【 2001年1月20日号 】

Athlon向け初のビデオ統合型チップセット搭載マザーがデビュー
ProSavage KM133搭載の「KM133M Pro-A」がMicrostarから発売に

KM133M Pro-ANorthBridge
【KM133M Pro-A】【NorthBridge】
誤植いっぱいSouthBridge
【誤植いっぱい】【SouthBridge】
I/OパネルKM133/KM133A
【I/Oパネル】【KM133/KM133A】

 Athlon/Duron用としては初のビデオ機能統合型チップセットを搭載したマザーボードがMicrostarから発売された。製品は、VIAのProSavage KM133チップセットを搭載したSocket A対応マザーボード「KM133M Pro-A(MS-6340M)」。実売価格は14,800円~16,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 ProSavage KM133はIntel製チップセットで言えばi815E相当にあたり、バリューPCからメインストリームPCまで幅広く対応するAthlon/Duron用の新プラットホームとして期待がもたれる。

FSBサポートに謎な点あり

 ProSavage KM133が内部に統合しているビデオ機能は、Savage 4の3DエンジンとSavage 2000の2Dエンジンを組み合わせたもの。Savageシリーズはビデオカードでこれまで多くの実績があり、2Dや3Dの表示性能はもちろん、動画再生などの点でも高いパフォーマンスを発揮することはお墨付き。チップセット側が外部AGPをサポートしているため、必要であれば別途ビデオカードを接続するなどしてアップグレードすることも可能だ。

 チップセットの基本的な機能はApollo KT133Aと同一で、Socket A用のAthlon/Duronをサポートし、メモリはPC133 SDRAMとVC SDRAMをサポート、IDEはUltra ATA/100をサポートする。FSBのサポートに関しては発表当初は200MHz(100MHzのDDR)となっていたが、現在のVIA側の公式製品仕様では266MHz(133MHzのDDR)をもサポートすることになっている。

 ただし、今回発売された「KM133M Pro-A(MS-6340M)」をチェックする限り、マニュアルやリテールパッケージ上のFSBサポート表記が200MHzであったり266MHzとあるなど混乱しているほか、チップセット名についてもProSavage KM133と、VIAが未発表のProSavage KM133Aという名前を併記している点もあって、はっきりしない(マザーボード上にFSB 266MHzの設定はある)。Apollo KT133とApollo KT133Aのように、ProSavage KM133がFSB 200MHz、ProSavage KM133AがFSB 266MHzサポートという解釈も可能だが、少なくとも後者に関してVIAは一切公式資料を公開していない。

Duronに新たな活路

 ProSavage KM133を搭載した初のマザーボード「KM133M Pro-A(MS-6340M)」はmicroATXフォームファクタを採用した小型マザーボードで、拡張スロットはDIMM×2、AGP×1、PCI×2、PCI/CNR×1となっている。実装されているチップセットはNorthbridgeのVT8365にヒートシンクがいた状態で、SouthBridgeのVTC82C686Bは通例どおり裸のままだ。ほかは見る限りいたってオーソドックスな作りになっている。

 「KM133M Pro-A(MS-6340M)」の登場により、Duronに新たな活路ができたと言えるかもしれない。AMD自身が認めているように、これまでAthlon/Duronにはビデオ機能を統合したコストパフォーマンスの高いチップセットが存在しなかったことで、Intelで言えばCeleron+i810/815のようなバリューPCの環境ができず、Duronが思ったほど売れないという状況が続いていたが、これでネックが解消されることになる。

 自作PCマーケットにおいても、ProSavage KM133搭載マザーボードとDuronの組み合わせはSocket Aプラットホームの手軽な入り口として歓迎される可能性がありそう。いずれ、ProSavage KM133をベースとしたベアボーンキットなどが続々出てくることも十分考えられる。

 なお、「KM133M Pro-A(MS-6340M)」のリテールパッケージには仕様説明に誤植がいくつかあるので要注意。チップセットの名前がProSavage KT133とあるのは実際にはProSavage KM133が正しく、ATXフォームファクタとあるのはmicroATXが正しい。

□ProSavage KM133(VIA Technologies)
http://www.via.com.tw/products/prodkm133.htm

 (Microstar KM133M Pro-A)

[撮影協力:高速電脳]


[次の記事]: なぜか今になってSocket A用Athlon最下位モデルの650MHzが登場

[ Back ]戻る  

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
E-Mail:akiba-pc-info@impress.co.jp