取材中に見つけた○○なもの
「一番信頼性が高いのはSeagate」、NAS用HDD「IronWolf」のイベントが開催
2018年10月2日 07:05
SeagateのNAS用HDD「IronWolf」のアピールイベントが9月22日に開催されました。プレゼンテーションを見てきたので、その中から気になったポイントをいくつがご紹介します。
Seagateの担当者にうかがったところ、「NAS用HDDでは現状Seagataのモデルが信頼性が一番高い、機能面で1歩先を行くものになっている」とのことで、かなり自信があるようでした。
NAS本体により詳細なデータを提供、より細かいステータス管理ができる「IronWolf」
この日、製品の解説を行ったのは、Seagateの長尾氏。今回はIronWolfの特徴や、NASに最適化したファームウェア「AgileArray」をアピールしていました。
このファームウェアは5つの特徴があり、データの高速処理と電源瞬断時のデータ保護を行う「Media Cache」、起動時に電源への負荷を減らすための「Start UP Current」、動画再生時にエラーが発生してもスムーズな処理を行う「T13 Streaming Command」、RAIDアレイにエラーが発生した際にリカバリー時間を最小にする「RTL」、NAS本体により詳しいHDDのステータスを送る「IHM」が大きな特徴として紹介されました。
特にIHM(IronWokf Health Monitoring)は重要な機能で、これはSMARTのようなステータス情報をNASに送るものなのですが、SMARTよりもより詳しい情報と、過去のデータなども参照できるようログデータも送ることができるそうです。
HDDのステータス情報は、Seagateに限らずほとんどのメーカーが内部的には記録しているそうなのですが、このデータに他社がアクセスできるかたちにしたのはSeagateのみということで、この部分はIronWolfシリーズの大きな特徴と言えそうです。
この機能にはASUSTOR、Synology、QNAPなど大手メーカーの複数モデルが対応。これにより、IHMのデータを元にNASがより細かい状態管理を行うことが可能になり、システムがクラッシュしてしまったり、動作の予兆から判断し、止まってしまう前にHDDの交換のアラートを出したりと、信頼性の高い運用が可能になるそうです。
個人的にはRTLの機能が謎だったので聞いてみたのですが、これはディスクの一部でエラーが発生した際、データ自体はパリティから正しいデータを読み出し処理。併走して裏ではエラーが発生した場所にピンポイントでパリティから正しいデータを記録し直す機能だそう。HDDとNASの両方が対応した環境で有効になります。
エラーの度合いにもよりますが、通常、エラーが発生したHDDはRAIDアレイから外れ、リビルド作業が発生し、これにはかなりの時間がかかります。RTLサポート環境であれば、使用できなかったりパフォーマンスが落ちてしまう時間を最小にできるので、なかなか魅力的な機能です。
HDDのラインナップ紹介や今後登場する新技術なども紹介
プレゼンテーションでは、IronWolf以外のHDDラインナップの紹介や、RV(加速度)センサーを搭載するHDDの優位性、今後登場が予定されている新技術採用のHDDなども紹介されていました。特に新技術の熱アシスト磁気記録(HAMR)は、実現できれば20TB HDDなどが登場してくるので、期待したいところです。