5月末から出回り始めたNEC製DVD+R DL対応DVD±R/RWドライブ「ND-2510A」のバルク品で一部国内代理店の出荷品と並行輸入品とで機能的に違いがあることが判明した。発売当初からファームウェアの内容が違うという情報はあったが、「ND-2510A」を扱う代理店のユートビアによると、DVD+R DLメディアの記録内容に若干の差があるという。
ユートビアによると、同社出荷の「ND-2510A」で2層記録を行なったDVD+R DLメディアは、並行輸入品で記録したメディアに比べて他社製ドライブや民生AV機器との互換性が高いという。同様の情報は発売当初から複数ショップが伝えていたが、今回ユートビアの言質が取れたことでその確証が得られた格好だ。
実際に僚誌DOS/V POWER REPORTが行なった同ドライブのDVD+R DL記録テストでは、メディアに記録されるBookTypeが両者で異なることが確認できている。並行輸入品のドライブで記録されたメディアはBookTypeがDVD+R DLであるのに対し、同社出荷品ではDVD-ROMになっている。
BookTypeがDVD+R/DLのメディアだと民生AV機器などでは再生対象外メディアとしてはじいてしまうことが多いが、DVD+R/DLメディアを意図的にDVD-ROMと認識させることによって、そうしたトラブルを回避できる。こうしたテクニックは「ROM化」と呼ばれ、台湾メーカーのDVD+R対応ドライブではROM化ソフトがバンドルされていることもあって、DVD+Rメディアのユーザーの間ではよく知られた互換性向上の手段のひとつ。
ROM化はこれまで対応ソフトが必要だったが、テストではユートビアの出荷ドライブはライティングソフトに関係なくBookTypeがDVD-ROMになっている。これはファームウェア側で対応を行っているためで、ユーザー側は何も意識せずにROM化できるというわけだ。並行輸入品と同社出荷のドライブもファームウェアのバージョン表記自体は同一だが、実際の中身は違っているようだ。
なお、29日(火)発売の同誌8月号において、前述のテスト結果や他社製ドライブ/DVDプレイヤーなどとの互換性の検証結果を掲載する予定となっているので、詳しくはそちらを参照してほしい。
同社出荷の製品であるかどうかは、筐体表面に貼られている同店ロゴ入りシールの有無で判別できる。同社Webサイトにシールの内容が掲載されているので、購入を考えている人は一度目を通しておくとよいだろう。
□ND-2510A(ユートビア)
http://www.utobia.co.jp/drive/nd2510.html
□DOS/V POWER REPORT
http://home.impress.co.jp/magazine/dosvpr/
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http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20040529/etc_nd2510ab.html
| (NEC ND-2510A) |
[撮影協力: ワンネスとあきばお~参號店とユートビア]