取材中に見つけた○○なもの

「一番信頼性が高いのはSeagate」、NAS用HDD「IronWolf」のイベントが開催

NAS用HDD「IronWolf」をアピール

 SeagateのNAS用HDD「IronWolf」のアピールイベントが9月22日に開催されました。プレゼンテーションを見てきたので、その中から気になったポイントをいくつがご紹介します。

 Seagateの担当者にうかがったところ、「NAS用HDDでは現状Seagataのモデルが信頼性が一番高い、機能面で1歩先を行くものになっている」とのことで、かなり自信があるようでした。

NAS本体により詳細なデータを提供、より細かいステータス管理ができる「IronWolf」

 この日、製品の解説を行ったのは、Seagateの長尾氏。今回はIronWolfの特徴や、NASに最適化したファームウェア「AgileArray」をアピールしていました。

選ぶなら「IronWolf」
IronWolfシリーズの特徴
Seagaetの長尾 洋平氏

 このファームウェアは5つの特徴があり、データの高速処理と電源瞬断時のデータ保護を行う「Media Cache」、起動時に電源への負荷を減らすための「Start UP Current」、動画再生時にエラーが発生してもスムーズな処理を行う「T13 Streaming Command」、RAIDアレイにエラーが発生した際にリカバリー時間を最小にする「RTL」、NAS本体により詳しいHDDのステータスを送る「IHM」が大きな特徴として紹介されました。

HDDのステータスを確認するSmartは、見たときの情報のみが見えるもの
IHMはログを見ることが可能で、ステータス変化の傾向を見ることが可能。また、Smartよりも細かくHDDの情報を見ているとのことで、計測項目も多いそう
IHMを利用することで、NASは障害が発生した際にたまたま起きた一過性のものなのか、故障が始まっているのかをデータから判断することが可能になり、HDD交換のタイミングなどがより正確にわかるようになるとのこと。この機能があることで、システム運用の信頼性を向上させられるそう
電源投入時の消費電力を抑制するStart UP Current。電源への変動負荷を減らすことでNASへの負担を減らし、長期安定運用を助けるとのこと

 特にIHM(IronWokf Health Monitoring)は重要な機能で、これはSMARTのようなステータス情報をNASに送るものなのですが、SMARTよりもより詳しい情報と、過去のデータなども参照できるようログデータも送ることができるそうです。

 HDDのステータス情報は、Seagateに限らずほとんどのメーカーが内部的には記録しているそうなのですが、このデータに他社がアクセスできるかたちにしたのはSeagateのみということで、この部分はIronWolfシリーズの大きな特徴と言えそうです。

 この機能にはASUSTOR、Synology、QNAPなど大手メーカーの複数モデルが対応。これにより、IHMのデータを元にNASがより細かい状態管理を行うことが可能になり、システムがクラッシュしてしまったり、動作の予兆から判断し、止まってしまう前にHDDの交換のアラートを出したりと、信頼性の高い運用が可能になるそうです。

 個人的にはRTLの機能が謎だったので聞いてみたのですが、これはディスクの一部でエラーが発生した際、データ自体はパリティから正しいデータを読み出し処理。併走して裏ではエラーが発生した場所にピンポイントでパリティから正しいデータを記録し直す機能だそう。HDDとNASの両方が対応した環境で有効になります。

 エラーの度合いにもよりますが、通常、エラーが発生したHDDはRAIDアレイから外れ、リビルド作業が発生し、これにはかなりの時間がかかります。RTLサポート環境であれば、使用できなかったりパフォーマンスが落ちてしまう時間を最小にできるので、なかなか魅力的な機能です。

HDDのラインナップ紹介や今後登場する新技術なども紹介

 プレゼンテーションでは、IronWolf以外のHDDラインナップの紹介や、RV(加速度)センサーを搭載するHDDの優位性、今後登場が予定されている新技術採用のHDDなども紹介されていました。特に新技術の熱アシスト磁気記録(HAMR)は、実現できれば20TB HDDなどが登場してくるので、期待したいところです。

HDDのラインナップを紹介
用途や具体的な違いなども解説
Seagateは今年で創業40年とのこと
RVセンサーの解説
RVセンサーは特にRAID環境で有効、対応台数が異なるので自分の環境にあったものを選んで欲しいそう
振動などがあっても正確なトラッキングが行えるので、最高性能を維持できるとのこと
2019年に製品リリースが予定されている熱アシスト磁気記録(HAMR)対応のHDD
ヘッドを倍にしてプラッタへの高速アクセスを可能にする「MACH.2」、挙動としてはRAID 0に近いそう