【 2001年9月8日号 】

Audigyチップ搭載の「Sound Blaster Audigy」シリーズが発売に
新型Audigyチップを搭載、シリーズは全3モデル

全3モデル価格は1.5~3万円
【全3モデル】【価格は1.5~3万円】
PlatinumDigital Audio
【Platinum】【Digital Audio】
カード本体コネクタ部
【カード本体】【コネクタ部】
Audigyチップ梱包内容
【Audigyチップ】【梱包内容】
外付けフロントパネルフロントパネル
【外付けフロントパネル】【フロントパネル】

 先週から複数のショップで店頭デモが行なわれていた「Sound Blaster Audigy」シリーズの製品版が早くもアキバに登場した。クリエイティブメディアが6日(木)に発表した通り8日(土)から店頭販売が始まったもので、各店の店頭でも発売前から「8日発売!」などといった予告の貼り紙が出るなど、最近のサウンドカードとしては珍しく盛り上がりを見せている。

 ショップ側の期待は大きく、実のところ6日(木)の時点で一部ショップが勇み足で少量販売した事例もあったほど。このフライング販売はさすがに途中で中止され、「8日(土)に再度販売開始します」との宣言が出たが、これはいかに期待度が大きいかを物語る象徴的なエピソードと言える。

 発売されたのはSound Blaster Audigyカード本体に外付けインターフェイスボックスのAudigy Driveが付属した最上位モデル「Sound Blaster Audigy Platinum EX」と、同じく5インチベイに取り付け可能な内蔵Audigy Driveが付属した「Sound Blaster Audigy Platinum」、そして光/同軸デジタル入出力モジュールが付属のエントリーモデル「Sound Blaster Audigy Digital Audio」の3種類だ。

3D音響効果をより強化

 カード本体の外観については、Live!シリーズよりも若干カードサイズが大きくなったという印象を受ける。Live!シリーズで採用されていたEMU10K1チップに比べ大きくなった新サウンドチップ「Audigy」と、林立しているコンデンサなどのパーツ類がその原因かも知れない。ブラケット部には金メッキ加工が施されたライン入力、マイク入力、フロント/リア出力コネクタのほか、新たに6ピンのIEEE-1394コネクタが装備されており、サウンドカードでおなじみのゲームポートについては別のブラケットに独立してついている。

 Sound Blaster Audigyの特徴としてまず挙げられるのが、EAXの上位となる3Dオーディオ技術「EAX ADVANCED HD」をサポートしている点だろう。物体の位置関係を再現する「エンバイロメントパンニング」や、屋内と屋外の環境の違いを正確にシミュレートする「エンバイロメントフィルタリング」などの4種類のエフェクト機能を持ち、よりリアルな3D音響効果を実現しているという。しかし残念ながら「EAX ADVANCED HD」に対応したゲームソフトなどはバンドルされておらず、現時点では付属のアプリケーションソフトで再生テストが行なえるという程度にとどまっている。対応ゲームソフト自体もまだほとんど存在しておらず、「EAX ADVANCED HD」を本格的に体験できるようになるまでにはもうしばらく待つ必要がありそうだ。

IEEE-1394ポートを1つ装備

 もう1つの特徴は「SB1394ポート」と名付けられたIEEE-1394コネクタが標準で装備されるようになった点。Live!シリーズではIEEE-1394カードが付属する「Sound Blaster Live! Platinum 1394」が発売されたが、サウンドカード本体にIEEE-1394コネクタが装備されたのはこのAudigyシリーズが初めてとなる。しかし「Sound Blaster Live! Platinum 1394」のようにPCIスロットを2つ消費するようなことはないものの、IRQは2つ必要になるので、PCの環境によってはリソース不足に悩まされるという可能性もある。

 また、徹底したペーパーレス化を図っているのもAudigyシリーズの特徴と言えるかもしれない。Sound Blasterシリーズのリテールパッケージ品と言えば、細かに説明がなされた冊子マニュアルが付属するというのがいわば定番だったが、Audigyシリーズでは、カードの取り付け手順やソフトウェアのインストール方法といった説明の書かれた紙が1枚入っているのみ。マニュアル類のほか、保証書までもがすべてPDFファイルとしてインストールCD内に収められているという徹底ぶりだ。ただし保証書については、購入時に店印などを押してもらう場合はどうするのか、あるいはプリンタを持っていないユーザーが保証書を印刷する場合はどうするのかといった疑問を残しており、少々行き過ぎではという感も否めない。

 IEEE-1394インターフェイスの標準装備やゲームポートのブラケット化、オンラインマニュアルなどについては賛否両論ありそうだが、24bit/96KHzのDACを搭載することにより100dBのS/N比を実現したというそのサウンドは、品質重視のユーザーにとっては要チェックと言えるだろう。もちろん、サウンドカードの定番中の定番と言っても過言ではないSound Blasterシリーズの新製品だけに、注目の製品であることは間違いない。

 実売価格は「Sound Blaster Audigy Platinum EX」が29,700円~34,449円、「Sound Blaster Audigy Platinum」が22,799円~26,499円、「Sound Blaster Audigy Digital Audio」が14,499円~16,499円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

□Sound Blaster Audigy(クリエイティブメディア)
http://japan.creative.com/soundblaster/audigy/welcome.html
http://japan.creative.com/press/2001/010906-audigy.html

 (Creative Soud Blaster Audigyシリーズ)

[撮影協力:コムサテライト1号店秋葉館WinTSUKUMO eX.]


[次の記事]: まるで車のラジエーター?ヒートレーン方式のCPUクーラー「禅」発売

[ Back ]戻る  

Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
E-Mail:akiba-pc-info@impress.co.jp