【 2000年5月27日号 】

初のFC-PGA用Dual Socket 370対応マザーボードがASUSから登場
ServerSet III LEチップセット搭載のサーバー用

ASUS CUR-DLS108,000円
【ASUS CUR-DLS】【108,000円】
Dual Socket 370ターミネータ
【Dual Socket 370】【ターミネータ】
ServerSet III LEパッケージ
【ServerSet III LE】【パッケージ】
Now Dual Processor CapableFC-PGA版Pentium III(BOX)
【Now Dual Processor Capable】【FC-PGA版Pentium III】

 Dual CPU運用に対応した初めてのFC-PGA版Socket 370用マザーボードがASUSから発売になった。発売されたのはServerSet III LEチップセットを搭載したサーバー用の「CUR-DLS」で、ほぼ同じタイミングでDual対応を公式にうたったSocket 370用Pentium IIIも出回り始めている。

 マザーボードの価格が108,000円と高価なため(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、個人での利用は難しいが、なによりSocket 370用のFC-PGA版Pentium IIIを使ってDual CPU環境が構築可能になったという意義は大きい。これまでにもDual CPU対応うたったSocket 370用マザーボードとしてABITの「BP6」の存在が知られているが、これはあくまでもPPGA版のSocket 370用Celeronのみをサポートした製品で、そもそもDualサポートではないCeleronを使うイレギュラーなもの。

高密度設計のマザーボード

 「CUR-DLS」はServerWorks(旧RCC)のServerSet III LEチップセットを搭載したサーバー向けのマザーボード。Socket 370を2つ搭載し、FC-PGA版のSocket 370用Pentium IIIを使ったDual CPU運用をサポートする。サーバー向けの製品だけに、マザーボート上にはビデオチップ(ATI Rage XL/4MB)、Ultra2 SCSIインターフェイス(LSI Logic 53C896)、LANインターフェイス(Intel 82559)など、ありとあらゆるコントローラーをオンボード搭載し、スロットも64bit/33MHz PCIを2本、32bit PCIスロットを5本も備える豪華仕様になっている。さらにAMRにも似たASMCというスロットも用意されているが、これについては現行の製品にマニュアルが付属していないため、詳細はわからない。DIMMスロットは4本あり、当然のことながら、FSBは133MHzまでサポートしている。

 これだけの機能を詰め込みながら、マザーボードのサイズは一般的なATXサイズにほぼ収められているため、見た目はとても高密度な印象を受ける。また、外観で最も目新しいのは、片方のSocket 370に取り付けられている薄い板状のCPUターミネータで、一見するとアップグレードキットなどで使われる“ゲタ”と見間違いかねないものになっている。従来のSlot 1やSlot 2用Dual対応マザーボードがそうであるように、このマザーボードを使ってCPU 1個だけの運用を行う場合には、このターミネータを使うことになる。

 この「CUR-DLS」をいち早く販売し始めたのは、TWO-TOP秋葉原1号店。価格は108,000円と非常に高価だが、同店5Fのマザーボードフロアには誰もが見られる形で実物を展示中なので、興味があるという人はまず同店に足を運んで自分の目でチェックしてみるといい。ただし、現時点ではマニュアルが付属しないとのことなので、購入を考えている人は、予め頭に入れておく必要がある。

Pentium IIIに「Now Dual Processor Capable」の文字

 これまでは、FC-PGA版のSocket 370用Pentium IIIを使うという条件では、CPUもマザーボードもDual対応製品がなく、Dual CPU運用は事実上実現できないという状態だったが、これで少なくともマザーボードは入手可能になった。

 そして、実はCPUもDual対応になった新しいバージョンのSocket 370用Pentium IIIが最近になって出回り始めている。sSpecを頼りに見分けることさえできれば、バルク品での入手ももちろん可能だが、最近ではPACK DATEの日付が4月後半の比較的新しいリテールパッケージに、しっかり「Now Dual Processor Capable」という文字が明記されているのが確認されており、これを判断材料にすることでIntelの正式なサポートが受けられるDual対応製品も確実に入手可能だ。

 ただし、現在は店頭在庫でDual対応と非対応のバージョンが混在しているため、バルク品で手に入れるにしろ、リテールパッケージで手に入れるにしろ、Dual対応のSocket 370用Pentium IIIを確実に入手するのであれば、必ず購入前に対応品かどうか確認する必要がある。

 マザーボードもCPUも出たことにより、これでSocket 370用Pentium IIIを使ってのDual CPU運用がやっと構築可能になった。まだ個人が簡単に構築できる状態とはいえないが、これを皮切り出てくるであろう今後の製品に期待が集まりそうだ。

[撮影協力:TWO-TOP秋葉原1号店]


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