【 2001年6月9日号 】

チューナー付きMPEG-2キャプチャカードの本命?「MTV1000」登場

MTV1000MTV1000
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 TVチューナー内蔵MPEG-2キャプチャカードの大本命といわれているカノープスの「MTV1000」が発売になった。やや高めの価格設定の製品とはいえ、画質優先主義をうたった製品だけに、早くもクオリティを重視するパワーユーザーの間では人気の的になっている。

 「MTV1000」はPCを高画質なデジタルビデオデッキに変身させる、言うなれば上級者向けTVチューナー内蔵キャプチャカード。画質重視設計であることが最大のウリで、国内ステレオ放送に対応したTVチューナーを搭載したうえ、20万円近い業務向けカードに採用されているハードウェアMPEG-2エンコーダーPanasonic MN85560を搭載、さらに配線を極力短くしたりグランドを強化するなど、徹底したノイズ対策を施した基板設計を行ったという。また、ノイズ対策という点では、外部からのノイズ対策として、カードのブラケットの隙間に取り付けるガスケットまで製品に同梱されているという凝りようだ。

 機能の面も充実している。対応OSはWindows 98SE/MeのほかWindows 2000も含み、ログオフ状態やスタンバイ状態からのタイマー録画もサポートする。「MEDIACRUISE」「TV Recording Manager」といった同梱ソフトによりコントロールし、タイムシフト機能や、静止画キャプチャ、各チャンネルを一目で確認できるチャンネルサーフィンなど一通りの機能を備える。さらには、「DV → MPEGファイルコンバータ」によってDV形式のファイルをMPEG-2形式に高速に変換することも可能だ。唯一、現状のバージョンではWeb上のテレビ番組表から簡単に録画予約するiEPG機能に対応していないという短所もあるが、これは今後バージョンアップという形で実現し、さらにiモード端末を使ったリモートの録画予約機能もサポートするという。

 キャプチャ可能な解像度は720×480ドット/352×480ドット/352×240ドットで、対応ビットレートは1Mbps~15Mbps。また、可変ビットレート(VBR)もサポートしている。対応している入力端子は映像用のS端子と音声用のRCAピンジャック、出力端子は音声用のステレオピンジャックとサウンドカード用内部接続コネクタとなっている。

 これまでにもTVチューナーを内蔵したMPEG-2対応キャプチャカードはいくつも出ているが、エンコーダーがソフトウェアだったり、対応OSに制限があったり、画質のレベルが物足りないなど、それぞれの製品には必ずといっていいほどなんらかの短所があり、パワーユーザーにとっては決定的な製品がない状態だった。それを打破する製品として「MTV1000」が登場し、一気に本命に踊り出たかっこうだ。

 38,800円~40,800円と価格設定はやや高価だが(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)、ショップでは発売直後から売れ行き好調とのことで、すでに9日(土)時点ではほとんどのショップで売り切れとなってしまっている。土日の販売用に在庫を別に持っているというところもあるため、どうしても店頭で入手したいのならば10日(日)が勝負になりそうだ。

 これほどの人気を見ると、「MTV1000」の発売をきっかけとして、PCのデジタルビデオデッキ化ブームがより一層高まることになりそうだ。

□MTV1000(カノープス)
http://www.canopus.co.jp/catalog/mtv1000/mtv1000_index.htm

 (カノープス MTV1000)

[撮影協力:エルプラザTSUKUMO ex.]


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