【 2005年8月13日号 】
	Serial Attached SCSIカードが発売に、LSI Logic製でPCI-X対応

　パラレルSCSIに代わる次世代インターフェイスのSAS（Serial Attached SCSI）を採用した初のインターフェイスカードが発売となった。販売されているのはLSI LogicのPCI-Xカード「SAS3442X」で、USER'S SIDE本店での実売価格は58,590円（詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと）。

　主に企業向けとされるSASは、その名のとおりシリアルバスによるSCSIインターフェイス規格。SASではSerial ATAと同様にインターフェイスカードやHDDなどの機器間をポイント・ツー・ポイントで接続するため、パラレルSCSIで見られるディジーチェーン接続時に機器間で発生する信号劣化の心配などがなく、データ転送における高い信頼性が確保できるとされている。1ポートあたり最大3Gbpsの転送速度を持ち、またポートを複数束ねて高速化を図るデュアルチャネル化などをサポートするのも特徴だ。

　また、Serial ATAに対して上位互換性を持つのも大きな特徴のひとつ。コネクタ形状はSerial ATAと互換性があり、SASインターフェイスカードにSerial ATA HDDを接続し使用することも可能になっている。なお、SASの接続コネクタはSerial ATAの信号＋電源一体型コネクタの裏面にSAS用の追加信号線を付加したもので、コネクタ部分の接点を確認しない限り、まったく同じコネクタに見える。

　同社製SASコントローラ「LSISAS1068」を搭載するインターフェイスカードの「SAS3442X」は内部4基、外部4基の計8基の3Gbps対応SASポートが使用可能。基板上とブラケット部分には複合ポートが1基ずつ用意されており、分岐ケーブルを接続することで各4基のSASポートが引き出せる（分岐ケーブルはSASタイプ、Serial ATAタイプともに内部接続用のみ付属）。複合ポートを用いていることもあるが、基板は両面とも部品が少なくすっきりした印象だ。

　同店は近日中に、SAS HDDとSerial ATA HDDを混在させた環境の動作デモを行なう予定としている。企業向けの製品で個人ユーザーにとっては縁遠いが、一般の店頭ではなかなか見られないデモだけに興味のある人は見逃さないよう要チェックだ。

□SAS3442X/LSISAS1068（LSI Logic）
http://www.lsilogic.com/products/sas_hbas/sas3442x.html
http://www.lsilogic.com/products/sas_ics/lsisas1068.html
□関連記事
【2005月6年27日】今年夏に本格始動する次世代のSerial Attached SCSI [前編]（伊勢雅英のストレージ最前線/Enterprise Watch）
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/storage/2005/06/27/5579.html
【2005月7年4日】今年夏に本格始動する次世代のSerial Attached SCSI [中編]（伊勢雅英のストレージ最前線/Enterprise Watch）
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/storage/2005/07/04/5640.html
【2005月7年11日】今年夏に本格始動する次世代のSerial Attached SCSI [後編]（伊勢雅英のストレージ最前線/Enterprise Watch）
http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/storage/2005/07/11/5698.html
【2005月8年13日】Serial Attached SCSI対応HDDがMaxtorから登場、73GBモデル
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20050813/etc_sasatlas10k.html

（LSI Logic SAS3442X）

[撮影協力:USER'S SIDE本店]

Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company.All rights reserved.