“Spitfire”こと低価格PC向けのSocket A用CPU「Duron」登場
600/650/700MHzが1万円前後の低価格で出回る
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【750MHzも近日入荷】 | 【入荷しました】 |
「Duron」は2次キャッシュを統合した新型Athlonコアをベースに、2次キャッシュ容量を減らすなどした廉価版のCPU。アキバでの実売価格も600MHzで1万円前後をつけるなど、初物価格ながらCeleronを下回る低価格ぶりを見せている。
●Celeronより安いDuron
出回り始めたDuronは600MHzと650MHzと700MHzで、価格は600MHzが9,990円~14,700円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、650MHzが12,790円~16,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、700MHzが18,900円~22,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと) 。これらは初物価格ながら、同クラスのCeleronと比較するとかなり安く、早くもコストメリットを実証したかたちになっている。このあと流通が本格化すれば、さらに価格が安くなることも十分考えられそうだ。
なお、Duronのキャッシュ容量など詳細な仕様については、17日(土)時点でまだ正式に発表されていないため不明。プレス向け会見などでこれまでに明らかにされている内容からすると、1次キャッシュは128KB、2次キャッシュは64KBと見られる(新型Athlonの2次キャッシュは256KB)。
●AthlonとDuronは見た目ソックリ
店頭で見る限りDuronの形状はSocket A版Athlonとほとんど同じで、一見しただけではAthlonとDuronの見分けはつかない。製品の位置付けもそうだが、形状がそっくりという点でも、AthlonとDuronはFC-PGA版のPentium IIIとCeleronの関係とよく似ている。
しかし、よく見るとAthlonとDuronではCPUコアのサイズが異なっているほか、コア上にあるマーキングの内容も異なっているのがわかる。まず、コアのサイズは実測値でAthlonが9mm×13mmであるのに対し、Duronは9mm×11mmと小さく、CPUコアの長辺を手前にして見るとDuronはAthlonより幅が短く見える。逆にCPUコアの右隣にある斜線マークのような部分はDuronの方が長く、Athlonの方が短くなっている。これはセラミックパッケージ上に予め用意されているCPUコア用端子ホールの未使用部分で、DuronはCPUコア部分の幅が短い(使用幅が短い)ぶん、この未使用部分が長くなっている。
Duron 650MHzのCPUコア上のマーキングは「AMD Duron TM D650AST1B AKAA0021APCW 91647250199 (m)(c)1999 AMD」となっている。Athlonと比べると、CPUの名前が違うのはもちろんのこと、CPUクロックを表す項目が4桁から3桁に減っているのがわかる。ほかの細かい内容については、データシートが公開されていないため詳細は分からない。
●正式発表前だけにテストの価値あり?
公式な仕様が発表されていない段階だけに「Duron」には謎が多い。この謎を解明にするには実際に動作させてテストする必要があり、すでにMicrostar製のApollo KT133チップセット搭載Socket A対応マザーボード「MS-6340」も一部ショップで販売が始まっている。また、各店で来週には同じくMicrostar製の「K7TPro」も入荷すると予告しており、実際に動作させるための環境は整う方向にある。評価が定まってから新しいSocket Aの世界に飛び込むのか、あるいは“Socket A夜明け前”のうちに前へ進むのか、その判断は本人次第だ。
なお、AMDはDuronの正式発表を「今月中」と予告している。
□Duron(日本AMD)
http://www.amd.com/japan/products/cpg/duron/
(AMD CPU) |
[撮影協力:コムサテライト1号店とUSER'S SIDE本店とPCiN秋葉原]
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