|
まるで車のラジエーター?ヒートレーン方式のCPUクーラー「禅」発売
「CPU Radiator Zen(禅)」は、まず見た目からして強烈なインパクトを与えてくれる。ほぼ正方形のプラスチックボディは極めて精巧にデザインされており、性能的に無意味な流線や凹凸などが随所に多用され、まるでアニメの中に出てくるロボットが使用している重要部品のように近未来的な雰囲気をもっている。このボディには「禅」という文字も彫り込まれ、青と黒のツートンカラーを採用している点など、極めて外観は見た目を重視した作りで、まさに“テクノロジー大好き人間”の心を掴む格好よさがにじみ出ている。
この製品の最大の特徴は実は見た目ではなく、内部のヒートレーンという独自技術にある。プラスチックボディの中には、2つのファンでサンドイッチされた状態で、まるで車のラジエーターのような見た目のヒートレーン構造を採用したヒートシンクが内蔵されているのだ。これは同社が世界6ヶ国に特許を持っているという独自技術で、「アルミ材などに蛇行配管を配し、封入した液体の相変化と移動現象によって、従来のヒートパイプ以上の熱輸送能力を達成した」もの。言ってみれば、最近流行りのヒートパイプをさらに発展させたようなものと考えてよさそうだ。「CPU Radiator Zen(禅)」が使用しているヒートシンクは、幅広のアルミ管を、かたつむりのように渦巻状に巻いて角状のボディをつくり、その隙間に放熱用の蛇行状のアルミ材フィンを取り付けた構造になっている。断面から見ると、まさに車のラジエータのようだ。なお、このラジエーターのようなヒートシンクは、購入後自分でプラスチックボディの中にカートリッジを差し込むように内部へセットする必要があり、こうすることで、2つの6cmファンが両側からヒートレーンプレートを直接冷却する構造になる。
このほか、CPUソケットへの装着方法も独自の方法で実現しており、指で本体を掴むようにすればクリップがアンロック状態にになり、指を離せば自動でロックされる仕組みになっている。特殊なCPUクーラーにありがちな装着方法の面倒さもこれで解決しているというわけだ。
なお、この製品に使われているヒートレーンプレート内部には代替フロン(HFC-134a)が使用されており、規定の動作温度である-60℃~95℃を超えると外部に噴出する恐れがり「火傷などの危険もある」とのこと。また、廃棄に関しても「ヒートレーン部分をむやみに廃棄すると、やけどなどの障害を受ける可能性がある」ため、同社に返送するか、予め相談するよう指示されているので、取り扱いは要注意だ。
Socket 370とSocket Aに対応していることになっているが、対応動作クロックまでは明記されていない点は要注意。かなりの性能が期待できそうだが、保証はないので、いわゆる人柱用アイテムと言えそう。
実売価格は11,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
□「CPU Radiator Zen(禅)」(ティーエスヒートロニクス)
http://www.tsheatronics.co.jp/zen/
(ティーエスヒートロニクス 「CPU Radiator Zen(禅)) |
[撮影協力:CUSTOM]
[↑前の記事]: | Audigyチップ搭載の「Sound Blaster Audigy」シリーズが発売に |
[↓次の記事]: | 4本のDIMMスロットを持った初のi845搭載Pentium 4マザーが発売 |
Copyright (c) 2001 impress corporation All rights reserved.
E-Mail:akiba-pc-info@impress.co.jp
|