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PC700 RIMMのPC800化ツールが発売に、その名も「USO800」
構造的には簡単だ。RIMMの特定端子にフィルムケーブルをあてがい、そのままRIMMソケットに挿すことで特定の信号線を乗っ取り、そこに別の信号を流してやるというもの。はっきりと明示されているわけではないが、どうやらこの場合の信号というのは、メモリのスペックを記録したSPD情報のことらしい。「USO800」はフィルムケーブルの先に小さな基板があり、そこにSPD情報を記録したEEPROMと見られる部品が2つ実装され、さらに128MBと256MBのメモリ容量を指定するディップスイッチが用意されている。おそらく、2つのEEPROMには、PC800 128MBとPC800 256MBのSPD情報がそれぞれ書き込まれており、それをディップスイッチで切り替える仕組みになっているものと思われる。
乗っ取る信号線はRIMM上にあるA52、A53、A55、A56、A57、B52、B53、B55、B56、B57の計10本。AとBの端子はちょうど裏表で重なり合っているため、RIMMの表と裏でそれぞれ同じ位置に5本の導線入りフィルムケーブルをあてがうことになる。なお、この信号線の位置合わせが1本でもずれるとまったく関係ない信号線を乗っ取ることになってしまうため要注意。フィルムを基板に固定する方法もセロテープなどで固定する程度で、極めてアバウトなところがあるため、使う側もそれなりの知識と覚悟が必要になる。この製品は保証やサポートが一切ない同ブランドの「キワモノシリーズ」に属した、まさに“玄人”限定製品なのだ。
ただし、もともとPC700のRIMMを持っているという人はかなり数が少なく、また、現状でも新品PC700のRIMMはPC800の同容量RIMMと価格差がほとんどないことを考えると、実はこの製品の使い道は現状ではほとんどないに等しいのが実状。もし、新たにPC700 RIMMとセットで使うとすると「PC800実売平均価格 > PC700+USO800の価格」という計算式が成り立つ必要があるが、「USO800」が2個セットで4,999円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)の価格であることを考えると、128MBであればPC700 RIMMは8,000円以下で購入できなければならない。しかし、現実は10,000円前後が相場。「USO800」が本当に重宝なツールとして使われるには、PC700 RIMMの価格が劇的に下がる必要があるというわけだ。
その点、ちょうど「PC700のRIMMがそろそろ安く放出される」というメーカー筋の話もあり、気になるところ。そのとおりになるのならば、USO800+PC700 RIMMが思わぬPentium 4環境移行への強力な援軍に大化けする可能性もある。
「USO800」がジョーク製品で終わるか、画期的なツールとして大きな注目を浴びるか、PC700 RIMMの今後の値動きが鍵を握る。
□USO800(玄人志向)
http://www.kuroutoshikou.com/products/etc/uso800.html
(玄人志向 USO800) |
[撮影協力:TSUKUMO eX.とツクモParts国]
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