【 2002年7月27日号 】

RADEON 9000 PRO搭載カード発売、玄人志向とクリエイティブから
いずれもメモリは64MBを搭載、実売価格は15,000円前後

3D Blaster 5 RX9000 PROCreative製カード(表)
【3D Blaster 5 RX9000 PRO】【Creative製カード(表)】
Creative製カード(表)出力コネクタ
【3D Blaster 5 RX9000 PRO】【出力コネクタ】
RADEON90PRO-AGP64Cスペック表
【RADEON90PRO-AGP64C】【スペック表】
PowerColor製出力コネクタ
【PowerColor製】【出力コネクタ】
デモ中RADEON 9000 PRO
【デモ中】【RADEON 9000 PRO】

 2週間前に行なわれた正式発表以来、多くのパワーユーザーから製品デビューが期待されているATIの「VPU(Visual Processing Unit)」こと「RADEON 9700」だが、今週は一足先にその下位モデルとなる「RADEON 9000 PRO」を搭載したビデオカードが発売となった。

 第1弾となったのはPowerColorのOEM品を採用した玄人志向の「RADEON90PRO-AGP64C」とクリエイティブ製の「3D Blaster 5 RX9000 Pro AGP 64MB DDR」の2製品で、両製品ともビデオメモリに64MBのDDRメモリを搭載したリテールパッケージ品だ。実売価格は「RADEON90PRO-AGP64C」が14,800円~15,970円、「3D Blaster 5 RX9000 Pro AGP 64MB DDR」が15,750円~15,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●FULLSTREAM機能が特徴

 RADEON 9700と同時発表されたRADEON 9000 PROは、ミドルレンジからローエンドをカバーするメインストリーム向けビデオチップ。従来のRADEON 8500に対するRADEON 7500のような存在といえるが、RADEON 9000 PROはRADEON 8500と同様のハードウェアT&Lエンジン「CHARISMA ENGINE II」をはじめ、ハードウェアVertex/Pixel Shaderエンジン「SMARTSHADER」、アンチエイリアス機能の「SMOOTHVISION」、メモリ帯域幅の向上を実現する「HYPERZ II」などを搭載しており、機能的にはRADEON 7500よりもRADEON 8500に近い。もちろんマルチディスプレイ機能も装備しているが、これも従来製品でおなじみの「HYDRAVISION」によって実現されている。

 RADEON 9000 PROが搭載するCHARISMA ENGINE IIの性能は4,300万Triangles/sと、RADEON 8500(128MBモデル)の6,870万Triangles/sに比べて低く、速度面ではやや劣るかたちとなっているものの、価格的にも安価なRADEON 9000 PROにRADEON 8500とほぼ同等の機能が実装されたのは非常に“おいしい”話であることは間違いない。

 また、RADEON 8500にない新機能として「FULLSTREAM」機能を搭載している。FULLSTREAMは、ストリーミングビデオ再生時のパフォーマンスや画質向上を図るハードウェアアクセラレーターで、3D描画性能に直接影響するものではないが、ADSLなどの普及によりPC上で以前よりもストリーミングビデオを再生する機会が増えた現在においては活躍する場面も多いだろう。

 なお、今回登場したRADEON 9000 PROのさらに下位となるモデル「RADEON 9000」もラインナップされている。両者の違いはコアクロックとメモリクロックで、公式仕様ではRADEON 9000 PROがコア275MHz/メモリ550MHz(275MHz DDR)、RADEON 9000がコア250MHz/メモリ400MHz(200MHz DDR)となっている。このあたりは、RADEON 8500とRADEON 8500LEの関係に似ているといえるかもしれない。

●玄人志向とクリエイティブが第1陣

 さて、RADEON 9000 PRO搭載ビデオカードの第1弾となった玄人志向「RADEON90PRO-AGP64C」とクリエイティブ「3D Blaster 5 RX9000 Pro AGP 64MB DDR」の2製品だが、ビデオチップ上に装着されているチップクーラーなどは異なるものの、出力コネクタにVGA、テレビ、DVI-Iの3つを備えるのは両者とも同じで、またコンデンサやメモリチップの配置位置などといった基板レイアウトもよく似ている。搭載するメモリチップもHynix製DDR SDRAMチップのHY5DV641622AT-33(3.3ns、300MHz DDR駆動対応)と、これも全く同じだ。

 そして気になるコア/メモリの動作クロックについては、「RADEON90PRO-AGP64C」のパッケージには特にその旨の記載はなく、一方の「3D Blaster 5 RX9000 Pro AGP 64MB DDR」はパッケージ表面に「275MHz Core Clock」「64MB・550MHz・DDR」といった表示がなされている。この表示を見る限り、「3D Blaster 5 RX9000 Pro AGP 64MB DDR」についてはATIの公式仕様どおりの製品になっているものとみてまず間違いない。

 高速性能を重視するパワーユーザーとしてはRADEON 9700の一日も早いデビューを望みたいところだが、今回のRADEON 9000 PRO搭載ビデオカードもRADEON 8500とほぼ同等の機能を備えながら価格は比較的安価ということで、コストパフォーマンス重視のユーザーには狙い目の製品といえるだろう。さらにコストパフォーマンスを突き詰めたいという人は、近く登場するであろうRADEON 9000搭載ビデオカードを待つのも手かもしれない。

 なお、T-ZONE. AKIBA PLACEではPowerColor製RADEON 9000 PRO搭載ビデオカードによる動作デモを実施中だ、画質や描画性能を実際に確認してみたいという人は足を運んでみるとよいだろう。

 ※記事初出時にRADEON 9000の公称動作クロックをコア250MHz/メモリ500MHzと記載していましたが、正しくは「コア250MHz/メモリ400MHz」となります。お詫びして訂正させていただきます。

□RADEON 9000 PRO(ATI Technologies)
http://www.ati.com/products/pc/radeon9000pro/index.html
□RADEON90PRO-AGP64C(玄人志向)
http://kuroutoshikou.com/products/gboard/radeon90pro-64c.html
□3D BLASTER 5 RX9000 PRO(クリエイティブメディア)
http://japan.creative.com/products/graphics/rx9000/

 (玄人志向 RADEON90PRO-AGP64C)
 (クリエイティブ 3D Blaster 5 RX9000 Pro AGP 64MB DDR)

[撮影協力:ツクモパソコン本店IIコムサテライト3号店T-ZONE. AKIBA PLACE]


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