【 2000年8月26日号 】

ASUSから初のi820Eチップセット搭載マザー「CUC2」が発売に
ICH2を搭載してUltra ATA/100をサポート、メモリはRIMM

i820E搭載マザー登場CUC2全景
【i820E搭載マザー登場】【CUC2全景】
ICH2MCH
【ICH2】【MCH】
2スロット構成のCNRパッケージ
【2スロット構成のCNR】【パッケージ】

 i820Eチップセットを搭載したSocket 370対応マザーボード「CUC2」がASUSから登場した。i820Eはi815Eと同じICH2を搭載したi820チップセットの後継チップセットで、Ultra ATA/100への対応、LANインターフェイス論理層の内蔵、USBポートを4ポートサポートするなどといった特徴を持つ。ただし、i820でリコール問題まで引き起こしたMTHをサポートしないため、対応可能なメモリが現状非常に高価なRIMMのみになっている。

i820Eはi820の改良版

 i820Eはi820の後継にあたるIntelの最新チップセット。i820といえば、RIMMの量産準備問題やRIMM 3本使用時の不具合などで2度も発表が延期されたうえ、さらに流通が始まってからMTHの不具合が発見され、マザーボードも含めてリコールされるという事態にまで発展した、曰く付きのチップセット。そのi820を改良したのがi820Eで、ICH(I/O Controller Hub)が最新のICH2に置き換わっている。ICH2はi815Eですでに実績のあるチップで、USBコントローラーを2つ(4ポート)搭載し、Ultra ATA/100に対応、LANインターフェイス論理層を搭載しているなどの特徴をもつ。

 i820でリコールの原因となったMTHをサポートしていないというのも特徴のひとつで、結果的にメモリはSDRAMに対応せずRIMMのみになっている。

マザーボード第1弾はASUSから

 i820Eチップセットを搭載したマザーボードの第1弾として登場したのは、ASUSの「CUC2」。Socket 370対応のATXマザーボードで、PCI×4、PCI/CNR×2、AGP Pro×1、RIMM×2というスロット構成になっている。LANインターフェイスの物理層がオンボードになっていないため、LANインターフェイスを使う場合はCNR経由かPCI経由で増設する必要がある。CNRスロットが2本構成になっているのはASUS独特の部分だが、オーディオCNRカードとネットワークCNRカードを使う場合はそれぞれ1枚のみでの動作しかサポートされず、モデムCNRカードと他のCNRカードとの併用時は挿入するスロットの順番が特定されるなど、いくつもの条件があるので要注意。

 取り扱いショップは6店で、実売価格は21,800円~23,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

「今度は大丈夫なんだろうな」

 現状高価なRIMMのみしか使えない点と、i820のリコール騒動での決定的なダメージもあって、さほどi820Eへの期待度は高くないというのが実状だが、RIMMによる広いメモリバンド幅を必要とするPCでは、最新のi820E搭載マザーボードがその威力を発揮するに違いない。

 i820のリコールではマザーボードメーカーやショップも巻き込んでの大騒動となっただけに、このi820Eではたして信用回復となるのかどうか。「今度は大丈夫なんだろうな」とは、あるショップ店長の弁だが…。

□Intel 820E chipset(Intel)
http://www.intel.com/design/chipsets/820e/
□CUC2(ASUSTeK Computer)
http://www.asus.com.tw/products/Motherboard/pentiumpro/cuc2/

 (ASUS CUC2)

[撮影協力:PCiN秋葉原高速電脳]


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