が低いわけではなく、静音性を意識したモデルであることは知っておいてもらいたい。
Greek Phalanx(BA-CC01GP)
続いて紹介するのはシングルタワーモデルの「Greek Phalanx(型番BA-CC01GP)」(以下BA-CC01GP)。
クーラーの高さは154mmでこちらのモデルも多くのケースで使用できるサイズに収められている。ヒートパイプは6mm径のものを4本採用。こちらもフィンはジッパーフィン構造となっており、剛性が確保されている。ファンはBA-CC02TFと同じ静音性を重視したものが採用されている。
こちらは静音性と導入コストを抑えることに重きが置かれており、ベースプレート部分はヒートパイプがCPUに直接接触するダイレクトタッチ式になっている。絶対的な冷却性能はCPUのヒートスプレッダ形状に合わせたベースプレートを備える方が有利だが、ハイエンドCPUなどを使用しないのであれば性能面で問題になることはほぼ無く、コストパフォーマンスに優れているメリットがある。
BA-CC01GPはシングルタワー型なので、よほど大きいヒートスプレッダを搭載したメモリ以外は干渉の心配もないだろう。
BA-CC01GPの対応TDPは最大235Wで、Core Ultra 3やRyzen 3などのエントリークラスのCPUを静かに冷却することをターゲットにしているとのこと。コスパを重視しつつも静音性も気にしたいユーザーに向けたモデルだ。対応する最大TDPが235Wなので、静音性を気にしなければより上位のCPUでも使用できるだろう。
固定具などベース部分は2モデル共通、組立も簡単で剛性も十分
クーラーの取り付け金具などはBA-CC02TFとBA-CC01GPで共通となっている。金具の剛性は高く、重量のあるツインタワー型のBA-CC02TFもガッチリと支えることが可能な構造になっている。
取り付け方法はシンプルかつ簡単で、ドライバー1本あれば初心者でも安心して取り付けることができる。ツインタワー型のCPUクーラーはネジ穴などの関係で組むのに苦労するモデルもあったりするが、BA-CC02TFは組みやすいスペースが確保された構造になっていたので、ネジの取り付けやファンクリップの固定も苦労することなく行えた。
また、ジッパーフィンは取り付けの際に手を傷つけにくい構造でもあるので、地味だがユーザーフレンドリーで安心なポイントと言える。
想像していたよりも静かなBA-CC02TFコスパと静音を重視するなら有力な選択肢に
ここからは冷却性能を見ていこう。今回は上位モデルにあたるツインタワー型のBA-CC02TFを使い、ゲーミングPC向けでは最高峰となるRyzen 7 9850X3Dがしっかりと冷却できるのか、アイネックスが自信をもって投入したBLUE AIASシリーズのモデルの実力を見てみよう。
テストは定番のCPUベンチマークのCinebench 2026、CPUストレスツールのOCCT、ゲームのサイバーパンク2077を使用して温度を測定した。テストに使用した機材の構成は以下の通り。
| 検証環境 | |
|---|---|
| CPU | Ryzen 7 9850X3D(8コア/16スレッド) |
| マザーボード | ASUS ROG STRIX X870-F GAMING WIFI |
| メモリ | DDR5-5600 32GB (16GBx2) |
| GPU | GeForce RTX 5070 Founders Edition |
| ストレージ | M.2 NVMe SSD 2TB |
| 環境温度 | 室温 約28℃ |
Cinebench 2026
最初にテストを行ったのは定番CPUベンチマークソフトのCinebench 2026。予想していたよりもうまくCPUの発熱を抑え込めていた。グラフは負荷をかけ続けた際の10分間の温度推移を抜粋している。

ベンチマーク中のCPU温度は最大で90℃に抑え込むことができており、ほぼ一定の温度を保てていた。意外だったのはファンの動作音で、回転数は最大値である2,000rpmで動作をしていたが、思いのほか静かだったのには驚いた。
もちろん高回転で動作しているのでファンの音は相応に聞こえるのだが、2,000rpmという数字からイメージする騒音からはだいぶ静かな印象だ。高音よりのノイズが少なく、動作音が低音寄りなので、不快になりにくい音であることが影響していると思われる。
検証はベンチマーク台で行っているため、ケース内部に組み込んだ場合はさらに音は小さく感じるだろう。テストしてみた印象では、CPUファンの音よりもケースファンの音のほうが気になるといったことになる可能性も十分考えられるので、PCを構築する際は組み合わせるケースファンの静音性も気にしてもらいたい。
OCCT
CPUに強烈な負荷をかけるOCCTでもテストを行ったが、傾向はCinebench 2026と同様だった。

テストは安定度を検証できるSTABILITY TESTを選択し、データセットを負荷の大きいLARGEにして10分間動作を行い温度の変動を確認した。
OCCTでは主にサーマルスロットリングが発生しないかをチェックしたが、平均で80℃ほどと熱をしっかりとコントロールできており、サーマルスロットリングは発生するような場面は無かった。
サーマルスロットリングが発生すると、処理速度の低下はもちろん、高温動作によりマザーボードやCPUの寿命を削ることにもなるので、動作温度は極端な高温にならないようにコントロールしたい。80℃前後で推移するのであれば、恒常的に使用していても問題は起きないだろう。
サイバーパンク2077
CPUのみに最高負荷がかかるテストだけではなく、実使用の状況を想定したゲームでの検証も行った。使用したのは重量級タイトルのサイバーパンク2077。

テストはサイバーパンクのベンチマークモードを使用して温度の計測を行った。こちらもパッケージ温度は平均74℃程度とハイエンドCPUとしては一般的な数値であり、温度が安定して運用できることは、PCパーツにとって過酷な夏でも安心材料ではないだろうか。
ファンの回転数も70%ほどの1,500rpmだったので余力は残しており、静音性も保たれていた。なお、ファンの回転数を強制的に100%で動作させた場合は平均72℃となり、自動設定のときより2℃低い結果となった。ゲーミングPCでは最高峰となるRyzen 7 9850X3Dを空冷でここまで安定して運用できるのは好印象だ。
静音性にも期待できるアイネックス選別品のCPUクーラー質実剛健でコストパフォーマンスにも優れたモデル
アイネックスから発売されたBLUE AIASシリーズのCPUクーラーは、十分な性能を持ちつつ手の出しやすい価格帯に投入されている。ツインタワー型のBA-CC02TFであれば6,980円前後、シングルタワー型のBA-CC01GPであれば3,580円前後で入手できる。
特にツインタワー型のBA-CC02TFは、Ryzen 7 9850X3Dのような上位CPUの発熱を余力をもって抑え込める性能を発揮し、高負荷な状況でも動作音が耳障りに感じることが無かったのは好印象。装飾などにこだわり過ぎない質実剛健路線なのも好むユーザーが多いのではないだろうか。
メーカーは静音動作時のターゲットをBA-CC02TFであればミドルクラスCPU、BA-CC01GPであればエントリークラスCPUとしている。テストでは上位CPUがしっかり冷却できており、動作音に関しても良い方向で驚かせてくれたので、メーカーがターゲットとしているCPUとの組み合わせであれば、静音性を目的に購入しても期待を裏切られることはないだろう。アイネックスが取り扱い製品の中で厳選したプレミアムモデルというのは間違いなさそうだ。
最近の空冷のCPUクーラーは優れた製品が多く、特にコストパフォーマンス重視モデルは激戦区となっている。これから空冷CPUクーラーを購入する予定のユーザーは、その激戦区に殴り込みをかけるBLUE AIASブランドのCPUクーラーを一度チェックしてみてはいかがだろうか。





































