※(9/21更新)発売を確認。解説や動画を追加。
デュアルコア版Atomを搭載した初のマザーボードが発売された。発売されたのはIntelのMini-ITXモデル「D945GCLF2」で、実売価格は1.1万円前後(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。
●デュアルコア×Hyper-Threadingで4スレッド
D945GCLF2は、Atom初のデュアルコアモデル「Atom 330」を搭載した製品。CPUの詳細は、「デュアルコア」「FSB 533MHz」とされているのみで、IntelのWebサイトなどにも今のところ記載がない。
ただし、ソフマップ 秋葉原 リユース総合館の店頭デモ機でCPU情報をチェックしたところ、動作クロックが1.6GHzであることや、2次キャッシュ構成が512KB×2であること、EM64TやHyper-Threadingに対応していることなどが確認できた。
CPUダイはAtom 230のコアが2つ載っているようなかっこうで、スペック、形状ともに「Atom 230×2個」といった印象をうける。Hyper-Threading対応のデュアルコアであることから、都合4スレッドを利用できることも特徴だ。
●マザーボードも機能向上
チップセットクーラーは小型化
今回の製品は、マザーボードとしての機能もシングルコアの既存モデル「D945GCLF」(Atom 230搭載)から向上している。具体的な向上点はLANインターフェイスのGigabit Ethernet対応化やTV出力端子(S-Video)の追加など。
また、搭載している冷却機構は、ファンレスのCPUクーラー+ファン付きのチップセットクーラーで、この点はこれまで同様。ただし、「大きすぎてケース選択時の難点だった」(複数ショップ)というチップセットクーラーはやや小型化され、逆に大型化したCPUクーラーとほぼ同じサイズになっている。
搭載チップセットはD945GCLFと同じIntel 945GC Express/ICH7。スロット数はPCI×1、DIMM×1(DDR2 667/533、最大2GB)。主な搭載機能はVGA、Gigabit Ethernet、TV出力、Serial ATA(2ポート)、パラレルATA(1ポート、Ultra ATA/100)、6チャネルサウンド。
●入荷量は多め、一部でデモも実施中
入荷量については「潤沢」とするショップが多く、「D945GCLF」の発売時のような品薄感はあまりない。ただし、早くも「売れ行き好調」と話すショップも多いという状況だ。
また、店頭デモについては前述のようにソフマップ 秋葉原 リユース総合館が実施中。デモは、80WのACアダプタと小型ケース、3.5インチHDDを使ったもので、720pの動画ファイルを再生中。また、来店者には自由にさわってもらっているとのこと。
「ローエンド向け」というポジションのため、CPUパワーに関しては限定的なAtomだが、4スレッド実行のCPU+マザーボードが実売1万円弱で入手できるのは大いに注目できる。実際のパフォーマンスについては不明点も多いが、整いつつあるMini-ITX環境の現状と合わせ、一つの大きな話題と言えそうだ。
[動画] 720p動画の再生 / 50秒
□インテル
http://www.intel.co.jp/
□関連記事
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http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0820/intel2.htm
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http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20080607/etc_atomcpu.html
【2008年2月19日】SilverthorneのPC向け派生CPU「Diamondville」
(PC Watch/後藤弘茂のWeekly海外ニュース)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0219/kaigai420.htm
| (Intel D945GCLF2) |
[撮影協力:T-ZONE. PC DIY SHOPとTSUKUMO eX.とテクノハウス東映とソフマップ 秋葉原 リユース総合館とドスパラ秋葉原本店]