2021年3月8日 00:00
在宅勤務に合わせ中古のノートPCを購入した人も多いと思うが、リモート会議を行った際に写りが良くないのでちょっと改善したいと感じている人もいるはず。
画質の良いWebカメラを追加するのも手だが、そうしたモデルはそこそこ高値。コスパを重視して中古ノートを購入したのであれば、最小の追加コストで解決したい。
そんな要望を叶えてくれるアイテムが自撮り撮影用のLEDライト。今回はUSB接続で手ごろな価格の4タイプを用意し、その効果を検証した。
検証に際しては、VAIO S13 (VJS1311)の内蔵Webカメラを使って写りを確認。最大画素数は92万画素(720p)と、2016年のモバイルノートとしては標準的で、Windows Hello対応Webカメラ搭載製品も数は多くなかった世代だ。
今回は、実際の利用環境を想定し「壁際の机でノートPCを使ったリモート会議に参加しており、頭上に室内灯があり若干逆光気味になっている」というシチュエーションで各ライトの比較を行なっている。
一番簡単に導入できる「充電式小型リングライト」税込で約1,500円、手軽かつちょっと改善したい人向け
1つ目に紹介するのは、直径10cmとコンパクトなサイズのリングライト。税込価格は1,499円で、用意したライトの中では最安。
LED個数は40個で、無段階輝度調整と3種の色温度切り替えが可能。USB給電動作のモデルだが、バッテリーを内蔵しており単体でもある程度の時間使用できる。
小型ながらそれなりの明るさで発光し、Webカメラを囲むように設置できるのが利点。重量も軽いため、ライトが重すぎてPCのヒンジが耐えられず倒れてしまうということもない。とりあえずお試しでというのであればこのライトがオススメだ。
難点は、小型と言うこともありLED個数が少なく、光量が多くないという点だ。ライトから離れてしまうと明るさが不足するので、ノートPCと顔の距離が近めな位置関係で使用することをオススメしたい。
自撮り向けで一番オーソドックスなクリップ式リングライト税込で約2,300円で効果大!
2つ目は、6.3インチのリング形LEDライトにクリップが付属したモデル。LED個数は72個で、リング中央にカメラあるいはスマートフォンを配置できるため、自撮り向けライトとしてもっとも良く見かけるタイプだ。
税込価格は2,250円で、今回用意したライトの中では中価格帯にあたる。輝度調整と3種の色温度の切り替えが可能で、USB給電で動作する。
クリップ式のため、ディスプレイに挟み込んで固定することができる。ベゼルの狭いPCなどでは固定するスペースがないため、クリップをスタンド代わりにして置いて使用すると良いだろう。クリップは一応スタンドとしても機能する構造になっている。
ライトを点灯してみると、顔がライトアップされたことで影が落ちて読み取りづらかった表情などが見て取れるようになった。リング型で光が拡散する構造のため、強く照らされている感が薄いところもポイントだ。
色温度は2,700K~5,500Kの3段階で調整できる。後述するようにベストな設定は環境光との相対的な関係で決まるが、昼白色の蛍光灯下では中間色がもっとも血色が良く綺麗に見えた。
色温度の調整は非常に有効で、写りを良くするならなるべく調整機能を持ったモデルを選びたい。設置の手軽さという面では小型モデルが優れるが、数百円プラスするだけで写りがだいぶ変わるので、設置に関して問題が無ければこのライトはオススメだ。
固定面で優れる吸盤式のビデオライト、Webカメラで使っても高い効果税込み約3,300円で色温度の調整も可能
3つ目は、パネル型のLEDライトで、価格は3,280円。LED個数は64個で、ビデオ撮影用とされているが、Webカメラの補助にも使える。今回選んだモデルリング型よりも小型だ。
吸盤固定式のため天板の材質やデザインによっては固定できない場合もあるが、画面側に被さらず表示の邪魔にならないのは利点だ。ビデオカメラのモデルなので、アクセサリーシューに固定することもできる。
明るさはクリップ式リングライトよりも強く、補助光としては十分。ただし、リング型の製品と比べてLEDが密集しているため、直線的な明かりとなってり「照らされている」感が強くなるので、自然な光りを求める場合は好みに合わないかもしれない。
今回は明るさを最大にして撮影したが、周辺の明るさに合わせて少し落としてやるとより馴染むはずだ。固定方法に関しては今回テストしている中では一番使い勝手が良かったので、光量の多さと使い勝手を考慮するとこのライトもオススメだ。
なお、基本的に設置する位置は顔の向きに対して正面に近いほうが自然に写るが、横から環境光が当たっているような場合は環境光の逆側から影を起こすようにライトを設置してやると顔の影を抑えられる。
自由なライティングが可能なダブルリングライト税込4,199円で三脚も付属!
4つ目は同じくリングライトだが、これまでと異なり2つのリングライトを備えたタイプで、税込価格は4,199円。サイズ的には本格ライトに片足を突っ込んでいるとも言えるが、ちょい足しの限界の例としてテストしてみた。
LED個数はリングあたり72個で、こちらも輝度調整と色温度を切り替えられる。フレキシブルアームで位置を調整でき、ライト直径も8インチと大きいため本格的な三脚が付属し、Bluetoothリモコンも付属。大型だが、給電はUSBを利用する。
光源が2つあるため、顔の左右に配置することで全体を明るく照らすことができる。明かりが眩しく感じる場合、カメラや画面など直視する部分にライトを配置しないことで軽減できるという意味でもメリットがある。
比較写真を見てわかるように、今回撮影した中ではもっとも自然なライティングができる。サイズが大きく構造も大掛かりなためスペースを取ってしまうのが難点だが、設置できるのであれば光量的にもライティングの柔軟性の面でも優れていると言える。当然というか、モデルさんからの評価ももちろんこのライトが一番高かった。
女性などの場合、明かりを直視して眩しく感じると瞳孔が収縮し黒目が小さく見えるという問題を回避できる点も利点と言えるだろう。
本製品も含む撮影時のコツとして、色温度設定ができるものは周辺の明かりに近い色に設定するとミックス光が和らぎ、カメラ側のホワイトバランスが崩れにくく写りが安定する。
中古ノートのWebカメラでも「ちょい足しライト」で写りを改善!
以上、紹介してきたように「とりあえずライトを取り付けるだけ」でも、Webカメラの写りは改善されることがお分かりいただけたと思う。今回紹介した安価なもの以外にも、カメラアクセサリーメーカー製の本格的なものまでライトの種類は様々なので、太陽を背にしていて小さなライトでは明るさが足りないというような場合でも、対策の取りようはあるはずだ。
製品の選び方については、設置スペースや持ち運ぶのか否かなど、条件によってベストなものが異なるため、これが1番とオススメすることは難しい。実際に使う場所や時間(昼夕夜の日光の変化)などを考慮した上で、最適なサイズ/機能のものを選んでみてほしい。