【 2009年9月5日号 】 | |
4コア化したPhenom II X3が店頭デモ 製品パッケージでも機能解説、“コア復活”もメジャー化? |
- トリプルコアのPhenom II X3をクアッドコア化して動作させるという興味深いデモをドスパラ秋葉原本店が実施中だ。CPUを物理的に改造するのではなく、BIOSからの操作によって擬似的にクアッドコア化が行なえるという。
デモで使われているのはASRockのマザーボードで、パッケージ裏面の機能解説にも「X2 cores → X4 cores」「X3 cores → X4 cores」や「L3 cache 4MB→6MB」とうたわれている。
●BIOS設定でコア数増加
デモ機で使われているマザーボードは、同社のSocket AM3マザーボード「M3A785GXH/128M」。
AOD搭載製品の例
AOD搭載製品の例搭載されているCPUはトリプルコアのPhenom II X3 720 Black Editionだが、デモ機の画面にはCPU名が「Phenom II X4 20」と表示されており、タスクマネージャでも実際に4つのコアが認識されているのが確認できる。
ショップでは「この機能は保証外」と説明しているが、マザーボード裏面の機能解説に加えてASRock Webサイトでも詳細が解説されている状況。Webサイトの解説では、同社製マザーボードのBIOSが持つオーバークロック機能「AOD ACC」を有効にすることによって、擬似的にCPUコアを増加できることが紹介されている。
同社によれば、この機能によってシングルコアのSempronをデュアルコア化したり、デュアルコアのPhenom II X2をトリプル/クアッドコア化したりすることもでき、さらにPhenom II X3/X4の3次キャッシュを増加することも可能だという。
M3A785GXH/128M以外のマザーボードでも機能を使うことはできるとのことなので、Webサイトで対応機種などを確認した上で、“改造”にチャレンジしてみるのも面白そうだ。
●“コア復活”もメジャーなテクニックに?
もちろん保証無しちなみに、この種の“改造”は以前から個人ブログや掲示板で話題になっていたが、メーカーやショップからの表立ったアピールはあまりなく、いわば「知る人ぞ知る」状態だった。今回は、パッケージ裏面に明確な記載がある上、ショップでも店頭デモを開始、いよいよメジャーなテクニックになってきた印象だ。
もっとも「メジャー」であっても、保証外なのはこれまでどおり。万一トラブルが発生してもメーカー/ショップは保証をせず、また「コア数が増えなかった場合でも返品などには応じられない」(ショップ)ので要注意。このあたりはオーバークロックと似た感覚といえるだろう。
なお、ネット上でのこれまでの報告によると、ASRock製以外のマザーボードでもCPUコアの増加は可能で、またCPUのロットによっては失敗することもあるという。
□ニュースリリース(ASRock)
http://www.asrock.com/news/show.asp?ID=132□関連記事
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