【 2000年7月29日号 】

暑い夏にヒートパイプ付きのCPUクーラーはいかが?

TRITONTRITON
TRITONTRITON
TRITONTRITON

 また変わったCPUクーラーが現れた。今度はノートPCなどで実績のあるヒートパイプを応用した製品で、自由なスペースが確保できるPCケースの外側にまでCPUの熱をいったん伝え、そこで強力に冷やそうというもの。かつて真っ先に個人用の水冷キット「POSEIDON」を開発・販売したコムネットが売り出した製品で、今度の製品は「TRITON」という。

 ヒートパイプとは文字通り熱を伝達するパイプのこと。ウィックという網目状材料を内張りした金属パイプの中に少量の液体が封入されており、これが片方で熱せられると蒸気流となって他方に移動し、他方で冷やされるとまた液体化してウィックを通して元に戻るという対流構造を利用した熱伝導媒体。高密度実装で熱源へ直接冷却装置を設置できないノートPCなどでは、本体中央付近にあるCPUの熱をいったんヒートパイプで本体の端まで移動させ、そこでファンで冷やすという方法がとられる。デスクトップPCも最近はCPUクーラーが巨大化する一方で設置スペースの確保が難しくなっているため、同じ手法で解決しようというわけだ。

 「TRITON」は、CPUの熱を受けるバッファ板と4本のヒートパイプなどがセットになった内部用熱交換ユニットの「TRITON model7」(Socket 7/370用)と「TRITON model1」(Socket 1/A用)、ケース外で放熱を行う「TRITON放熱機」の3つに分かれており、それぞれCPUに応じて必要なパーツを組み合わせて購入するかたちになっている。ちなみに、TRITON model7は取りつけ金具の問題でSocket Aには対応していないので注意が必要。また、ヒートパイプの長さが足りない場合に使用する「ヒートパイプ延長キット」や、折れやすいヒートパイプを安全に曲げるための「ヒートパイプ折り曲げ用治具」もオプションとして別に用意されている。

 実際に設置するにはPCケースに穴を空けるなどの加工も必要だが、うまく加工さえ出来れば、PC内部のスペースとはまったく関係なく、外側で自由にヒートシンクやファンを選んで冷却できるということになる。巨大なヒートシンクをつけて扇風機で冷やすという手もあるし、発熱の状態が外側にあって確認しやすいといメリットもある。とても素人には扱えない上級者向けの製品だが、PC内部のスペース問題で常に頭を悩ましている人には一つの有力な解決策になるかもしれない。

 ただし、それぞれのパーツが10,000円前後と高価なため、最低限の組み合わせでも20,000円は下らない(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。勇気と知識のほかに財力も必要な製品なので、その点は予め覚悟が必要だ。CUSTOMで販売しているほか、高速電脳でも近日販売する予定で、店内でデモすることも検討中とのこと。

□TRITON(コムネット)
http://www.cmnt.co.jp/cp/triton/index.html

 (CPUクーラー)

[撮影協力:CUSTOM高速電脳]


[前の記事]: 衝撃の問題作その2、金箔で覆われた10万円PCケース
[次の記事]: またショップ再編の動き?移転や業態転換など相次ぐ

[ Back ]戻る