MTV2000対抗のTVキャプチャカード「SmartVision HG/V」登場
「SmartVision HG/V」は、音声多重放送対応TVチューナーとMPEG-1/2対応の同社製ハードウェアエンコードチップ「μPD61051」を搭載したキャプチャカード。「SmartVision」シリーズからはこれまで数多くの製品が登場しているが、PCIカードタイプでハードウェアエンコードに対応したのは意外にも今回が初めてとなる。
この製品の大きな特徴は、ゴーストリデューサーや3次元Y/C分離回路、デジタルノイズリダクション、タイムベースコレクタといった機能の搭載によりキャプチャ画質の向上を図っていること。先に登場しているカノープスの「MTV2000」も同様のアプローチで高画質化を図った製品だが、これらの映像処理を行なうチップに「MTV2000」は松下電器製のものを採用していたのに対して、「SmartVision HG/V」は自社製の「μPD64083」を採用しているという違いがある(ゴーストリデューサーは両製品ともNEC製「μPD64031A」を採用)。採用チップの差で両製品でどの程度画質に違いが現われるのかが興味深いところだ。
なお、キャプチャ可能な画面サイズはMPEG-2が720×480ドット、352×480ドット、352×240ドット、MPEG-1が352×240ドット、ビットレートはMPEG-2が2~15Mbps(CBR)、1.2~7.5Mbps(VBR)、MPEG-1が1.15Mbpsとなっている。
そして、ハードウェアデコード機能とテレビ出力機能を搭載しているのも特徴のひとつで、キャプチャした映像をブラケット部の出力用S-Video/コンポジットビデオ端子を通して大画面テレビに出力するといったことも可能だ。デコードチップにはMPEG-1/2/4対応のSigma Designs製「EM8470」を採用している。
また、注目されるのが基板の大きさだ。前述のような機能を実現するチップを数多く搭載するため、こうした製品では基板サイズが大きくなってしまいがちだが、「SmartVision HG/V」は親基板とほぼ同サイズの大型ドーターカードを採用することで、基板全体の大きさを奥行き174.6mm×幅106.7mmというPCIショートサイズに収めている。キューブ系ケースなどといった小型のPCケースで使おうと考えている人には、この点が大きなアドバンテージとなることは間違いない。
そのほか、付属ソフトの「SmartVision/SERVER」「SmartVision/PLAYER」を利用することで、ホストとなるマシンで録画した映像をLAN内にある他のPC上でMPEG-4形式で見ることができるというユニークな機能も備えている。SmartVisionシリーズではおなじみのEPG対応番組表ソフト「SmartVision/EPG」やDVDオーサリングソフト「Ulead DVD MovieWriter for NEC」、多機能リモコンなども付属しており、本体だけでなく周辺環境もかなり充実している。
高画質化に加え、ハードウェアデコード、テレビ出力などといったプラスアルファの機能を豊富に備えたこの「SmartVision HG/V」は、今後の評判次第で「MTV2000」が一人勝ち状態にあるTVキャプチャカード市場の勢力図を変える存在になるかもしれない。
□SmartVision HG/V(日本電気)
http://121ware.com/product/option/smartvision_hg/index2.html
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http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20020626/zooma65.htm
【2002年2月23日】画質にこだわったTVチューナー内蔵キャプチャカード「MTV2000」発売
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20020223/mtv2000.html
(NEC SmartVision HG/V) |
[撮影協力:エルプラザとパソコンハウス東映とWonderCity秋葉原店とT-ZONE. AKIBA PLACE]
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