【 2008年11月1日号 】
ACARDのDDR2 RAMディスク「ANS-9010」が発売
4GB×4枚セットの対応メモリも登場
※(11月1日更新) ANS-9010Bの入荷見通し、
 バリデーション済みメモリに関する記述を追加。
 DDR2 DIMMを装着してRAMディスクとして使うACARDの5インチベイ内蔵型RAMディスクユニット「ANS-9010」が発売された。実売価格は49,800円(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

 ただし、入荷したドスパラ秋葉原本店では、すでに売切れとなっており、次回入荷も「未定」としている。

 なお、DIMMスロット6本の下位モデル「ANS-9010B」については複数ショップが「来週入荷」として予告中(予価32,800円前後。詳細は「もうすぐ出そうな新製品」参照のこと)。また、「ANS-9010シリーズで動作確認した」というメモリも新たに発売されている。実売価格は4GB×4枚セットで64,800円など(詳細は「今週見つけた新製品」参照のこと)。

●DDR2版のi-RAM?
 RAID 0でリード338MB/sも

ANS-9010 ANS-9010
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ANS-9010
【ANS-9010でのRAID 0環境】
ANS-9010B
【ANS-9010B】
 ANS-9010は、DDR2 DIMMをSerial ATA接続のRAMディスクとして使える製品。似た製品としては、DDRメモリに対応したGIGABYTE製品、i-RAMシリーズがあるが、この製品は入手性/価格ともに優位なDDR2 DIMMに対応しており、さらにメモリスロットも8基に倍増、2ドライブとして認識できる点などが大きく異なる。

 本体のジャンパピンでは1ドライブ/2ドライブモードや、ECC非対応DIMMでECC機能が利用できるECCエミュレーション機能の有無などを選択可能。

 本体は2ドライブモードに備えて2基のSerial ATAコネクタを装備。2ドライブ時は両コネクタが別ドライブとして機能する仕組みで、1ドライブあたり4基のメモリスロットが割り当てられる。PC側でRAID 0構成にすることで、並列アクセスなどもできるという。

 また、もう一方のECCエミュレーション機能は利用できるメモリ容量を8/9に減らすことで、ECC非対応メモリでECC機能を利用するもの。i-RAMでは、「長期間通電し続けると、いつの間にか一部のメモリ内容が化けていることがある」というヘビーユーザーの声もあったが、この機能を利用することで、こうしたエラーを防げるものと思われる。なお、製品自体はECCメモリにも対応している。

 速度に関しては、この製品1台を使った「RAID 0構築例」がデモされており、その際にリード338MB/s、ライト280MB/sといった数値が出ている。また、1ドライブモード専用の下位モデル「ANS-9010B」を使ったデモでは、リード185MB/s、ライト152MB/sといった値が公開された


●電源は4ピンケーブル+リチウム電池
 CFバックアップも対応

ANS-9010 ANS-9010
 電源供給は4ピンケーブル(PCの電源から供給)で行なう仕組み。また、データバックアップ用のリチウム電池を内蔵しており、電源が供給されていなくても1時間程度はデータを保持できる。ただし、それ以上、データを保持する機構はないため、PC電源から供給する場合は注意が必要だ。

 このほか、本体前面にCFスロットを1基備え、メモリ上のデータをCFにバックアップしたり、CFからリストアしたりする機能を備えるのも特徴。バックアップ操作は前面左側のボタンで行なえる。ただし、データの転送には時間がかかるとのことで、頻繁に使用するのには適さないようだ。

 本体サイズは高さ42×幅145×奥行き214mm。対応メモリはDDR2 400/533/667/800。Serial ATAインターフェイスは転送速度3Gbpsに対応している。


●下位モデルも来週3.3万円で発売予定
 検証済みの4GB×4枚メモリセットも登場

ANS-9010 ANS-9010
 早くも売り切れた「ANS-9010」だが、来週にはDIMMスロット6本で2ドライブ認識非対応の下位モデル「ANS-9010B」も発売予定。

 これは予価32,800円ほどと予告されており、価格の点では魅力的。また、入荷予告店もT-ZONE. PC DIY SHOPTSUKUMO eX.オリオスペックの3店に増えており、流通量が増える可能性も考えられる。

 さらに、この種の製品にありがちな「メモリの相性」を回避できるという検証済みメモリも今週新たに発売されている。発売されたのはWinChipの製品で、ANS-9010向けの4GB×4枚セット(=16GB)と、ANS-9010B向けの4GB×6枚セット(=24GB)の2種類。総容量が多いだけに、価格も64,800円(16GBセット)、78,204~94,800円(24GBセット)と高価だが、「確実に動作させたい」という向きにはいいだろう。


●DRAMベースSSDの雄となるか?

 こうした「RAMディスク」としては、激しい値下がりで普及期に入ったフラッシュメモリベースのSSDもあるが、書き換え寿命が実質存在せず、書き込み速度もより高速なDRAMベースのSSDも速度面から注目できる。2GB×2枚が5千円で買えるようなメモリ価格の値下がりも追い風だ。

 電源供給が途絶えると内容が消えるなどのデメリットもあるが、「とにかく速度を」というユーザーにとっては非常に注目できる製品と言えそうだ。


□ANS-9010/ANS-9010B/オンラインショップ(ACARD Technology)
http://www.acard.com/japanese/fb01-product.jsp?idno_no=256&type1_idno=13
http://www.acard.com/japanese/fb01-product.jsp?idno_no=257&type1_idno=13
http://www.acard.com/japanese/fb01-batcar.jsp

□関連記事
【2008年10月11日】ACARD製RAMディスク廉価版がデモ、発売は早め?
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20081011/etc_acard.html
【2008年8月9日】DDR2対応のRAMディスクデバイスがデモ、ACARD製
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20080809/etc_acard.html

 (ANS-9010)

[撮影協力:ドスパラ秋葉原本店T-ZONE. PC DIY SHOPパソコンショップ アーク]

※特記無き価格データは税込み価格(税率=5%)です。
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