【 2000年5月20日号 】

世界初のUltra ATA/100対応をうたったAthlon用マザー登場
型番は「KA7-100」、謎多きスペック表記に混乱?

23,000円程度パッケージ
【23,000円程度】【パッケージ】
KA7-100HPT370用ドライバー
【KA7-100】【HPT370用ドライバー】
注目!!HPT370
【注目!!】【HPT370】
将来のATA仕様KA7とKA7-100
【将来のATA仕様】【KA7とKA7-100】

 世界初のUltra ATA/100対応をうたったマザーボードがABITから登場した。Apollo KX133チップセットを搭載したAthlon用マザーボード「KA-7」にUltra ATA/100対応コントローラーを付加した製品で、型番は「KA7-100」。

ただし、肝心なUltra ATA/100に関するスペック表記がバラバラで、かなり混乱している面も見受けられる。

コントローラーはHPT370

 「KA7-100」はABITが17日(水)に正式発表したばかりの最新Athlon用マザーボード。従来モデルの「KA7」をベースに、Ultra ATA/100対応コントローラーをオンボードにした製品で、公式にUltra ATA/100対応をうたった製品として販売されるのは、もちろんこれが世界初。Apollo KX133チップセットを搭載し、PCIは最大6本使用可能、DIMMスロットは4本備えている。

 見た目は従来モデルの「KA7」とほとんど同じで、相違点はIDEコネクタが2つか4つかの違いと、その隣にUltra ATA/100用のコントローラーが載っているかどうかの違いのみ。このコントローラーを搭載するための空きパターンをもともと持っていた「KA7」の基板をそのまま流用しているようで、マザーボード上の製品マーキングは「KA7」とだけ書かれている。

 搭載しているUltra ATA/100対応コントローラーが具体的にどういう型番のものなのかは、ABITの発表資料には一切記述がなく、また販売中の製品もコントローラー上に「KA7-100」と書いたシールを貼って“目隠し”しているため、一般にはわからない。そこで確認のためにシールを剥がしてみると、そこには「Highpoint HPT370 0008 V002」とマーキングされているのがわかった。つまり、これはHighPoint Technologies製の最新IDEコントローラーHPT370というわけだ。なお、付属の日本語マニュアルには、しっかり「HPT370」と型番が記されているほか、HPT370用のWindows 2000対応ドライバなども同梱されている。

 注意が必要なのは、このHPT370経由のIDEコネクタには、ATAPI用など非ディスクデバイスを接続しないよう推奨する注意書きがマニュアルにあること。CD-ROMドライブなどは、Apollo KX133チップ経由の標準IDEコネクタ側につなげるのがベストなようだ。

スペック表記に混乱

 肝心なUltra ATA/100対応に関する記述がバラバラであるところが、この製品の困ったところ。ABITと国内代理店のバーテックスリンクのプレスリリースには、はっきり「Ultra ATA/100」と記されているものの、実際に販売されている製品を見てみると、リテールパッケージ上にもマニュアルにも、この名前は一切出てこない。付属の日本語マニュアルには「将来のATA仕様に対応」という微妙な表現でUltra ATA/100対応とも読める記述があるものの、明確な表記はない。これには売る側のショップも困った様子で、あえて店頭ではUltra ATA/100に関する告知を行わない方針、というショップもあった。

 そもそも、「Ultra ATA/100」に関しては、ABIT自身がプレスリリースで「Ultra DMA/100」という別の名前を併記しているほか、Web上の製品情報では「Ultra DMA 66 plus」としているなど、メーカー自身が混乱気味。先週発売されたばかりのIBM製最新3.5インチHDD、Deskstar 75GXPシリーズも、対応インターフェイスについては「Ultra ATA/66+」と表記しており、このあたりどこのメーカーも足並みが揃っておらず、エンドユーザーとしては困ってしまうところ。

先進ユーザーの興味を刺激するか?

 もちろん、こうした混乱は新しい規格が浸透を始める初期段階特有のもので、むしろ新しいもの好きのPCユーザーにとっては、試し甲斐のある格好の状況とも言える。価格の下がったAthlonと最新のApollo KX133チップセット搭載マザーボード、そしてまだ誰も体験したことのないUltra ATA/100環境という組み合わせを、自らの試行錯誤で完全制覇するというのも面白そうだ。その意味では、単なるCPUのスピード競争に飽きてしまったというヘビーユーザーや、Pentium IIIからAthlonへの乗換えに躊躇していたという人に対しても、この「KA7-100」は新たな興味を植え付けそうだ。

 注目株だけに、「KA7-100」は多数のショップで販売中。価格は19,800円~24,500円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

□KA7-100(ABIT)
http://www.abit.com.tw/english/product/ka7-100.htm
http://www.abit.com.tw/english/press/2000/press72.htm
□HighPoint Technologies
http://www.highpoint-tech.com/
□KA7-100販売開始(バーテックスリンク)
http://www.vertexlink.co.jp/news/press/2000051801.html

[撮影協力:DAV2号店TWO-TOP秋葉原1号店T-ZONE. PC DIY SHOPツクモパソコン本店II]


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