【 2002年7月27日号 】

DDR400/AGP 8X対応のP4X400を搭載したVIA純正マザーが発売に
VIA純正マザーボード「P4PB 400-L」が発売、価格は15,000円前後

P4PB 400-LP4X400ロゴ
【P4PB 400-L】【P4X400ロゴ】
AGP 8X/DRR400対応サウスブリッジ
【AGP 8X/DRR400対応】【サウスブリッジ】
DDR400(limited)?パッケージ
【DDR400(limited)?】【パッケージ】
ブラケットI/Oパネル
【ブラケット】【I/Oパネル】

 PC3200 DDR SDRAM(DDR400)とAGP 8Xに対応したVIA製Socket 478プラットフォーム向けチップセット「Apollo P4X400」を搭載した初めてのマザーボードがデビューを飾った。第1弾となったのは同社製のSocket 478マザーボード「P4PB 400-L」で、実売価格は14,750円~15,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 DDR400対応をうたったメモリモジュールは、アキバではすでに2ヶ月以上前から販売が始まっているが、DDR400に正式対応したマザーボードが登場するのは意外にも今回が初めて。高パフォーマンスと言われながらもこれまではオーバークロック用途などにしか使い道のなかったDDR400メモリが標準で利用できるApollo P4X400チップセットの登場は、高速性能を重視するユーザーには歓迎されるに違いない。

●AGP 8XとDDR400対応はこれが初

 Apollo P4X400は、ノースブリッジのVT8754とサウスプリッジのVT8235という2チップで構成されるチップセット。DDR400対応以外の大きな特徴としては、やはりAGP 8Xサポートが挙げられる。既に登場しているSiSのXabre 400/200搭載ビデオカードをはじめ、今後登場するハイエンド向けビデオカードはAGP 8Xを積極的に取り入れていくものと見られているだけに、AGP 8X対応チップセットとして他社に先駆けてデビューを果たしたApollo P4X400は、この時点で大きなアドバンテージを得たといってよいだろう。

 そして、FSB 533MHzのPentium 4に対応しているのも特徴のひとつといえる。ちなみに、同社製のFSB 533MHz Pentium 4対応チップセットとしては、Apollo P4X266E、Apollo P4X333に続いて3製品目となるApollo P4X400だが、Apollo P4X266E/P4X333を搭載したマザーボードは現時点ではまだ販売が確認されておらず、実質的には今回デビューしたApollo P4X400を「同社初のFSB 533MHz Pentium 4対応チップセット」といっても差し支えない。

 さらに、最大搭載可能メモリ容量が32GBに大幅にアップしたのもApollo P4X400のウリだ。マザーボードのDIMMスロットの本数やメモリモジュールの容量といった制限により、実際に32GBフルにメモリを搭載するのは難しそうだが、チップセットレベルで最初から対応しているという点では強みがある。今後、この特徴を活かすことのできるマザーボードやメモリモジュールの登場に期待したいところだ。

 そのほかの特徴としては、「8X V-Link」技術により帯域幅533MB/sでのノースブリッジ-サウスブリッジ間の接続を実現している点や、USB 2.0インターフェイスを標準サポートしたことなどが挙げられる。また、従来のApollo P4X266/P4X266Aなどでは組み合わされるサウスブリッジによって主にペリフェラル系インターフェイスの仕様が異なっていたが、現時点ではApollo P4X400のサウスブリッジはVT8235のみとされており、前述のUSB 2.0のほか、Ultra ATA/133なども標準でサポートされている。

●DDR400の動作は条件付き

 さて、初のApollo P4X400搭載製品となった「P4PB 400-L」だが、マザーボード自体は青色基板を採用する以外はとくに奇をてらった部分もなく、AGP×1、PCI×5、CNR×1、DDR SDRAM対応DIMM×3というスロットを備えた、見た目はごく標準的なSocket 478マザーボードといったところだ。しかし、USB 2.0インターフェイス、6チャネル出力対応サウンド機能、10Base-T/100Base-TX対応LANインターフェイスといった機能を装備するほか、光/同軸デジタル端子などを備えたブラケットも付属するという、なかなか“使える”製品になっている。

 ただし、DDR400対応のメモリモジュールについては注意が必要で、同社はWebサイト上に「現時点では特定メーカー製モジュールのみ対応可能で今後確認が取れ次第、対応モジュールに関する情報をWeb上に公開していく予定」という案内を掲載しているほか、マニュアル上には「2.5V DDR400(limited)」と条件付きの対応であることが記されている。実のところ、DDR400はいまだにJEDECで規格化されておらず、特に動作電圧は従来のDDR SDRAMの2.5Vから2.6Vに引き上げられる可能性もあり、現時点でマザーボード側のDDR400対応をはっきりと明示できないようだ。

 Apollo P4X400の最大のウリであるDDR400への対応に関して、やや不安な点があるのは惜しいところだが、AGP 8Xにいち早く対応している点や、USB 2.0、6チャネル出力対応サウンド、LANといった豊富な機能を搭載するのはこの「P4PB 400-L」の大きな強みだ。AGP 8X環境への移行を視野にいれているユーザーにとっては、「P4PB 400-L」は狙い目の製品となることは間違いない。

 なお、「P4PB 400-L」の上位モデルとしてIEEE-1394コントローラーのVT6306を標準搭載した「P4PB 400-FL」もラインナップされている。発売時期は未定だが、IEEE-1394インターフェイスも標準で欲しいという人はこちらの製品の登場を待つのがよいだろう。

□P4PB 400/Apollo P4X400(VIA Technologies)
http://www.viatech.co.jp/jp/vpsd_jp/products/P4PB400_spec.jsp
http://www.via.com.tw/en/apollo/p4x400.jsp

 (VIA P4PB 400-L)

[撮影協力:OVERTOPコムサテライト3号店高速電脳]


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