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「汚くて遅い」は過去の話 “激安だけど使える”イマドキの中古PC事情をチェック!

 今、「中古PC」が人気だ。“安くて使える”PCを求めている多くの人達に支持されている。5万円以下、3万円以下、さらには1万円台という超低価格の中古PCがかなりの勢いで売れているのだ。とはいえ、中古PCにネガティブなイメージを抱いている人は多いかもしれない。Windowsのバージョンが古い、性能が低い、汚れている、バッテリ寿命が尽きている、付属キーボードやマウスの調子が悪い、など……。確かに一昔前にはそういった中古PCが多い時期があったのだが、最近人気の中古PCは違う。リフレッシュ工場で破損部や消耗部のチェックを受けて、状態のよいものを選別、徹底した清掃を行った上で、OSも最新のWindows 10にアップグレードされて出荷されているのだ。

チェック、メンテナンス済という“状態のよい中古PC”が手に入りやすくなった。A4サイズノートやデスクトップPCはもちろん、モバイルノートやあこがれのMacすら格安で手に入る!

 そして、Windowsやビジネスアプリの処理は一昔前からそれほど重くなっていない。数年前に発売された中古PCと言えども、目的に合わせてスペックを選べばかなり快適にどうさせることができる。逆に言えば、きちんとメンテナンスされていない中古PCも市場には存在するし、用途に合わないスペックの中古PCを選べば不満がたまる。そこで今回は最新中古PCの現状と合わせて、目的に合わせたベストの選び方について解説していこう。

【こんな方は中古PCをチェック!】

とにかく安くPCを手に入れたい
安くて使えるPCを手に入れたい
親や子供用に手軽なPCがほしい
仕事や学業のために持ち運べるサブノートがほしい
各部屋に一台部屋を設置したい
お金はないけどMacを使いたい
Windows 7のサポート終了が迫っているので、低コストでPCを更新したい

ポイント1 中古PCは壊れやすい、汚れている? No! 選別されたPCを補修、清掃。充実したサポートも付いて安心

専門のリフレッシュ工場で、外観のクリーニングや内部のチェックが行われる

 中古PCは新品ではない。元の利用者や環境によって程度の差はあるが、経年劣化の影響は避けられない。そのため「壊れやすいのではないか」という不安を持っているユーザーは多いだろう。

 しかしながら、最近の中古PCは専門のリフレッシュ工場や業者の手で、組み込まれているパーツのチェックや交換、内部、外装のクリーニングを行なっているものが増えているこうした中古PCは買ってすぐに壊れることがなく、安心して使い続けることができる。また、新品のように傷一つない状態ではないものの、清潔感がしっかりと保たれている。

 万が一故障してしまったときへの対応も、昔と比べるとかなり充実してきた。製品や販売業者にもよるが、ひと月から半年程度のサポート期間を設けており、その間に購入したPCが故障した際には、無料で修理サポートを受けられることも多いのだ。

中古PCといえども、故障はもっとも避けたいトラブル。製品の状態をランク分けしたり、保証を付けるなどしている商品なら安心して使える

ポイント2 PCが古いとOSも古いのでは…… No! 選別されたPCを補修、清掃、充実したサポートも付いて安心

 最近流通している中古PCでは、もとからWindows 10がインストールされているモデルも増えてきているが、新品時にWindows 7がインストールされていたモデルであっても、Windows 10がインストールされた状態で販売されることが多い。これは、Microsoftが中古PC向けのWindows 10のライセンスを提供するプログラムを始めたことが影響している。

 たとえばWindows 7の場合、2020年1月に延長サポートが終了してしまう。それ以降はセキュリティアップデートなどが行なわれず、危険な状態に陥るため、PCを使い続けたいならWindows 10へのアップグレードや再インストールが必要になる。しかしすでにWindows 10がインストールされている場合は、こうした作業やOSの購入コストが必要ない。

 一方で、業務用アプリや接続する周辺機器などの都合から、どうしてもWindows 7環境を使い続けなければならない場合もあるだろう。それでもWindows 7マシンが壊れてしまったり、もっと快適にしたくなったりすることはあるはず。そんな場合に備えてメンテナンス済、保証付きの中古Windows 7マシンもある。

ポイント3 新品より高性能を狙える?

 最近は新品のPCもかなり安くはなってきたが、それでもCPUに高性能な「Core i7」や「Core i5」を搭載するモデルとなると、8万円、5万円とそれなりのお値段になってしまう。しかし中古PCなら、そうしたグレードの製品でも3万円代から購入できることがある。同じCore i5/i7ブランドのCPUでも中古PCに搭載されるモデルは最新モデルより性能が低いのだが、最新のローエンドCPUよりも速いところがミソ。ビジネスアプリやWebブラウジングが中心であれば結構快適に動く。

 また、最新中古PCでは、OSやアプリケーションを起動するストレージをもともと搭載されていた低速なHDDから高速なSSDに交換して出荷されているものもある。このタイプはかなり快適だと思っていい。

第4世代Core i5と最新世代Celeronの比較
2013年に登場した第4世代Coreシリーズのミドルレンジモデル「Core i5-4570」を搭載した中古PC(HP EliteDesk 800 G1 SFFをメモリ8GBに増設)と現行のエントリークラスCPUである「Celeron G4930」を搭載した自作PC(Z390マザーボード、メモリ8GB)でCPU性能を比較してみた。結果は見てのとおり、とくにマルチスレッド性能においてCore i5-4570が圧倒的な強さを見せた。最近ではOS、アプリともマルチスレッド化が進んでいるのでこの差は見逃せないところ。ただ、実際のPCの体感性能は搭載するストレージがHDDかSSDかという点や、メモリ容量の違いなどにもよるので総合的に判断したい

適当に買うと損しますよ! 中古PCの選び方

 このようにオトク感のある中古PCだが、中古品ならなにを買ってもよいわけではない。いまだに“壊れかけで汚れた中古PC”も流通しているし、自分の用途に合っていないスペックを選んでは快適な動作は望めない。最低限ここだけは押さえておきたい、という勘所をいくつか紹介していこう。なけなしのお小遣いをはたいて初めてのPCを夢見ている若人も読んでいるかもしれないので、PC選びの基本も踏まえつつ進めさせていただく。

 まずはノートPCかデスクトップPCか。これは利用スタイルで決めよう。PCを置くスペースが狭い、使わないときは収納しておきたいというなら当然ノートPCだ。14~16型の比較的大型の液晶ディスプレイを搭載したA4サイズノートPCは、中古PC市場でもラインナップが多い人気商品で、好みの製品を選びやすい。また、13型、12型液晶を搭載するモバイルノートの中古品もある。仕事や学業のために持ち運べる薄型軽量のモバイルノートに憧れているものの、予算的に苦しいという方は多いはず。そうした場合には中古PCに注目だ。

コンパクトなスペースで利用できるノートPC。さらに、据え置きで使われることが多いA4サイズノートPCと、持ち歩きを考慮されたモバイルノートPCが存在する

 一方、PC設置スペースをある程度確保できるなら、デスクトップPCのほうがオススメである。大型の液晶ディスプレイや好みのキーボードと組み合わせることができるため、ノートPCに比べると使い勝手に優れる。とくに拡張カードスロットを搭載するミニタワータイプは、拡張性にも期待できる。

液晶ディスプレイなどと組み合わせて利用するデスクトップPC。長時間の文書作成やオフィスアプリの使用を考えているならこちらがオススメ

CPUはCore i7/5を狙え!

 CPUは、PCの処理性能を決める重要な要素だ。そして中古PCの価格は、CPUのグレードによって大きく左右される。なるべく高いグレードのCPUを搭載するモデルがよいのは当然だが、低いグレードのCPUを搭載する中古PCでもまったく使えないということはないので、用途に応じてコストパフォーマンスに優れるモデルを選びたい。

 中古PC市場では、Intel製のCPUを搭載するPCが主流。そのIntel製CPUを例にグレードと性能を簡単に紹介すると、「Core i7」、「Core i5」は、おおむね上位モデルに搭載されることが多い高性能CPUと考えてよい。搭載コア数はおおむね4個(モバイルノートでは2個のものも)で、動作クロックも高い。

 このクラスのCPUを搭載する中古PCは、動画エンコードやゲームといった極端に重い処理をのぞけば、多くの場面で快適に利用できる。ゲームに限れば、拡張スロットを装備するミニタワーデスクトップPCなら、最新のビデオカードを組み込むことでPCゲームも楽しめるPCに仕立て上げることも可能だ。また最近では、こうしたビデオカードを追加済みの高性能中古PCを、「ゲーミング中古PC」として販売している中古PCショップもある。

 一方、「Core i3」、「Pentium」、「Celeron」は、下位グレードのCPUであり、こうしたCPUを搭載するPCは中古PC市場の中でもさらに安い。搭載コア数はおおむね2個で、動作クロックも低い。とくに中古で出回っている旧式の物は高性能とは言えないが、Webブラウザで情報収集する程度なら大きな不満はないだろう。小学生がはじめて触れるPCとしても十分の性能がある。

CPUのグレードが高いPCは処理性能も高い。写真はパソコン工房で販売されていたPC
まだまだ頑張れる4コアのCPU、Core i5-6400と8GBのメモリ、さらにSSDとHDDのハイブリッド構成ながらこの価格。自作PCでもこのコスパはなかなか実現できない

メモリは8GBが最低ライン、使用感重視ならSSD搭載がオススメ

 CPUと並んでPCの使用感に影響するのは、メモリとストレージだ。とくにメモリは、2~4GBを搭載するモデルと8GB以上を搭載するモデルで大きく使用感が変わる。なるべく8GB搭載モデルを選びたい。ちなみにDDR3/DDR4メモリを搭載するデスクトップの中古PCの多くと一部のノートPCは、市販のメモリを安く購入して増設/換装することも簡単に行なえる。そこも踏まえて、快適環境が欲しいならとにかく8GBは死守ラインと考えよう。

一昔前ならメモリは4GBが最低ラインと言われていたが、現在のアプリはメモリを多用するので8GB以上欲しい。このPCはQualitで販売されていたもの。Core i5-6300U(2コア/4スレッド)に8GBのメモリと256GBのSSDを搭載。15.6型の液晶はフルHD解像度と、現行のPCと比べても遜色ない。そしてお値段は税込38,500円!

 ストレージは、リード/ライト性能に優れるSSDを搭載するモデルがオススメだ。またSSDはHDDのように高速に回転する部品を搭載しないため、乱雑に扱われがちな子供用のPCにも向いている。最新のノートPCやデスクトップPCでは当たり前の装備だが、中古PCではまだHDDを搭載するモデルのほうが多いので、これもよく確認したい。

 ただSSDは、HDDに比べるとファイルを保存できる容量が少なめだ。多数の音楽ファイルや動画ファイル、RAW形式の画像データなどを扱う予定があるなら、テラバイトクラスのHDDを搭載する中古PCのほうが向いている。

リード/ライト性能に優れるSSD。HDDを新品のSSDに換装した中古PCも出回っており、こうしたモデルはもとのHDD搭載時に比べると確実にレスポンスが向上している
外付けHDDやSSDを利用するなら、USB 3.0ポートは必須の存在。そうでなくとも多数存在するUSB 3.0対応機器を使えるのでなるべくなら搭載していることが望ましい

 インターフェースについては、USB 3.0ポートの搭載数に注目したい。最近の外付けのHDDやSSDは、おおむねUSB 3.0対応だ。こうした機器を利用する場合、PC側もUSB 3.0ポートを搭載していれば、そのストレージを内蔵したときに近いリード/ライト性能を発揮できる。

 5年くらい前の中古PCでは、おおむね1~3基といったところだろう。数が多ければ多いほど使い勝手が向上するが、USB 3.0ハブでポート数を増やすことはできるので、とにかく「搭載していること」を確認したい。

中古でゲーミングPCデビューもできちゃう時代!?

 ゲーミングPCをどうにかして安く手に入れたいという方もいるだろう。PCのゲーム性能は、ビデオカードと呼ばれるパーツの性能に大きく左右される。そして今、注目したいのが、中古のビジネスPCに新品の最新ビデオカードを搭載した商品。新品のPCでは高性能なビデオカードを搭載すると、それに合わせて他のパーツも高性能なものを搭載する傾向にあるため価格が上がりがち。中古PC+最新ビデオカードならビデオカード一点集中で予算をかけることで、低コストで高いゲーミング性能を実現できるのだ。

中古のビジネス向けPCに新品ビデオカードを搭載したゲーミングPCは人気の商品。写真はオーエープラザのPC。Corei5-3470(4コア)ベースの中古PCに定番のエントリークラスビデオカードGeForce GTX 1050 Tiと240GBのSSDを搭載した構成。さらに新品の24型フルHD液晶も付属して、66,800円(税込)。軽めのeスポーツタイトルやMMO RPG、マインクラフトなどはサクサク動く

 最近の中古PC市場はかなりの盛り上がりを見せており、中古PCショップの店頭には新品に勝るとも劣らない品数のノートPCやデスクトップPCが並んでいる。その一方で新品のようにスペックや機能に関する細かい情報を入手し難いこともあり、選び方が難しいのは事実だ。しかしながら、今回紹介したようなポイントに注目すれば、自分の目的や用途にマッチした中古PCが必ず見付かるはず。ぜひ激安で使える一台をゲットして欲しい。

編集部オススメの中古PC販売サイト

オーエープラザ(楽天市場)

 中古PCを自社工場でリフレッシュして販売。それだけでなく、HDDをSSDに換装したり、ビデオカードを追加してゲーミングPC化するなど独自に強化した製品が人気。プリンタと年賀状素材集をセットにした年賀状PCなど、ユーザーニーズを汲んだPCも用意する。

Qualit

 多くのITデバイスをレンタル提供する横河レンタ・リースが運営する中古PC販売サイト。リースアウトした商品を厳しいチェックを行ってから販売している。PCの状態が6段階で明示されているため中古でも外装までこだわりたい方にオススメ。また、中古としては長期の6カ月保証もある。中古Macも取り扱う。

パソコン工房

 パソコン専門店パソコン工房も中古PCを扱っている。自社で、組み立て、修理を行う同社のノウハウを活かして信頼性の高い中古PCを展開。中古Macの取り扱いもある。