【 2007年3月24日号 】
AMD 690とG965の対決イベント開催、GPUの性能差で圧勝?
動画再生と3Dゲームの同時実行で大きな差をアピール
Avivo解説(1) Avivo解説(2)
【Avivo解説(1)】【Avivo解説(2)】
Half Life 2比較 PDF再描画デモ
【Half Life 2比較】【PDF再描画デモ】
HDMIの解説 搭載マザーリスト
【HDMIの解説】【搭載マザーリスト】
3Dベンチの差 HQVベンチの差
【3Dベンチの差】【HQVベンチの差】
“兄貴”登場 CPUロードマップ
【“兄貴”登場】【CPUロードマップ】

 AMDは予告していたAMD 690チップセットの店頭デモイベントを予定通り24日(土)に実施、IntelのG965チップセットと直接比較しながら特にGPUコア性能の高さをアピールした。

 場所はTWOTOP秋葉原本店で、25日(日)にもドスパラ秋葉原本店前でも同じ内容のデモを行う予定だ。

●Vistaも3Dゲームも余裕のAMD 690

 進行役として登場したのはAMDの佐藤美明氏。AMD 690はリビングPC向けに高品質動画再生機能と3Dゲームにも使える強力なRadeonコアのGPUを内蔵しているのが特徴だと宣言し、まずは基本機能を解説した。

 シリーズにはAMD 690GとAMD 690Vの2種類があり、前者は内蔵GPUにRadeon 1250を搭載しHDMI+HDCPをサポート、後者はRadeon X1200を搭載してHDMI+HDCPを省略した廉価版で、いずれもデュアルのディスプレイ出力が可能、さらにシングルチャネルのメモリでもWindows VistaのAero動作基準をクリアしており、「GPU統合型チップセットの壁を破ってWindows Vistaや3Dゲームがサクサクと動く」とコメントした。

●動画再生品質とHDMIに大きな差

 AMDの店頭デモイベントと言えばIntel製品との直接対決デモが恒例だが、今回はAMD 690VチップセットとG965チップセットによる内蔵GPUの性能比較が行われた。まず、AMD 690VのGPUには動画再生高画質化機能のAvivoが搭載されていることを強調し、そのメリットの例としてAvivoがあれば映像の細かいグラデーションを綺麗に再現でき、細かいパターンが並んでいる映像で発生する縞模様のようなモアレが抑えられることを挙げた。実際に比較デモとして、レーシングカーがレース場を走るシーンの動画を再生させると、AvivoのないG965では観客席の部分にモアレが発生し、青空のグラデーションが段々表示になってしまうのに対し、AMD 690ではどちらも綺麗に表示された。

 また、一般のAV機器でも使われる動画再生ベンチマークのHQVでAMD 690はスコアが80なのに対し、G965は48と大きな差があることもプレゼン資料で示された。さらにAvivoのないG965では、TVに出力したコンテンツがオーバースキャンで部分的に表示できないことがあるが、AvivoのあるAMD 690では独自のダウンスケーリング機能で、完全に再生できるという差があるとした。

●3Dゲームでは体感でわかる差

 HDMI出力に関しても根本的に構造が違うことを強調、Intel向けマザーボードでもHDMI搭載製品が最近発売されているが、これはチップセットの外にあるサウンド信号を外付けHDMIコントローラーにつないでいるため、将来、もしコンテンツのサウンド部分にコピーガード信号がかかった場合には対応できず、HDMIで再生しても音声が抜ける可能性を指摘した。AMD 690はサウンドもグラフィックスもチップセット内部で生成して出力するので、その点に不安がないという。

 このあと比較デモとして、地図データの入ったPDFをAdobe Reader 8で表示させ、ズーム・イン/アウトさせた場合の描画品質の差を見せるデモが行われた。AMD 690ではズームインすると地図データがスムーズに表示させるものの、G965では部分的にホワイトアウトしたり、再描画に時間がかかる例が見られた。さらに3Dゲームの差として、Half Life 2を起動。G965では激しくフレーム落ちが発生したうえに水面データが表示されない現象が発生、一方のAMD 690では比較的フレームレートが高く水面データも表示されているのが確認できた。佐藤氏は「内蔵GPUでも3Dゲームが遊べる時代がやってきた」「これがGPU統合チップセットの新基準です。今までのGPU統合チップセットはそれ以下。皆さんここから始めてください」とコメントした。

 なお、デモ機で使われたCPUは参考までに記すと、AMD 690VがAthlon 64 X2 5200+、G965がCore 2 Duo E6400。

●“兄貴”と“神様”の火花

 この日の第一回目となる13時の回では、“兄貴”こと土居憲太郎氏がスペシャルゲストとして登場。CeBITで発表されたCPUロードマップの新たな部分やDTXフォームファクタの概要を解説した。この最中、観客に“神様”ことIntel天野伸彦氏がいることを発見すると、クアッドコアのOpteronが従来のTDPのまま出てくることを解説した上で「他社さんはこれができないのかなと、一時的に上がってまた下がる仕組みになっているのかもしれませんけど」と皮肉をポロリ。この後に佐藤氏は“神様”がHPCのイベントでAMDのイベントに対する先制パンチのコメントがあったことを善意に解釈し、「こちらのイベントの告知をやってくれましたので、“神様”ありがとうございますとお礼を述べさせていただきます。そちらのイベントは近くのカフェでやっているので、皆さんAMDイベントの後に行ってください」とフォローした。

 チップセットのGPU性能を比較する店頭イベントというのは珍しいうえ、従来のようなベンチマークスコアを並べるデモではなく、体感で品質差を訴えるという内容で観客の関心も高く、この日行われた3回のデモはいずれも車が通れなくなるほどの人を集めていた。

 なお、今週発売されたばかりのBIOSTAR製AMD 690Gチップセット搭載Socket AM2マザーボード「TA690G AM2」は、すでに同店では売り切れになるという人気ぶり。このデモの効果で、今後出てくるAMD 690搭載マザーボードも含めてさらに人気が高まるかもしれない。


[動画] AMD 690対G965 対決デモ
Windows Media Video 9 / 123秒

□イベント告知ページ(AMD)
http://amd64.jp/event/070320-01.php
□AMD 690シリーズ(AMD)
http://www.amd.com/jp-ja/Processors/ProductInformation/0,,30_118_14603_14762,00.html
□関連記事
【2007年3月24日】“神様”がHPCのイベントでAMDのイベントに先制パンチ
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20070324/etc_hpc.html
【2007年3月17日】LGA775対応で初のHDMI付きマザーボードがabitから登場
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20070317/etc_abit.html

 (BIOSTAR TA690G AM2)

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。
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