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初のDDR SDRAM対応マザーボード「GA-7DXC」「KA266-R」がデビュー
両製品ともDDR SDRAM DIMMを同梱して販売中
【GA-7DXCのパッケージ】 | 【シールを剥がすと…】 |
【AMD 761のマーキング】 | 【DDRと非DDRの違い】 |
【KA266-Rのパッケージ】 | 【KA266-R】 |
【MAGiK1のNorthBridge】 | 【赤いPC2100 DDR SDRAM】 |
【ASUS CUV266】 | 【ASUS A7M266】 |
また、これまでごく限られたショップでしか販売されていなかった単体のDDR SDRAM DIMMも、今週から取扱店が若干増え、このほかにもASUS製のDDR SDRAM対応マザーボードのサンプル展示が始まるなど、DDR SDRAMに関する動きが急展開している。
●本命次世代メモリの環境がついに実現
両製品とも、見た目は一見何の変哲もないごく普通のSocket A用マザーボードだが、何よりDDR SDRAMサポートの最新チップセットを搭載しているのが画期的な点。
Socket Aで動作するAhtlonとDuronはこれまで、CPUのFSBのみマザーボード側供給クロックのDDR(Double Data Rate )、つまり倍速で動作し、メモリはそのままという環境だったが、新型チップセットがDDR SDRAMをサポートすることで、メモリもFSBと同様のDDRの環境になる。DDR SDRAMは、100MHzのDDR(200MHz)で動作するPC1600と、133MHzのDDR(266MHz)で動作するPC2100という規格があり、バンド幅はそれぞれ1.6GB/s、2.1GB/s。次世代メモリの本命は、一時RDRAM(RIMM)と言われていたが、紆余曲折の末、今ではDDR SDRAMが本命として確実視されている。
DDR SDRAM DIMMの単体販売は先にアキバでも始まっていたが、対応マザーボードが発売されるのはこれが初。これで、ようやく一般ユーザーがDDR SDRAMの動作環境を構築できる材料が全て整ったことになる。
●GIGABYTE製は限定仕様?FSB 266MHzをサポートせず
2製品のうち、流通量が多くて入手が比較的容易なのはGIGABYTEの「GA-7DXC」。この製品は、チップセットのNorthBridgeにAMD-761を採用、SouthBridgeにはApollo KT133などで使われている見慣れたVT82C686Bを採用している。製品にはPC2100 DDR SDRAM DIMMが1枚同梱されており、実売価格は44,800円~49,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
しかし、今回発売となった「GA-7DXC」には注意しなければならない点がある。それは、製品仕様が期待されていたものとは異なり、一部限定的な仕様になっている点。
GIGABYTEのDDR SDRAM対応マザーボードといえば、11月中旬に一部ショップがサンプル展示や入荷予告を行った「GA-7DX」が知られているが、今回発売された製品は一字違いの「GA-7DXC」。型番も見た目もソックリだが、実のところ両者は似て非なる製品になっている。メーカー公式の製品情報を見る限り、両者ともハードウェア的な仕様はまったく同一だが、どういうわけかFSBとメモリのサポート範囲が異なり、「GA-7DX」が133MHzのDDRで実現されるFSB 266MHzとPC2100 DDR SDRAMをサポートしているのに対し、「GA-7DXC」はあくまで100MHzのDDR環境であるFSB 200MHzとPC1600 DDR SDRAMのみのサポートに限定されている(保証外でユーザー自身がFSB 266MHzとPC2100 DDR SDRAMの動作設定にすることは可能)。
チップセットの仕様から考えれば、「GA-7DX」の製品仕様が本来妥当で、「GA-7DXC」はイレギュラーということになるが、なぜこうなったのかは公式には不明。実際、マザーボード上の型番を示す「GA-7DXC」と書かれたシールを剥がすと、シルク印刷された「GA-7DX」という文字が出てくるあたり、もともとは両者は同じもので、おそらく、FSB 266MHz(133MHzのDDR)対応の新型Athlonがまだ市場に出ていないということや、チップセットのリビジョンの問題などと関連して限定仕様になったものと推測される。とにかく理由が何であるにしろ、購入を検討している人にとってはサポート範囲が限定されているという点は見逃せない点。購入するにしても、この部分をよく頭に入れた上で割り切ることが必要になる。
また、マザーボードのサポートするDDR SDRAMがPC2100のワンランク下であるPC1600に限定されているにもかかわらず、同梱されているDDR SDRAM DIMMがMicron製のPC2100対応品になっているというのも不思議な点。さらに、このDDR SDRAM DIMMには正式な製品ではなく評価用サンプル品であることを表す「ENG SAMPLE」(Engineering Sample)というシールも貼られている。原理的にPC2100 DDR SDRAMはPC1600 DDR SDRAMとしても動作するため、実質的な問題はないとはいえ、はたして一体メーカーの保証はどこまでなのか、購入する側としてはわかりにくい。このあたりは、とにかく誰より先に新技術をテストしたいというユーザー、つまり“人柱”に向けた仕様、と考えるのが自然かもしれない。
●Iwill製は超品薄、本格流通は来週に
以前からショップなどでデモが行われていたIwill製の「KA266-R」は、MAGiK1チップセットを搭載したSocket A対応マザーボード。DDR SDRAMをサポートするほか、FSB 266MHz(133MHzのDDR)のAthlonにも対応している。また、マザーボード上にAMIのIDE RAIDコントローラーを搭載しているのも特徴のひとつで、このほかにも、ディップスイッチとBIOS設定を利用してCPUの内部倍率を5倍~12.5倍まで0.5倍単位で変えられ、FSBとメモリのクロックも100MHz~146MHzまで15通りの設定ができるという特徴を持つ。
この製品は「GA-7DXC」とは違い、期待されていたとおりのスペックを持ち、特にイレギュラーな制限などはついていない。つまり、サポート範囲としてFSB 266MHz(133MHzのDDR)とPC2100 DDR SDRAMのフルスペックを満たすのは、現状でこの製品が唯一の存在ということになる。なお、同梱されているDDR SDRAM DIMMは、これもMicron製の評価用サンプル品で、PC2100の64MBが1枚同梱されている。性能とはなんの関係もないと思われるが、DIMMの基板が赤いのが印象的。マザーボードや拡張カードに色のついた製品は多いが、メモリの基板に色がいているのは珍しい。
「KA266-R」の問題点は、現時点で流通量が極めて少ないこと。CUSTOMが直輸入で少量仕入れものを9日(土)から45,800円で販売し始めたものの、即日完売してしまったため、今では入手不可(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。ただし、同店での再入荷は未定というものの、ほかの複数のショップは代理店経由の国内流通品を来週に販売する予定があるとしており、「KA266-R」を指名買いしたければ、あと1週間つことで可能になりそうだ。
●ASUSからのマザーボード出荷も間近?
なお、いずれのマザーボードもメモリはDDR SDRAM DIMMのみの対応となっているので要注意。端子部の切り欠き位置も従来のSDRAM DIMMとは異なるため、物理的にも互換性はない。よって、同梱のメモリ容量で足りないという場合は、単体で販売されているDDR SDRAM DIMMを別途入手する必要がある。単体では、現在ApacerやTranscend製などの製品が出回っている(詳細は「メモリ最安値情報」参照のこと)。
また、ほかのメーカー製のDDR SDRAM対応マザーボードが気になるという人は、一部ショップがサンプル展示しているASUS製のDDR SDRAM対応マザーボード「A7M266」と「CUV266」をチェックしてみるといい。「A7M266」を展示しているのはクレバリー3号店とTWO-TOP秋葉原2号店、「CUV266」はクレバリー3号店が展示を行っている。未発売のDDR SDRAM対応マザーボードを実物でチェックできる貴重なチャンスだ。
□GA-7DXC / GA-7DX(Gigabyte Technology)
http://www.gigabyte.com.tw/products/7dxc.htm
http://www.gigabyte.com.tw/products/7dx.htm
□KA266-R(Iwill)
http://www.iwill.net/products/spec.asp?ModelName=KA266-R
【2000/11/16】DDRメモリ対応のAMD-760搭載Socket Aマザーが20日に発売?
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20001116/etc_ga7dx.html
(GIGABYTE GA-7DXC) |
[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOPとツクモPatrs王国とCUSTOMとクレバリー3号店]
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