【 2002年6月29日号 】

32bit RIMMに混乱?PC1066-32タイプ出回るも「RIMM3200」の文字

自称PC1066-32 32bit RIMM自称PC1066-32 32bit RIMM
自称PC1066-32 32bit RIMM自称PC1066-32 32bit RIMM
ASUS P4T533デモASUS P4T533デモ
ASUS P4T533デモASUS P4T533デモ

 対応マザーボードの発売を前に先行流通する新規格32bit RIMMに、ちょっとした混乱が起きている。先週のPC800-40(RIMM3200)256MBモデルに続いて、週明けから32bit RIMMのPC1066-32モデルだという製品が複数のショップに入荷して販売が始まっているのだが、この製品がどうにも妙なのだ。

 今週から出回り始めたのは自称PC1066-32の32bit RIMMで、容量は256MB。メーカーはSAMSUNG。しかしこれ、本当にこのスペックを満たしているのかどうか、いくつか疑問な点があるというのが実状だ。先週から出回り始めたPC800-40 32bit RIMM(RIMM3200)のものと比較すると、同じSAMSUNG製のために外見上の違いがないのは当然としても、モジュール上にあるシールにある型番がまったく同一であるほか、本来なら「RIMM 4200」となっていなければならないところが「RIMM 3200」となっているのだ。

 両者の型番は「MD16R1628AF0-CM8」。SAMSUNGのRDRAMに関する型番表記は、13桁目移行が動作クロックとtRAC値を表すことになっているが、これが両方とも同じ「CM8」になっている。また、PC800-40の32bit RIMMではシール上に「800-40」と表記されていた部分が、自称PC1066 32bit RIMMでは「RIMM 3200」と別の表記に変わっているものの、実のところこれは両方とも同じ意味。Rambusの規格上ではPC800の32bit RIMMはRIMM3200と呼ばれ、PC1066の32bit RIMMはRIMM4200と呼ばれることになっている。つまり、PC1066の32bit RIMMならば、本来は「RIMM 4200」と記されていなければならないのだ。

 メーカー側でシールの表記を2箇所誤っただけいう可能性も否定はできないが、この状態では新たに出回り始めた32bit RIMMは、実はPC1066-32ではなくて先週のPC800-40 32bit RIMM(RIMM3200)と同じものではないか?という疑いをかけられても仕方がない。

 自称PC1066-32の32bit RIMMにはヒートスプレッダに「このシールをはがすと保証対象外です PC1066-32ns 32bit 256MB」と記されたシールがあり、これが唯一PC1066-32 32bit RIMMであるという根拠となっているのだが、このシールはSAMSUNGが工場出荷時につけたものではなく、一度流通ルートに乗った後、あくまで国内の代理店がつけたとみられるもの。これをどこまで信用するかは判断が難しいところだ。

 もうじき発売される32bit RIMM対応マザーボードで最速の環境を構築したいのならば、PC1066-32 32bit RIMM(RIMM4200)は必須だが、対応マザーボードがなく正確な製品情報も乏しい中では、現在出回っているものが本当にPC1066-32 32bit RIMMとしての仕様を満たしたものなのかどうかは、なんとも確認のしようがない。初物ならではの事態とはいえ、ひとまず、現状ではこうしたリスクがあることは知っておくべきだろう。実売価格は13,980円~16,477円(ツクモパソコン本店IIコムサテライト1号店コムサテライト3号店)。

 なお、その後、今回の製品に関しては29日(土)までに全品回収され、店頭での販売が行われていないことを確認した。

 TSUKUMO eX.ソフマップ1号店 Chicago パソコン・デジタル館フェイス秋葉原本店では、32bit RIMM対応のSocket 478マザーボードASUS P4T533と、PC1066 32bit RIMM(RIMM4200)の512MBを組み合わせたデモ機を設置して動作デモを店内で実施中で、ここではRIMMも「RIMM 4200」のシールが付いたSAMSUNG製のものが使われている(型番はMD18R162GAF0-CN9)。正真正銘の最速メモリ環境を体感したいのなら、これがいいチャンスだ。

 (RIMM)

[撮影協力:コムサテライト1号店コムサテライト3号店ツクモパソコン本店IITSUKUMO eX.ソフマップ1号店 Chicago パソコン・デジタル館]


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