【 2001年7月7日号 】

Dステップに移行したCeleron 900MHz登場、ヒートシンクは巨大化

Celeron 900MHzCeleron 900MHz
Celeron 900MHzCeleron 900MHz
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 Celeron 900MHzがデビューしたものの、またもやちょっとした混乱を呼びそうだ。最新モデルのCeleron 900MHzは、Pentium IIIに続いてDステップへと移行しており、同梱されているCPUクーラーもPentium III 1GHz並に巨大化しているのだ。販売が始まったのはリテールパッケージ品で、価格は12,980円~14,499円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 FSB 100MHzに対応したCeleronは、800MHz、850MHzモデルに続いてこれが3モデル目となる。CPUパッケージ形状はこれまでと同様にFC-PGAで、CPU自体は従来製品との外見的な違いはない。2次キャッシュ容量も128KBのままだが、動作電圧に関してのみ変更がなされており、DステップのPentium IIIと同じ1.75Vに引き上げられている。

 困ったことに、この変更でPentium IIIと同様にCeleronも既存のマザーボードの多くで動作しない可能性が出てきたことになる。汎用の最新マザーボードと組み合わせるより、小型の自作PCキットなどと組み合わせる場合が多いCeleronからすると、この状況はPentium IIIよりも深刻だ。なにしろ、マザーボード単体とは違って、自作キットの多くはBIOS情報や互換性情報が流されることが少なく、事前にこれらを確認することが難しいのだ。すでに一部店頭ではASUS製マザーボードの動作確認情報も貼り出されているが、一般的なマザーボードで使う場合もやはりこうした情報を頼りに確認するしかない。

 また、もうひとつ気になるのはCeleron 900MHzに付属のCPUクーラーだ。従来のCeleronとは明らかに違ったものになっており、ヒートシンク、ファンともにかなり巨大化している。一見すると、FC-PGA版Pentium III 1.0GHzのリテール品に付属のものにソックリだ。このCPUクーラーの巨大化が意味するものは、当然、CPUの発熱量が従来のモデルよりも増えているいうことになる。これも、ただでさえ熱対策が難しい小型PCで使うCeleronにとっては痛いところだ。

 そもそも、Pentium IIIの低価格化でCeleronの存在意義そのものが希薄になりつつある状況だが、今後Celeronが下位モデルも含めてDステップに切り替わっていくとなると、互換性と発熱の問題から、より一層その意味が問われることになるかもしれない。Pentium IIIと同様、Celeronについてもしばらく互換性情報に関しては目が離せそうにない。

□Celeron(Intel)
http://developer.intel.com/design/celeron/

 (Celeron 900MHz)

[撮影協力:高速電脳PCiN秋葉原コムサテライト2号店カクタソフマップ]


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