【 2000年6月24日号 】

Socket Aに対応したマザーボードが新たに3種類登場
Microstar、FIC、Soltekの製品が出回る

K7T PRO誤記ありマニュアル
【K7T PRO】【誤記ありマニュアル】
K7T PRO日本語版K7T PRO中文版
【K7T PRO日本語版】【K7T PRO中文版】
AZ11AZ11パッケージ
【AZ11】【AZ11パッケージ】
SL-75KVSL-75KVパッケージ
【SL-75KV】【SL-75KVパッケージ】
GA-7ZM(Sample)EP-8KTA(Sample)
【GA-7ZM(Sample)】【EP-8KTA(Sample)】

 新型AthlonとDuronを動作させるためのSocket A対応マザーボードが新たに3種類登場している。

 Microstarから「K7T PRO」、FICから「AZ11」、Soltekから「SL-75KV」が出回り始めたもので、実売価格はそれぞれ1万円後半。

Microstarから2製品目登場

 Microstarから「MS-6340」に続く第2弾のSocket A対応マザーボードとして登場したのは「K7T PRO(MS-6330)」。Apollo KT133チップセットを搭載したATXマザーボードで、拡張スロットはAGP×1、CNR×1、PCI×6、DIMM×3となっている。各ショップにはMicrostarの日本法人であるエム・エス・アイコンピュータジャパン経由の国内正規品と並行輸入品の中文版が出回っており、16,700円~19,800円の実売価格で販売されている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ただし、中文版については日本法人によるサポートが受けられないので注意が必要だ。

 なお、同梱されている英文マニュアルの表紙には誤って製品名が「K7Z Pro」と記されているが、これはチップセットが改称される前のApollo KZ133だったころに予定されていた製品名のようだ。本文のほうは全て「K7T PRO」と正しく製品名が記述され、Revision Historyには「Revision 1.0A VIA KZ133 chipset rename to VIA KT133 chipset.」と、チップセット改称に伴う変更作業の履歴が記されている。

FIC製はI/Oコネクタが変則的

 FICからはApollo KT133チップセット搭載の「AZ11」が出ている。ATXフォームファクタのマザーボードで、拡張スロットはAGP×1、PCI×5、DIMM×3という構成になっている。CNRスロットは持っていない。マザーボードの外観に特徴があり、I/Oバックパネルを手前にして見ると、PCIスロット2本分にあたる表面右側5分の1に配線パターンが見られず、スッキリした見た目になっている。おそらくこの製品は、microATXバージョンの「AZ31」をベースとし、PCIスロットを2本追加してATX化したものと考えられる。

 この製品の特徴のひとつは「MAGIC_TUNNER」というCPUへの供給電圧を上げるジャンパ設定を持っていること。具体的な電圧値や、コア電圧とI/O電圧のどちらに影響するのかなど詳しい仕様は不明だが、一時ショップで展示されていたサンプル品に付属していたQuick Referenceには「for CPU Over Voltage Driving」との解説が明記されていた。また、Web上の製品情報によると、起動時にトラブルが発生すると音声でその内容を知らせる「AudioAlertII」をサポートし、Windows実行中にFSBの設定変更が行えるツール「Clockometer」が付属するなどの特徴もあるようだ。なお、I/Oコネクタがやや変則的で、COM2とゲームポートが省略されているので要注意。

 実売価格は17,700円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

Soltek製はAGP ProとISAスロットあり

 Soltekから登場したのは、やはりApollo KT133チップセットを搭載した「SL-75KV」。これもATXフォームファクタで、拡張スロットはAGP×1、PCI×4、PCI/ISA×1、DIMM×3となっている。CNRがないかわりに、Socket A対応マザーボードでは初のISAスロットとAGP Proスロットを持っているのが特徴といえる。

 マニュアルやWeb上の製品情報によると、最大150MHzまでFSB設定をサポートしているほか、BIOSでCPUのコア電圧とI/O電圧の調整が可能になっている。

 実売価格は17,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

Socket Aの環境が整い始める

 流通量はまだそれほど多くないとはいえ、これで入手可能なSocket A対応マザーボードは計4種類に増えたことになる。また、このほかにも一部ショップでは近日入荷する予定のSocket Aマザーボードとして、EPoXの「EP-8KTA」(ツクモパソコン本店II)、GIGABYTEの「GA-7ZM」(T-ZONE. PC DIY SHOP)をサンプル展示しているところもある。

 Socket A対応のAthlonとDuronも流通量が増える傾向にあり、確実にSocket Aの環境は整う方向で動き始めている。これから「Socket 370対Socket A」の対決が面白くなりそうだ。

□K7T PRO(Microstar)
http://www.msi.com.tw/Product/mainboard/k7tpro.htm
http://www.msi-computer.co.jp/product/product_motherboard/socketa/socketa_0.html
□AZ11(FIC)
http://www.fic.com.tw/motherboards/az11/az11_intro.htm
http://www.1st-fic.co.jp/item/socketa/az11/az11.html
http://www.1st-fic.co.jp/whatsnew/000608.html
□SL-75KV(Soltek)
http://www.soltek.com.tw/English/products/75kv.htm

 (K7T PRO)
 (AZ11)
 (SL-75KV)

[撮影協力:コムサテライト1号店フェイスUSER'S SIDE本店PCiN秋葉原T-ZONE. PC DIY SHOPツクモパソコン本店II]


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