【 2002年6月29日号 】

HDDへの書き込みデータを暗号化してキーでロックできるPCIカードが発売

SE64-IDESE64-IDE
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 HDDに書き込むデータをカードに搭載した専用チップにより暗号化し、さらに付属のハードウェアキーでHDDへのアクセスを制限できるというセキュリティ用途向けPCIカード「SE64-IDE」が玄人志向から発売された。実売価格は9,580円~9,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 一見単なるIDEインターフェイスカードのようにも見えるこの「SE64-IDE」は、接続したHDDへの書き込みデータをDES(Data Encryption Standard)により暗号化し、またカード本体にハードウェアキーが挿さっていない場合はデータの復号を行なわずにHDDへのアクセスを不可能にし、セキュリティ保護を確立するというユニークな製品だ。

 起動ドライブに対して利用できるのが大きな特徴で、例えばハードウェアキーを抜くことでPCを他人に起動されるのを防ぐといった使い方も可能だ。仮にFDから起動された場合でもハードウェアキーが抜かれた状態ならばHDD上のデータを読み出すことは不可能なので、かなり強固なセキュリティ性を確保できる。もちろん、データ用のHDDに使用することも可能だ。

 基板上はEnova Technology製の暗号/復号化チップ「X-Wall SE-64」のほか、ブザーやジャンパなどの部品が載っているだけという非常にシンプルな構造。ブラケット部にはハードウェアキー用のコネクタと動作状態を示すLEDを装備している。このコネクタはIEEE-1394(6ピン)ポートと同様の形状をしているが、誤ってIEEE-1394をデバイスを接続した場合は本体に装備しているブザーが鳴って知らせてくれるという機能も持っている(最初はブザーの上に鳴動を抑止するシールが貼られている)。なぜわざわIEEE-1394と同じ形状なのか疑問も沸くが、これはもしかするとIEEE-1394用の延長ケーブルを使うことでハードウェアキーの抜き差しを簡単にすることができる、ということを考慮したものなのかもしれない。

 使用方法はいたって簡単で、「SE64-IDE」をPCIスロットに装着したら、付属のIDEフラットケーブルを利用してHDDとマザーボード(もしくはIDEインターフェイスカード)の中間にこの「SE64-IDE」を挟むように接続するだけ(スレーブ設定のドライブを接続する場合はジャンパの変更が必要)。あとはハードウェアキーをカード本体に挿して通常どおりPCを起動すれば、とくにユーザーが意識することなく暗号/復号化を行なってくれる。デバイスドライバのインストールも不要だ。

 なお、対応インターフェイスはUltra ATA/100となっているが、暗号/復号化をリアルタイムで行なうため実質的な転送速度は66MB/sになるとしている。スピードが犠牲になるのは惜しいが、これはセキュリティ性の確保とトレードオフといったところだろう。対応OSはWindows 98SE/Me/NT 4.0/2000/XPとなっている。

 起動ドライブに使用することで強固なセキュリティを維持できるのはこの製品の強みといえる。価格もさほど高いというわけではないので、PCに強固なセキュリティ機能を導入することを検討中の人は、この製品を検討してみてはどうだろうか。

□玄人志向
http://kuroutoshikou.com/
□X-Wall SE(Enova Technology)
http://www.enovatech.net/html/new_x-wall_se.htm

 (玄人志向 SE64-IDE)

[撮影協力:コムサテライト1号店PS/PLAZA WAKAMATSU]


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