【 2000年3月4日号 】

Mobile Pentium IIIのリテールパッケージ販売開始

Mobile Pentium IIIMobile Pentium III
Mobile Pentium IIIMobile Pentium III

 Intelから意外な新CPUがリテールパッケージ品として登場した。それは、1999年10月に発表されたMobile Pentium IIIの450MHzと500MHz。

 名前の通りノートPCなどのモバイル機器用に開発されたCPUで、FSB 100MHz、フルスピードの256KB 2次キャッシュを統合している点など、基本的なスペックはデスクトップ用と同じ。CPUのパッケージにはBGA2とMicro-PGA2の2種類があり、リテールパッケージ品として販売が始まったのは、このうち後者のみ。Micro-PGA2はMobile Pentium IIIとFSB 100MHz版のMobile Celeronで採用されている小型ソケットに対応したパッケージで、これを利用したノートPCはメーカー側の生産効率が上がるというほかに、エンドユーザーが簡単に差し替えてアップグレードできるというメリットがある(メーカー側が保証するかどうかは別)。市販されているノートPCの中で、このMicro-PGA2を採用しているモデルはエプソンダイレクトのEndeavor NT-1000シリーズなどがある。なお、データシートによると、Micro-PGA2はFSB 66MHz版のMobile Celeronが採用しているMicro-PGA1とは若干信号線が異なる。

 ノートPC用のアップグレード可能なCPUという意味では、以前にもMMX Pentiumのモバイルモジュールがあり、実際にバルク品で単体販売も行われたものの、こちらはほとんどエンドユーザーに定着せずに消えてしまった。はたして、リテールパッケージとして登場した今回のMobile Pentium IIIはどうなるだろうか。

 今のところ扱っているのはOVERTOPのみで、価格は450MHzが24,800円、500MHzが31,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。なお、今回の2モデルは、電圧や動作クロックを動的に変化させるSpeedStepには対応していない(600MHz以上のモデルが対応している)。

[撮影協力:OVERTOP]


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