【 2002年6月29日号 】

PCIスロットに挿すPC内蔵型のUPSが発売、PCを自動で休止状態に

PowerMate12VPowerMate12V
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 パーソナルユースの手軽なUPS(無停電電源装置)を探している人に朗報だ。PCケース内への設置にPCIスロットを利用するというコンパクトサイズの内蔵型UPS「PowerMate12V」がZone Technologyから登場した。実売価格は19,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 この「PowerMate12V」はPCIカード型の制御基板と小型バッテリーユニットの2つから構成される製品。停電時などにPCを安全に休止状態へ移行させることを目的としており、その動作のメカニズムは、まずATX電源ユニットからの電源供給が絶たれた時点でバッテリーからの電源供給に切り換え、その後6秒以上経過してもATX電源ユニットの電源供給が回復しない場合は電源スイッチの操作により休止状態に移行するというもの。いきなり電源が落ちると、ハードウェアの故障につながるほか確実にデータ損失が起きるが、これなら安全に“不時着”できるというわけだ。

 バッテリーユニットは手のひらよりも若干大きめといった程度の小型サイズなので、タワー型ケースであればケース内部の底面に置くなどの方法で設置が可能だろう。ちなみに制御基板はPCIスロットを単に固定用として使っているのみで、電気的には導通しておらずデバイスドライバなどは一切必要ない。

 そして、Socket 478マザーボードなどで見られるATX12V用の電源コネクタのほか、ドライブ機器用の4ピン電源コネクタが用意されているのも特徴のひとつ。もちろんこれらやATX電源コネクタはすべて制御基板を経由して接続するという形になる。ただし、仕様ではバッテリーの最大出力は250Wとされているので、消費電力の大きいCPUや多数のドライブ機器を使用している場合は電力不足にならないよう気を付けたいところだ。

 また、前述のように休止状態への移行を電源スイッチの操作によって行なうため、PCケースの電源スイッチのケーブルは、まず制御基板につなげて、そこからさらにマザーボード上の電源スイッチのヘッダピンに接続するという形になる。対応OSはWindows Me/2000/XPで、電源スイッチ押下時に休止状態に移行するようにOSの設定をしておくことも必要だ。

 用途が用途だけに、PCを趣味で使っているという人には必要性は低いかもしれないが、仕事でデータベースや表計算ソフトなどを使っていて不意にPCの電源が落ちては困るといった場面では極めて有用といえるだろう。この手の製品としては比較的安価なのと、設置に場所を取らないというのもかなり魅力的だ。

 なお、この製品の国内販売はエフ・アイ・シー販売で、製本された英語マニュアルのほか、PDF形式の日本語マニュアルも付属しているので、UPSの扱いは初めてという人でも安心だ。

□PowerMate12V(エフ・アイ・シー販売)
http://ns.ficj.co.jp/sales2.nsf/1/powermate/
□関連記事
【2000年12月16日】Die Hard UPS(今週見つけた新製品)
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20001216/newitem.html#diehardups

 (Zone Technology PowerMate12V)

[撮影協力:高速電脳]


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