星野金属の元スタッフによる新興メーカーのアビーから、高品質のE-ATX対応アルミ製ミドルタワーケース「AS Enclosure M2」が発売になった。本体カラーはシルバーとブラックの2タイプで、実売価格は各39,658円~39,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。電源は非搭載。
星野金属と言えば高級志向のアルミ製PCケースやキューブPC自作キットで知られ、特にデザイン重視のユーザーにはおなじみのブランドにもなっているが、アビーを設立した坂口氏はその星野金属の製品販売元であるソルダムの元企画担当。「ハイエンドPCや高品質のPCケースを作るために」と2003年夏にソルダムを退社、同社を立ち上げ、その後しばらくは電源ユニットのみを発売していた。今回の製品は同社のPCケース第一弾となる。
「AS Enclosure M2」はその坂口氏の意向が強く反映された製品で、厳選したアルミニウム合金素材と高い加工精度を組み合わせることなどにより、筐体の品質はもとより強度の向上も実現したという。シンプルで角張った感のあるアルミ素材剥き出しの筐体は無骨な印象もあるが、かえってその奇をてらわないデザインが幅広く受け入れられるかもしれない。高級感のある表面のヘアライン加工も魅力だ。
構造面での主な特徴は、前面のコネクタやスイッチのパネルを移動できるレイアウトフリーの5インチベイ(9基)と、マザーボードを上下逆に装着する特殊な内部レイアウト。マザーボードレイアウトは冷却性を重視したもので、前面吸気ファンと背面排気ファン(ともに1,500rpm)によるエアフローでHDD、CPU、メモリなどを効率よく冷却できるという。筐体の振動を抑えるラバーインシュレータを採用するほか、HDDの静粛性を高める5インチベイ用サイレンサーが標準で1個付属するのも特徴だ。
筐体サイズは高さ430×幅200×奥行き520mm。ドライブベイ数は5インチ×9で、3.5インチHDDは最大6台搭載できる(HDDサイレンサー1基含む)。付属品はマニュアル、インストールガイド、筐体をすっぽり覆う保護用オリジナルバッグ、ネジセットなど。
今回は同社のPCケース第一弾ということもあり、製品全体としては無難な印象もあるものの、今後の製品では本家の星野金属とは異なるどのような方向性を打ち出してくるのか、これからが楽しみなブランドと言えるだろう。
□AS Enclosure M2(アビー)
http://www.abee.co.jp/Product/AS_Enclosure/M2/
| (Abee Enclosure M2) |
[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOP]