【 2000年4月22日号 】

世界最小のベアボーンPC?手のひらサイズの「Espresso」
i810搭載でSocket 370に対応、2.5インチHDDを内蔵

手のひらサイズコネクタ類
【手のひらサイズ】【コネクタ類】
CD-ROM+FDDドッキング状態
【CD-ROM+FDD】【ドッキング状態】
内部チップセット
【内部】【チップセット】
パッケージデモ中
【パッケージ】【デモ中】

 手のひらサイズでフルスペックのベアボーンPCを発見した!と言っても、ほとんどの人は信じないかも知れない。しかし、それは紛れもない事実。なにしろ、実際にアキバで値段がついて売られているのだ。

 フルスペックの最新PC環境を持ちながら、サイズは手のひらサイズという衝撃的な超小型ベアボーンPC、それが台湾SAINTSONG製「Espresso」だ。

官製ハガキ大のフルスペックPC

 「Espresso」は、i810チップセットを搭載したSocket 370対応マザーボードをベースに、2.5インチHDDや各種I/Oコネクタ、ポインティングデバイスなどを凝縮して収納する超小型ベアボーンPC。寸法は150mm×106mm×32mmとほぼ官製ハガキ大で、ちょうど手のひらに収まるサイズになっている。重さは460g。対応しているCPUはCeleronとPentium IIIで、マニュアルによると動作クロックは466MHz以上をサポートしている。メモリはマザーボード裏面にあるスロットにノート用SO-DIMMを装着するかたちになる。

 官製ハガキ大のマザーボード上には、片側半分にCPUソケットが搭載され、その上にCPUと専用CPUクーラーが載り、もう片側にはチップセットと9.5mm厚の2.5インチHDDが重なって実装される。電源は本体にはなく、15V出力のACアダプタを利用する。なお、CPUクーラーは本体表面にある穴から吸気を行い、側面にある穴から排気を行う仕組みになっている。

 本体にはこのほか、電源スイッチ、スピーカー、ボリューム、USB×2、VGA、ビデオ出力、PS/2×2、イヤホン、マイクといった端子やデバイス類があり、本体表面にはタッチパッド式のポインティングデバイスまでついている。ここまで来ると、あと足りないのはシリアルとパラレル、それにFDDとCD-ROMドライブだけということになるが、この「Espresso」は標準同梱品としてドッキングポート経由で合体可能なシリアルとパラレルポート内蔵のFDD+24倍速CD-ROMドライブ(6倍速DVD-ROMモデルもある)も用意されている。使用するシーンに合わせ、このドッキングデバイスを着脱すれば、自由にスペックを変えられるというわけだ。

 特殊なデバイスなどは一切使用せず、一般的なPC用パーツだけで構成されているため、基本的な扱いは普通のPCとまったく変わらない。特殊なデバイスドライバなども必要なく、OSもWindows 98/NT/2000、Linuxなどがそのまま動く。また、ポインティングデバイスについてはWindowsでは標準ドライバで動くのはもちろん、専用のツールも同梱されており、これは日本語化まで行われている。

使い道は?

 出張用PCやプレゼン用PCとして使うも良し、普段使っているデスクトップPCの隣にサブとして置くのも良し、あるいはMP3や動画再生用の携帯ジュークボックスとして使うのも面白そうだ。見た目を気にせず、バッテリーをなんとか調達できれば、付属のキャリングケースを利用して腰に本体を下げ、さらにEyeTrekなどのヘッドマウントディスプレイと組み合わせ、強力なモバイルPCとして使うこともできそうだ。要するに使い道は使う人のアイデア次第ということになる。

 販売しているのはツクモパソコン本店IIで、CD-ROMドライブ同梱モデルを79,800円で販売中(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。CPU、HDD、メモリはもちろん別売り。ただし、初回は1台のみの販売で、本格的な入荷はDVD-ROMドライブ同梱版も含めて翌週の週末付近になるそうだ。DVD-ROMドライブ同梱版は89,800円で、現在は予約を受け付け中。

 あんなに小さくて本当にちゃんと動くの?と疑問に感じる人は、同店の3Fで行われているデモを覗いてみるといい。そこで世界最小のベアボーンPCがきちんと完成品として動作しているのが見られるはずだ。

□Espresso(SAINTSONG)
http://www.saintsong.com.tw/it/english/prod/espresso.htm

[撮影協力:ツクモパソコン本店II]


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