【 2000年12月23日号 】

21世紀の異素材PCケース?銅製で重量12Kgの「DAUT」予約受付中
Pentium 4対応350W電源を標準搭載して予価は約6万円

正面内部
【正面】【内部】
サイドパネル背面
【サイドパネル】【背面】
サイドパネル銅製のドライブベイ
【サイドパネル】【銅製のドライブベイ】

 勢い止まらぬ銅素材ブームの波が、ついにはPCケースをも飲み込んでしまった。なんと驚いたことに、一部を銅素材で作ったという国産のPCケースがついにアキバに出現したのだ。基本的にはステンレスを中心として作られたケースだが、ドライブベイやフロントパネルなどに銅素材が採用されている。重量が実に12Kgもあるというから、まさに前代未聞の製品だ。

 これまで一部ショップブランドPCに採用されての販売例はあったが、単体販売はこれが初めて。バリューウェーブが「DAUT」(ダウト)の名で発売する予定の製品で、一部ショップにサンプル品が置かれ、予約受付も始まっている。Pentium 4対応350W電源付きで予価は54,800円という。

21世紀の銅+ステンレスのPCケース

 「DAUT」はステンレス素材を中心としつつ、発熱度の高い部品を収納するドライブベイや電源ユニットベイなどに銅素材を用いた国産のオリジナルPCケース。単体での出荷開始が2001年1月中旬になるという、まさに21世紀の製品だ。

 2000年を振り返ると、とにかく銅素材を使った冷却用PCパーツが続々と登場し、登場当初は異端の存在だった総アルミ製PCケースがすっかり定着した年だったが、「DAUT」はその動きをまさに総括したかのような製品になっている。試作品ではシャーシの骨格部分も含めて全てが銅で作られ、全銅製といってもいい構造だったが、さすがに強度などの問題があり、実際の製品は一部分のみを銅で仕上げた製品に変更されている。しかし、いずれにしても前代未聞の製品であることにかわりはない。

 銅を使っているため、見た目のインパクトが強いという特徴があるのはもちろん、銅の高い熱伝導率による冷却性能の向上という実質的なメリットがある。つまり、PCケース自体がヒートシンクとなり、内部の熱を逃がすというわけだ。冷却性には特に注意が払われ、銅素材を採用している以外にも、標準で両サイドパネルに6cm角ファンがそれぞれ1個搭載され、内部背面にも8cm角ファンが搭載されるなど、かなりこだわった作りになっている。

銅製ケースはアルミ製PCケースの夢を見るか?

 発売元のバリューウェーブによると、この製品はある国内メーカーに製造を依頼したオリジナルの製品という。試作段階から長期にわたって試行錯誤が繰り返されたあと、Pentium 4発売のタイミングでようやくお披露目となり、まずはパルテックのPentium 4搭載オリジナルPCに採用、そして今回の単体発売に発展したという。

 今でこそ当たり前の総アルミ製PCケースも、星野金属工業が最初に開発して発売した当初は異端の存在で、その高価ぶりで普及しないと見る向きも多かったが、今ではすっかり高級PCケースとして定番の存在になっている。もしかすると、銅を採用したPCケースも、これを皮切りに、新たな定番になる可能性もないとは言えない。

 予価が約6万円と一般的にはとても高価な製品ではあるが、総アルミ製PCケースのハイエンドモデルと同クラスの製品と考えればさほど違わない。冷却性能重視でオリジナリティを重視するパワーユーザーにとっては、最高峰のPCケースがまたひとつ増えた、というところかも知れない。

 現在、高速電脳がサンプル展示を実施中で予約も受け付け中。バリューウェーブによると、このほか数店で予約が始まる予定という。

□DAUT(バリューウェーブ)
http://www.valuewave.co.jp/item/case/daut.htm
□PALシリーズGRモデル(パルテック)
http://www.paltec.co.jp/p_shop/palmdl/g-revo.html

 (バリューウェーブ DAUT)
 (パルテック PALシリーズGRモデル)

[撮影協力:バリューウェーブ高速電脳]


[次の記事]: MPEG-2対応キャプチャのブームが過熱、新製品が各社から続々発売に

[ Back ]戻る