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ようやくVIAのSocket 370用CPU「Cyrix III」がデビュー果たす
500MHzが7,800円、533MHzが9,500円
【M IIIではありません】 | 【Cyrix III販売中】 |
【Cyrix III 500MHz(表)】 | 【Cyrix III 500MHz(裏)】 |
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【Cyrix III 600MHz(表)】 | 【Cyrix III 600MHz(裏)】 |
【兄弟達(表)】 | 【兄弟達(裏)】 |
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紆余曲折の末にやっとデビューした初のP6バス互換CPUは、アキバの自作PC市場で果たして受け入れられるだろうか。
●難産だったCyrix III
「Cyrix III」は、VIAがCyrixとIDTのCPU事業を買収してから初めて自社ブランドでリリースするCPUで、基本的にはCeleron対抗の低価格PC向け製品という位置付けになっている。
実のところ、このCPUに関しては製品の内容そのものよりも、市場に出てくるまでの紆余曲折の方があまりにも有名で、期待感よりも「やっと出たか」という感想を持つ人の方が多いかも知れない。開発コードが途中で1度変わっているほか、最初の製品発表ではCyrixベースのJoshuaコアだったものが、2度目の製品発表ではIDT WinChipベースのSamuel1に変わっていた、などの経緯がある。
対応するCPUインターフェイスはSocket 370で、FSBは100MHzと133MHzに対応、128KBの1次キャッシュを内蔵している。ただし、2次キャッシュは内蔵していない。SIMD命令としてはAMDの3DNow!をサポートする。基本的にはマザーボードからCeleron互換のCPUとして見え、ほとんどの場合はBIOS更新の必要もなく既存のマザーボードで動作することがすでに確認されている(詳細は「AKIBA PC Hotline! HotHot REVIEW 番外編:VIA Technologies Cyrix III日本最速レビュー」参照のこと)。
●謎?なぜか微妙に違う500MHzと533MHz
扱っているのはコムサテライト1号店の1店のみで、100MHz×5で動作する500MHzは7,800円、133MHz×4で動作する533MHzは9,500円で販売されている(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。初物価格ながら1万円を割っているところは、まさに低価格PC用CPUであることを証明している。なお、マーキング上の仕様を見る限り、どちらも動作電圧は1.8Vとなっている。
外観はSocket 7用のCyrix M IIや6x86MXとほとんど同じで、セラミックのベース部分を基本に、表面中央部には丘状に盛り上がった金色のHEAT SPREADERがあり、裏側(ピン側)中央部にもコアのカバーにあたる黒い丘状部品が付けられている。マーキングの内容は、500MHzを例にとると、表側には「VIA Cyrix III Processor VIA Cyrix(R)III-500MHz 100MHz BUS 5.0X 1.80V HEATSINK REQUIRED」とあり、裏側には「(C)(M)VIA Cyrix(R) 500MHZ(100X5.0) 0026 TAIWAN A300BN01691」と記されている。533MHzも最後のシリアルナンバーとクロックに関する数値が違う以外は同じパターンで記されている。
不思議なのは、500MHzと533MHzで外観が微妙に異なっている点。まず、セラミックの色が異なり、500MHzを標準的な赤茶色とすると、533MHzはやや灰色がかった赤茶色になっている。微妙な差ではあるが、両者を並べて見ると一目瞭然だ。面白いことに、兄弟関係にある(?)M IIやWinChip2と並べて色を比較してみると、500MHzはM IIと同じ色で533MHzはWinChip2と同じ色であることがわかる。また、このほかにも、表面のHEAT SPREADER周囲にある余白の金色部分が500MHzと533MHzとで違い、500MHzの方が幅が広くなっている。さらに、表面にある1番ピンの場所を指すマークが、500MHzでは五角形で、533MHzでは一般的な矢印状の三角形という違いもある。
どちらも台湾での製造品で、工場が違うとも思えず、こうした違いに何か意味があるのかどうかは不明。なお、実際にSOLTEKのApollo Pro133Aチップセット搭載Socket 370マザーボードSL-65JVB-Xで動作させてみたところ、どちらもCyrix IIIとBIOSで正常に認識され、2次キャッシュは0KBと表示された。Joshuaコアならば2次キャッシュが内蔵されているはずなので、外観に違いはあるものの、どちらもSamuel1コアであることは間違いないようだ。
●自作マーケットでは予備用CPU扱い?
それほど高い性能が期待できるわけではないが、互換性の高さと安さを考えれば、「Cyrix III」は自作PCマーケットでは予備用CPUとして、あるいは低コストなサブマシン用CPU、もしくはコレクターズアイテムとして価値を見出すことが出来るかも知れない。
まだ販売はされていないものの、フェイスではCyrix III 600MHzを店内で参考展示中。マーキングを見る限り、この600MHzの動作電圧は500MHや533MHzと違い、1.9Vになっている。この600MHzも、そう遠くないうちにアキバでデビューを飾ることになりそうだ。
□Cyrix III(VIA Technologies)
http://www.via.com.tw/products/cyr3.htm
【AKIBA PC Hotline! HotHot REVIEW】番外編:VIA Technologies Cyrix III日本最速レビュー
http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20000622/hotrev66.htm
(Cyrix CPU) |
[撮影協力:コムサテライト1号店とフェイス]
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